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About ナース・ジャッキーについて

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Writers プロフィール

池田敏
アメリカTV・映画ライター。映画誌・TV誌に寄稿し、「これが面白い! 海外テレビドラマ ベスト・テン2011-2012」(キネマ旬報社)で監修・企画協力をつとめた。


4月4日(木)S4#10「オハラの出産」“Handle Your Scandal”

10

【STORY】
病院のベッドで寝ていたクルスは目を覚ますと、自分に取り付けられた医療機器を外してベッドから立ち上がる。クルスが倒れていた一晩、ジャッキーがERを仕切り、臨時ナースを雇うなどして混乱を収拾していた。ゾーイ、自分もジャッキーのように仕事をしたいと言い、OKを貰って大喜び。そこへクルスが現れ、皆の目の前でジャッキーを糾弾し、解雇を言い渡す。仲間たち、両手を一緒に叩いてクルスに無言の抗議。組合の代表と弁護士に連絡するようジャッキーにアドバイスするオハラだが、子宮収縮が始まる。ジャッキーはクルスにチャーリーとの約束はどうすると問うが、クルスは子供の頼みなど知ったことではないと反論。ジャッキー、そこが自分とクルスは異なると言い放つ。
ジャッキー、まっすぐグレースの学校へ。授業中の教室に無理矢理飛び込むと、娘にもうここにいなくていいと言い、連れて帰ることに。喜んだグレースは母親の解雇を知って一瞬ショックを受けるが、すぐに笑顔に戻る。ジャッキーとグレース、そのまま公立学校へ。手続きは順調に進み、グレース、後は自分で出来ると告げてジャッキーを見送る。ジャッキー、集会の会場に立ち寄った後、アカライタスやエディがいるバーに向かう。
病院には、新たな急患が着くが、いよいよオハラはお腹が痛くなって早産を意識。クーパーにバトンタッチするとバーにいるジャッキーに電話し、主治医はバカンスで休暇中だと助けを求める。ジャッキーとエディ、オハラの部屋に行き、服などをかき集める。病院に着いたジャッキー、オハラがいる部屋をめざすが、クルスに見つかってしまう。彼はオハラが出産したらすぐに出て行けと彼女に告げるが、そこにオーバードースで脈拍が止まった急患が。チャーリーだった。クルスは自分でチャーリーに心臓マッサージをするが、反応は無い。涙に暮れるクルスを後にしながらジャッキー、あわててオハラのもとへ。すでにオハラは生まれた赤ちゃんと胸に抱いて微笑んでおり、思わず涙ぐむジャッキー。
屋上では“神”が書いた巨大な絵が完成する。それは、レオナルド・ダ・ヴィンチが描いた「ウィトルウィウス的人体図」の模写だった……。

【今回の診断書】
どうでしたか、「ナース・ジャッキー」第4シーズン。これはあくまで個人的な感想ですが、リハビリに始まったジャッキーの奮闘をどうしても応援せずにいられず、私は4つのシーズンで一番好きかもしれません。ですが、やはり第1~3シーズンの助走があっての飛翔でしょうから、このシーズンだけをひいきにすることは出来ず、やはりこのドラマは今のところ全シーズンが代表作と言えるのではないでしょうか。
まずは今回のエピソードでいうと、ゾーイに成長を感じました。失礼な言い方かもしれませんが、おバカ・キャラで始まった彼女が臨時ナースたちを指導し、クルスのオフィスに単身突入して「いい部下になれと言うならいい上司になれ」と主張するくだりは、なかなか盛り上がりましたよね。でも、彼女がクルスに渡したメモ帳は、どうやら絵の落書きだらけというのが笑ってしまい、コメディリリーフとしても健在なようです。
他、細かいところでは、ジャッキーに送られたキャンドル集会の画像を見たアカライタスが「酸素が近くにあるからやめさせて」といって、まだ病院を忘れられないのかなと思わされたり、オハラやお腹の子の父親をめぐって落ち着きがないクーパーもいい味を出していました。そして解雇された後のジャッキーのスピーディな行動がまた見事で、集会に集まった人たちに「これからバーに行く」と言うあたりのブラックユーモアは彼女らしいし、また、グレースが公立学校の学校のスタッフ(校長?)に、「学校に通わせる義務がある」と告げるあたりも、母子揃って痛快でした。
とはいえ、このドラマのこと、そう簡単にハッピーエンドを迎えていません。まず、ジャッキーと夫ケヴィンの訴訟が気になりますし、アカライタスとエディはこれからどうなるのでしょう。レニーと別れたゾーイのプライベートも、オハラの子育ても気になりますよね。でもご安心を。米国ではちょうどこの4月、14日から第5シーズンの放送がスタート(後述)。インターネットのおかげで、筆者は第5シーズン第1話の予告編を見てしまいましたが、「まだいるの?」という意外なキャラもいれば、新キャラも何人か登場するようで、“ナース・ジャッキー新章”の始まりを感じてニヤニヤしてしまいました。
それでは「ナース・ジャッキー」ブログ第4シーズンは今回まで。ご愛読なさってくださったみなさん、どうもありがとうございました。いつかまたお会いしましょう。

【ウィトルウィウス的人体図】
前エピソードを受け、自称“神”がオールセインツ病院の屋上の床に模写した絵。イタリアのルネサンス期を代表する芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチが、古代ローマ時代の建築家ウィトルウィウスの著作をもとに書いた手稿の挿絵。とにかく多彩な考察がされてきた人体図のようで、ここでは詳述しませんが、現在でも医学のシンボルとされることが多いとか。変わり者の自称“神”がこれほど見事なチョイスをしたことにこそ、時にハードな現実を反映する「ナース・ジャッキー」に何か希望があるのではないかと思います。

【チャーリー役のジェイク・カナヴェイル】
実生活でも、チャーリーの父親クルスを演じるボビー・カナヴェイル(WOWOWで海外ドラマを見てきた人なら「サード・ウォッチ」「コールドケース」でもおなじみ)の息子です。ボビーの別れた妻は伝説的映画監督シドニー・ルメット(「十二人の怒れる男」「セルピコ」「狼たちの午後」「評決」など代表作多数)の娘で、つまりジェイクはその孫でもあります。本作は大抜擢だったのですが、今後の活躍にも期待したいですね。

【第5シーズンは?】
「ナース・ジャッキー」を全米放送しているショータイム局でちょうどこの4月、14日から第5シーズンの全米放送がスタート。前述の通り、インターネットで第1話の予告編が見られましたが、あえてここではその内容を語りません。でも、“ナース・ジャッキー新章”の始まり、を予感させられますがどうでしょう。オールセインツ病院が引き続いてにぎやかそうなのには、ひとまず安心ですが。
映画ファン的には、第2話を「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」「ラビット・ホール」のジョン・キャメロン・ミッチェルが監督する予定なのが楽しみです。

2013.4. 4|エピソード|コメント(1)トラックバック(0)

3月28日(木)S4#9「責任者は誰?」“Are Those Feathers?”

9

【STORY】
ジャッキーの自宅。アカライタスとエディが招かれ、朝食会に。エディは犬を飼うといい、アカライタスはいずれ解雇されると思っていたと語り、2人とも落ち込んでなさそうだが、申し訳ないジャッキーはクルスを許せない。そこへ来たフィオナは、姉グレースがストライキ中だという。ジャッキーが部屋に行くと、グレースは公立の学校に行きたいと訴え、今の学校に行きたくないと駄々をこねる。ジャッキー、自分だって病院に行きたくないが行かなきゃいけないと説得。反論できないグレース。
病院。アカライタスたちの解雇を受け、ゾーイたちは2人のためのカンパを募集すると共に、喪章を付けてクルスへの不満を露わに。だが、ジャッキーは「これ以上解雇者を出したくない」と、皆におとなしくするよう告げる。クーパー、カンパの瓶の似顔絵を見て不謹慎にも大笑いするが、ジャッキーから彼らの解雇を知らされると深刻な表情に。久しぶりにトゥレット症候群が出て、ジャッキーの胸を触ってしまう。
この日は他の病院から回された患者もいて、全員が大忙しに。初の偏頭痛だという女性トーシャが、くも膜下出血と判明。すぐに手術が決まるが、そこへトーシャの父親から電話が。道で転んで別の病院に運ばれ、迎えが必要だという。帰ろうとするトーシャを止めるジャッキー。妻を亡くしたばかりである父が心配なトーシャ。ジャッキーはクルスに相談するが、業務外と拒まれる。ジャッキーはゾーイにトーシャに父を迎えに行かせる。
アカライタスとエディは退職者面接を受けるが、退職金は予想以上に多かった模様。とはいえ、病院を去るのは寂しい。屋上ではヘリポートを作る工事が行われていたが、建物の電気の配線がひどいため、業者はこれ以上できないと言い、工事は中断へ。それを知ったジャッキー、病院近くに住む自称“神”を屋上に連れて行き、屋上をキャンバス代わりに絵を描いていいと告げる。
いよいよ腰が痛くなるほどお腹が大きくなったオハラだが、子供の父親(精子提供者)が自分と同じキャンプに行っていたとクーパーが知ったため、父親を知られたくないと取り乱す。オハラ、ジャッキーを相手に泣いてしまうが、そんな彼女の心配をよそにクーパーは出産前祝いのパーティ、ベビーシャワーをやろうと言いだす。
町でゾーイがトーシャの父親をストレッチャーで運んでいるところを、クルスに見つかってしまう。怒ったマイクは喘息の発作を起こしながらもナースたちを見張ると言う。しかし患者はあふれ返り、ジャッキーは待ちくたびれて抗議したい患者たちの相手をクルスにさせ、自分でERを仕切り始める。クルスが倒れそうになって消えた後、別の患者が怒り始める。ジャッキーは宣言する、「私が責任者」と。

【今回の診断書】
今シーズンの最終話まであと2話となった「ナース・ジャッキー」。アカライタスとエディが解雇された前回を受け、患者も多いという中、ちょっと緊張したムードがありました。それにしてもクルス、ジャッキーに「依存症だからどうせ自滅する」と残酷なことを言うなど、一時期は優しくなったかと思えば、病院に来た頃に戻ったようです。
とはいえ、そこは優れたバランス感覚を持つこのドラマらしく、笑える趣向もふんだんでした。まずアカライタス、携帯で写真(画像)が見られることを知らないなんて、どれほどアナログなんでしょう。クーパーもついにクルスに怒りだすようになりましたが(遅い、という表情をジャッキーも見せましたが)、それにしても「僕が副操縦士なら」という例えはヘンでしょう。トンカ・ベアー・キャンプの歌を振り付きで歌い出したあたりもクーパーらしいですね。それと自称“神”(演じるのはスティーヴ・ブシェミの弟マイケル)が第3シーズン第7話以来の再登場。病院の前、路上に描いた絵はとても上手でびっくりしました。屋上でどんな絵を描くのか、気になりますね。
また、ついにオハラの父親(精子提供者だった!)が判明。ジャーナリスト・山男・身長183cm、緑色の目で理想的、だったそうですが、そんなに知られたくないとは。
では次回「ナース・ジャッキー4」最終話もお楽しみに!

【トーシャ役のサイーダ・アーリカ・エクローナ】
米国で多数の映画・ドラマに出演しているバイプレイヤー。今回は患者役ですが、プロ初仕事は「SEX AND THE CITY」でのナース役だったとか。

2013.3.28|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

3月21日(木)S4#8「解雇」“Chaud & Froid”

8

【STORY】
チャーリーとクルスの家。意識を失ったチャーリーをバスルームに担ぎ込んだ父親クルスは、ジャッキーにシャワーの水を出させるが、お湯が出てきてびっくり。目を覚ますチャーリー。彼と施設にいたことがクルスにバレたジャッキーだが、チャーリーが父親にもう一度施設に入るからジャッキーをクビにするなと約束させたおかげで、ジャッキーは解雇を免れる。ジャッキーと父親に見送られ、チャーリーは5度目の施設入りをする。それでもクルスは、まだジャッキーを許せない。
病院。エアコンが故障し、暑い室内。チャーリーがバラしたせいで、ジャッキーに薬を融通していたことがクルスに知られたエディは解雇を言い渡される。また、過去の防犯カメラの映像から、アカライタスがジャッキーの尿検査のサンプルを捨てていたことが明らかに。クルスは、わざわざジャッキーの目の前でアカライタスにも解雇を言い渡す。ジャッキーは自分をクビにしろと彼女をかばうが受け入れられない。アカライタスは解雇を受け入れる。そんなエディはケヴィンの弁護士に呼び出され、供述をさせられる。病院に戻ったエディはジャッキーにそのことを告げるが、ケヴィンに殴られた時、その場に子供たちもいたという。彼女に味方すると言いたげだ。
かつて夫の入院(第1シーズン第3話)に付き添ったジンバーグ夫人が、1週間前から喉が痛いと言う。オハラから扁桃腺の問題と聞いた夫人は、87歳なのに全摘手術を受けると志願。子供たちと離れて暮らし、夫も世を去ったからこそ、前向きなようだった。
オハラは、妊娠のエコー検診に付き合うようジャッキーに頼むが、クルスが気になるという彼女の意思を尊重し、別の相手を捜すが見つからない。オハラはクーパーに同行を頼むことに。しかも出産立会人の補欠に彼を加えてあげてもいいという。喜ぶクーパー。
帰宅したジャッキーとゾーイ。そこへ弁護士からエディの件を聞き、怒鳴り込んで来たケヴィン。ジャッキーはアパートの防犯カメラの映像が証拠になると反論すると共に、どちらも負けだからと親権争いをやめようと彼に訴え、彼も躊躇する。そんなケヴィンが出て行った後、その場に居合わせたゾーイは、居候をやめて出て行くと言い出す。このまま同居していたら、ジャッキーが見せたくない部分まで見てしまいそうだという。だが依存症に逆戻りしたくないジャッキーは、ゾーイにまだここにいるよう頼む……。

【今回の診断書】
また今回も急展開でした、「ナース・ジャッキー」。個人的に、ジャッキーがチャーリーの件を利用してクルスに対抗するのかと予想しましたが、やはり攻撃的でないジャッキー(これまでの色々なアイディアも実は自分からの攻撃ではなかったはず)、むしろここぞとばかりにメスを振るいだしたクルスがアカライタスとエディを解雇するという意外な顛末にドキドキしました。それにしてもクルス、最近は実はいい人物だったと思わせておいて、やっぱり怖い。そして、ケヴィンも番組初期とは打って変わって、最近は怖い。あらためて思うのは、このドラマはやはり女性の味方だなと。その点ブレていません。
男の怖さが今回重要なのは、ゾーイが家から出ていくと言い出す終盤につながります。でもジャッキーは彼女にい続けてほしいという。エピソード全体は波乱の展開でしたが、最後は女性同士の友情を感じさせてニクいなぁと思わされました。
もっとも、そんなゾーイですが、レニーとは揉めることなく別れることになった様子。朝から銀行に並んで手に入れた30ユーロをレニーに渡し、「いつもここにいるよ」と映画の「E.T.」を真似るゾーイですが、周囲は「吐きそう」と苦笑いしてました。さて、そんなレニー、ギリシャに行くと言っていましたが、どうなるのでしょう。
今までの「ナース・ジャッキー」、各シーズンは全12話でしたが、今シーズンは残念ながら全10話。その分、密度が濃いとはいえ、残る2話はどうなるのか。ご期待を!

【スザンヌ・ファレルとルディ・ガリンド】
ソーが糖尿病を克服したと紹介した人たちですが、いずれも実在します。ファレルのほうは、ニューヨーク・シティ・バレエ団のプリマでしたが1989年に引退。ガリンドのほうは元フィギュアスケート選手で、現在はプロスケーター。私が調べたところ、糖尿病の裏は取れませんでしたが、ソーがミュージカルだけでなくバレエやフィギュアスケートも好きというのが微笑ましいですね。

【「食べて、祈って、恋をして」】
レニーがゾーイに借りていた本。正確な邦題は「食べて、祈って、恋をして 女が直面するあらゆること探求の書」で、ジュリア・ロバーツが主演した映画版のタイトルは「食べて、祈って、恋をして」だけ。著者エリザベス・ギルバートが世界各地をめぐった経験の回想録ですが、この本ではギリシャのことは描かれないのに、レニーがギリシャに行くと言い出したのが妙で面白いです。

2013.3.21|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

3月14日(木)S4#7「こんにちはお父さん」“Day of the Iguana”

7

【STORY】
病院。ソー、クーパーに向かって恋人に別れを告げるような言葉。そばにはゾーイ。彼女がレニーにどう別れを告げるか、うまい文句を研究していたのだ。クーパーは自分の経験(第3シーズン最終回)から「結婚式のドタキャンは最悪」といい、早くレニーに明かしたほうがいいとアドバイスする。
ジャッキーはケヴィンとの裁判のため、オハラの友人の弁護士ローレルを味方につけることに。形勢は不利だというローレルは、ジャッキーが職場でクスリの誘惑にさらされていることも問題視。好感度を上げるため、できるだけ依存症の会に出席して証明書をもらえといい、さらには大物に自分をほめる紹介状を書いてもらい、ケヴィンが保護者失格だと証明できればなおいいというが、ジャッキーにあてはない。
病院に戻ったジャッキーはクルスに呼び出されるが、息が苦しそうなクルスは花粉症だといい、ジャッキーに家庭のことを職場に持ち込むなと注意。しかしクルスが息が苦しそうなことを隠すのを手伝ったジャッキーは、「貸しがひとつできた」と告げる。
心臓病の患者が病院へ。彼はアカライタスの元同僚のディックで、認知症でもあった。ディックは初の男性ナースで、アカライタスは当時彼に好意を抱いていたようだ。しかしディックは今が1974年で、自分がまだナースだと思い込んでいた。ジャッキーはサムをディックに付き添わせるが、ナース服を着たディックはサムと一緒に働き出してしまう。
イグアナを棚に戻そうとして椅子の上に立ったが転んで捻挫した理科教師、デイヴをレニーが搬送してくる。だがナースたちがデイヴを担架(ストレッチャー)からベッドに移そうとした際、デイヴは床に落ちてしまう。デイヴの頭部に出血が見つかって大騒ぎに。クルス、クーパーにデイヴを落としたことは絶対に認めるなと命じ、ナースたちにも同様に命じる。デイヴ、自分が落とされたのに誰も謝罪しないと不満だが、ひとりディックだけが彼に謝る。デイヴ、納得し、娘がディックを迎えに来る。
依存症の会に出席したジャッキーと今日が18歳の誕生日だというチャーリー。いきなりチャーリー、スムージーをそばにいた男性にかけてしまい、ジャッキーと共に追い出される。出席のサインを貰えなかったジャッキー、チャーリーを叱るが、彼女がクスリが入ったスムージーを口にしたので止めようとしたと説明。呆れて立ち去るジャッキー。
オハラ、エディの目を診察。そこへ来たジャッキーに、エディの目はケヴィンに殴られたせいで傷ついたという。まるで離婚裁判で使える材料だと言いたげなオハラ。
病院の教会。ゾーイ、レニーに「1人でパリに行きたい」とウソを言って指輪を彼に返すが、レニー、あっさりと受け取る。
ジャッキー、意を決して人物紹介状の件をクルスに頼むが、クルスは承諾する。
そこへ電話が。ジャッキー、何かやって警察に連れて行かれたチャーリーの身元引受人代わりになってやり、タクシーで彼を家に送るが、彼の自宅でクルスと出くわす……。

【今回の診断書】
今回の「ナース・ジャッキー」も面白かったですね。ついに、という衝撃的なクライマックスもそうですが、登場人物のほぼみんなに見せ場がありました。
加えて、ゲスト・キャラのディックが最高でした。後で解説しますが、本当に今が1974年だと誤解している感じがたっぷりで、クルスのネクタイが細いという指摘も(それを聞いたソーの「太いほうがいい」という意味深なコメント!)、1970年代のネクタイはもっと太かったからです。それでいてアカライタスとの別れ際のやり取りは感動的でした。
ゾーイのウソも凄かったですし、まだ保父になる気まんまんのクーパーに対し、オハラがその好意を受け入れたのも今後が気になります。
それにしても米国の弁護士は凄いですね。1時間で750ドルの相談料って。クルスが離婚を2回もしているという情報と合わせて、やっぱり米国の離婚って凄いなと。そう考えるとゾーイの判断は正しかったのかも?
さて、次回はどうなるでしょう。今から楽しみです!

【エピソード原題の“Day of the Iguana”】
映画「イルカの日」(原題“The Day of the Dolphin”)に引っかけたシャレでないかとパッと思いついたのですが、すみません、裏を取れませんでした。

【「恋愛専科」】
今が1974年だと思い込んでいるディックの台詞に登場したTV番組。原題は“Love, American Style”。1969~1974年に全米ABCネットワークで放送。毎週、異なるカップルを描いたドラマです。ディックは確かに今が1974年だと思い込んでいますね。ちなみに登場人物が毎回異なるドラマのことを米国では「アンソロジー」といいます。

【「セルピコ」】
エディの薬剤室を映画館の切符売場と誤解したディック。アル・パチーノ主演のこの映画は1973年12月に全米公開され、翌年にかけてヒット。やはりディックは今が1974年だと思っています。

2013.3.14|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

3月7日(木)S4#6「ゾーイの乙女心」“No-Kimono-Zone”

6

【STORY】
病院。ジャッキーが自分の席の引き出しを開けると、1錠の青いクスリ。飲み込む彼女の背後にクルスが忍び寄り、彼女の両肩に両手を置く。「やめるはずでは」という彼に、いきなり熱いキスをするジャッキー……。それは病院で仮眠していたジャッキーの夢だった。現れたオハラのお腹はすっかり大きくなったが、起きたジャッキーに「本当にクスリを飲んでクルスとセックスした」と告げる……。が、それもジャッキーの夢だった。自宅のキッチンでは、ルームメイトになったゾーイが日本の着物姿でいる。「キッチンは着物禁止ゾーン」というジャッキーだが、グレイスとペイトンにお弁当を渡して見送ったゾーイは、レニーにもらった婚約指輪をジャッキーに見せ、嬉しそうな表情を浮かべる。
出勤前、病院の前で話すジャッキーとオハラ。妊娠して我慢するものが増えたというオハラに、ジャッキーは夢でクルスとセックスしたと明かす。そこへケヴィンの弁護士から娘たちの親権を争うと電話で連絡が。オハラ、落ち込むジャッキーの肩を抱き寄せる。
席に着いたジャッキーだが、引き出しにクスリはない。彼女の両肩にクルスが両手を置き、来いという。クルスはオフィスでジャッキーに個人記録を見たが、20年で1件も苦情がないどころか、一切のデータが消えているという。クルスはジャッキーを疑っているようだが、そこへ別の病院から患者が。重さ400キロの金庫が足に落ちた男性だ。前の病院はその足の切断すると診断したが、クルスは何とか切断を回避したいという。
赤ちゃんを預ける保母の候補を探すオハラ。そこへ現れたクーパーは、オハラのお腹を赤ちゃんが蹴ったことに気づき、お腹の赤ちゃんに声をかけ始める。やめさせるオハラ。どうやらクーパーは保父になりたいようだ。
病院には、ホルモンの投与で女性になった患者ロナが来る。ホルモンの副作用で肝炎になっているとオハラは診断し、飲み薬を禁じる。男性に戻るなら死んだほうがマシといい、退院しようとするロナを引きとめるジャッキー。そこに突然現れたアカライタスは、性転換専門の医療センターをロナに教える。また、保険証の名前は本名のマークなので支払い義務は3200ドルになると指摘すると共に、ロナの名前だと保険は使えないが支払い義務もないといい、どちらにするか慎重になれといい、ロナは「自分はロナだ」と答える。
ジャッキーを心配するアカライタスだが、データのことは知らないという。ロナの問題をエディに質問したジャッキーは、彼から最近どうだと尋ねられ、ケヴィンに訴えられたと明かす。エディが先日、ジャッキーが使った薬をケヴィンに教えてしまったことを告白すると、ジャッキー、激怒する。
指輪を失くしたと気づいたゾーイはパニックで、必死に指輪を捜す。ジャッキーは手伝うが、机の下から1錠のクスリを発見。指輪はクーパーが見つけ、ゾーイは彼を抱きしめる。ジャッキー、エディのオフィスの専用箱にクスリを捨てようとするが、結局は思いとどまる。高価なハイヒールがずらりと並ぶ、オハラの部屋。ジャッキー、ケヴィンが親権だけでなく家の所有権も主張し、しかも裁判で自分は不利だとグチる。薬をやめてから悪いこと続きだと嘆くが、オハラは強く否定。ジャッキーがクスリを見せるとオハラ、聖母マリアのネックレスとシャネルの服・靴と交換させる。聖母マリアに祈るジャッキー。

【今回の診断書】
最初の“二段・夢オチ”からして楽しくなると思いきや、後半に行くにつれて大変なことになっていった「ナース・ジャッキー」。ラストは少し希望を感じさせましたが、ジャッキーとオハラ(やはり彼女は心強いながら)は当分大変な事態が続きそうです。筆者が本作が好きなのは、常に幸福と不幸が同居しているからとあらためて感じましたね。
だからか、ジャッキーとオハラ(合計50万ドル相当の靴を所有!)以外の面々にもユニークな見せ場が。筆頭は邦題にも名前が入ったゾーイでしょう。引き続いてジャッキーの娘たちと仲がいいのはともかく、いきなり日本の着物姿でびっくり。ジャッキーに対し、いつも以上に面倒くさそうな発言を連発。ところが終盤、レニーと婚約したのを後悔しているような模様……。気になります!
他のキャラも、患者に優しい面を見せ始めたクルス、ロナのベッドにカーテンをがばっと開いて入ってきて、「この道30年で福祉には詳しい」と言ったアカライタス(カッコいい!)、名字がヒルトン(絶対にパリス・ヒルトンの影響!)というロナもよかったです。あと、「スペイン語は職場で覚えた」のはジャッキー・トリビアに追加しましょう!

【当エピソードの原題「着物禁止ゾーン(No-Kimono-Zone)」】
これは筆者の想像ですが、作り手たちは日本の女性がおしとやかで従順というイメージを持っているんじゃないかと。その解釈自体、ポジティブでもネガティブでもあってOKとするなら、女性キャラ陣の動揺や戸惑いを描いた今回にふさわしかったと思います。居場所を失った女性たち、なんでしょう。

【ロナ(マーク)役のMJ・ロドリゲス】
同姓同名の人が他にいなければ、存在感ある女優さん……ではなく男優さんです。プロとしての映像出演は今回が初めてのはず。先がけてオフ=ブロードウェイの舞台「レント」に出演。本作に出演した頃はまだ20歳だったようです。大抜擢に熱演で応えました。

2013.3. 7|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月28日(木)S4#5「ルームメイト」“One-Armed Jacks”

5

【STORY】
食器で卵を割るジャッキー。朝食を作って娘たちに起きるよう急かす……が、娘たちがいないことを思い出す。娘たちが夫ケヴィンと暮らしていることを忘れていたのだ。ジャッキーはせっかく焼いたパンケーキを持ってオハラの家へ。夫とよりを戻したいという彼女にオハラは無理だというが、ジャッキーはケヴィンにランチをしようと電話する。
オールセインツでは、実家を出たいというゾーイが別の病院でパートを始めたといい、ルームメイトを探すビラを持参していた。“今日は爆弾を落とす”というクルス。ナース服を統一するというのだ。クーパーはナースが着るよう手伝う役目を志願する。
27歳の男性ティモシーが、橋から身投げしてオールセインツに担ぎ込まれる。恋人との心中で、死亡した恋人ジェスと手錠でつながっていたが、そのせいで彼の左腕は引きちぎられていた。左肩が痛いジャッキーはエディに手伝ってもらい、テープで肩を固定しながら、今までごめんねと彼に謝罪する。そんなエディは、飲酒してから出勤した様子。ケヴィンからジャッキーに、ランチをしようという返事が。ジャッキーはソーにメイクを手伝ってもらい、ケヴィンと約束したレストランへ。しかしそこに現れたのは、離婚のための書類を持った臨時の代理人だった。代理人が立ち去った後、ジャッキーは思わずウェイトレスにウイスキーのオン・ザ・ロックをオーダーするが、普通のランチに訂正する。それでも収まらないジャッキーは、電話ちょうだい、とチャーリーの携帯の留守電に残す。
ゾーイの“求むルームメイト”というビラは、クルスによって次々と剥がされていく。そして院内ではナースが集められ、新しい制服を着るかどうか自由討論会(実際は選択の余地が無い新制服説明会)が開かれるが、仕切り役を買って出たクーパーの熱意は空回りし、ナースたちは次々と去っていく。
クアンタム・ベイの圧力で、ナース歴35年目なのに資格更新をしないといけないのかとグチるアカタライタス。オハラはお腹の子は男の子だと明かし、クーパーはおもちゃを持って彼女のお腹の子をあやそうとするが、それは明らかにうざったがられる。
ジャッキーはゾーイに、ルームメイトになってもいいと提案。大喜びのゾーイ。そんなジャッキーとゾーイが乗ったタクシーはティモシーとジェスが飛び降りた橋を通る。
一方、クルスは再びチャーリーと会う。“親子っぽいことをしよう”と提案するチャーリーにクルスは小遣いを渡してやり過ごそうとするが、チャーリーは去っていく……。

【今回の診断書】
最初からテンションが高い上、情報量も多かった「ナース・ジャッキー」のこのシーズンですが、今回は恐らく“箸休め”的な、よくも悪くも息継ぎ的エピソードだった……と思わせつつ、実はクルスとチャーリーが父子だという衝撃の事実を明かし、やはり今回も楽しませてくれました。ジャッキーとゾーイのルームメイト関係も気になるところで、次回以降も楽しみです。
加えてユーモラスな場面が多く、“コンブチャ(昆布茶)”を飲んでいたクルス(実際はヘルシードリンクのようなものだという説も)にからかわれたソーが、クルスを気に入っているのでむしろそれを喜ぶとか、クーパーが“僕がアホだと思う人”と尋ねて、多くのナースに手を挙げられるとか、くすりと笑わされました。
一方、真面目な場面も幾つか。自分は産科だからとオハラを心配するクルスの“患者は最高の治療を受ける権利がある”という台詞や、クーパーがエディに“自分に子供はいらない。顔はよくても情緒不安定では困る”という自虐的な会話に驚かされました。
そして誰より、ジャッキーとルームメイトになったゾーイが印象的でした。ラスト、パンケーキと聞くと踊りたくなるといい、ジャッキーが焼いているそばで踊る姿は、何とも微笑ましかったですね。

【最初に流れる歌】
1961年から活動している女性R&Bシンガー、ディー・ディー・シャープ(Dee Dee Sharp)の“There Ain't Nothin' I Wouldn't Do For You”です。

【終わりに流れる歌】
ロサンゼルスが拠点のポップ・カルテット、オー・ダーリング(Oh Darling)の“Prettiest Thing”です。

【カーター政権】
アカタライタスは、カーター政権以来と言いながら煙草を吸うように。カーターとは、第39代米国大統領のジミー・カーターのこと。カーター政権は1977~81年だったので、約30年ぶりとなりますが、何となくアカタライタスの年齢をほうふつとさせます。

【バイオニック・ジャッキー】
1976~78年に全米放送されたTVドラマ「地上最強の美女バイオニック・ジェミー」に引っかけたギャグ。体の一部が機械になった美人サイボーグ、ジェミー(リンジー・ワグナー)がヒロインで、日本でも当時人気が高かったSFアクションドラマです。

2013.2.28|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月21日(木)S4#4「明るみに出た秘密」“Slow Growing Monsters”

4

【STORY】
遊園地でひとりワゴンに乗るジャッキー。回る、回る。娘2人やゾーイに見守られ、笑顔がこぼれる。回る、回る。しかし、グレースが同じ年頃の少年と話しているのを見て動揺。止めてと叫んでも止まらないワゴン。ジャッキーの声が絶叫に変わりかけた頃、ようやくワゴンは止まる。下りたジャッキーはグレースのもとへ。少年はトッドといい、グレースに後で電話すると告げてその場を去る。ジャッキー、トッドに追いつくと彼から携帯を取り上げ、グレースの番号を消す。グレース、ジュースの栓をライターで開けてジャッキーに叱られるが、グレースはジャッキーを「リハビリに行っていたくせに」と責める。先日行った場所をネットで調べ、そこはリハビリ施設だと突き止めていた。事情を説明しようとする母親を後に立ち去るグレース。ジャッキーはケヴィンの部屋へ。冷たい態度のケヴィン。室内にはソファに座っている若い女性。実はリハビリに行っていたとケヴィンに告白するジャッキー。引き続いて冷たいケヴィン。黙って部屋を出たジャッキーはチャーリーに電話をかけ、教会の集会に一緒に出ようと彼を誘うが、そう楽しくもない。
オールセインツ。一連の件をオハラにグチるジャッキー。そこに担ぎ込まれる妊婦ジュールズ。ブドウを味見しただけで12ドルも取られそうになったと店員を殴り、警察に逮捕されたが、殴った右手を怪我しており、店員は元婚約者だという。お腹が大きいジュールズが産科に通院していないと知ったオハラは彼女にエコー検査をするが、デスモイド腫瘍だと診察。みんなが自分を妊婦だと誤解するのが楽しいというジュールズには多数のタトゥーが。オハラは急に自分にもタトゥーがあると明かし、若い頃、左の臀部に彫ったオーストラリアとイルカのタトゥーを見せる。
給与明細を見て激怒するジャッキー。いくら何でも給料が少ない。クルスの部屋へ抗議に行くが、クルスは彼女が盗んだ抗生物質や点滴の代金を天引きしたという。そしていきなり自分はかつてマイアミでバーテンダーをしていたと明かすクルスだが、原価でなら支払うというジャッキーにすんなり折れてみせる。
チャーリーから集会で会おうという返事が。ジャッキーは彼と公園へ。施設を出たチャーリーは楽しそうだが、まだ現実に絶望しているような様子。そばで老男性が倒れる。見かねたジャッキーは男性を心配するが、相手はお構いなしといった様子。振り返れば、チャーリーはいつの間にか消えている。
オールセインツの前。帰ろうとするエディの前にケヴィンが現われる。ケヴィンはジャッキーがどんなクスリをどれだけ摂取していたかをエディに尋ねる。そして「ジャッキーに伝えろ。子供は渡さない」と吐き捨て、その場から立ち去る。その夜、港で会うチャーリーとクルス。実はチャーリーはクルスの息子だった。同じ頃、オールセインツでは、これから退院するジュールズにジャッキーが酒を差し入れる。ジュールズはジャッキーにプレゼントをする。それはあるクスリだったが、ジャッキーはジュールズに見られないよう、ゴミ箱にクスリを捨てる。だが直後、ゴミ箱に飛び込んでクスリを探すが見つからない。途方に暮れて立ち去るジャッキー……。

【今回の診断書】
今回の「ナース・ジャッキー」も、遊園地の場面がジャッキーの夢なのか、それとも現実なのかという演出からしていきなり引き込まれました。とはいえ、大事件が起きない、いわば“箸休め”的なエピソードかと思いきや、後半には気になる急展開が。だから「ナース・ジャッキー」はたまらない、そう思ったファンは筆者だけでしょうか!?
ディテールの描写を見渡すと、ペニスが折れたという男性患者の面倒をみるアカライタス(ちなみにペニスは骨のように折れるものではありません、という時点で今回のアカライタスがお笑い担当なのが分かります)がちょっと面白く、また、そんな男性患者にソーが、かつて自分も同じ症状にかかったことがあると明かし、その時と同じ薬がいいとアドバイスするのがまたミステリアス(?)な効果をあげています。冒頭、ゾーイがジャッキーやその娘たちと遊園地に行ったのも新しいパターンですね。
何にせよ、今後の展開が引き続いて楽しみです。

【最後に流れる歌】
クリアレイク(Clearlake)の「Good Clean Fun (Nobody Remix)」です。

【ジュールズ役のロージー・ペレス】
スパイク・リー監督の「ドゥ・ザ・ライト・シング」でデビューした女優。「フィアレス」ではアカデミー助演女優賞にノミネート。ボビー・ブラウンやダイアナ・ロスの振付も担当した経験もある、と聞くと時代を感じますが、近年も米TV界を中心に活躍中。

【映画「トレインスポッティング」】
タイトルが長いせいか、字幕版ではやむなく省略して「ジャンキー映画」。確かにこの20年位で最もヒットした、ドラッグ依存症を描いた映画にはちがいありません。

【アイスランドのお金】
アイスランドの貨幣、アイスランド・クローナのことでしょう。ゾーイは、世界金融危機の影響下、一気にアイスランド・クローナ安になった(価値が半分近くに減った)ことに例えて自分の給料が減ったと言いたかったのでしょう。実はそのためにアイスランドは輸出高が増えて景気はよくなったのですが、ゾーイら米国の庶民には関係ありません。

【デスモイド腫瘍】
骨格筋の結合織・筋膜・腱膜から発生する良性腫瘍で線維腫症の一種。とはいえ、局所再発を繰り返すので、悪性と良性の境界に位置する腫瘍と考えられているそうです。

2013.2.21|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月14日(木)S4#3「早すぎた復帰」“The Wall”

3

【STORY】
リハビリ15日目のジャッキー、まだ落ち着かない。久しぶりに会ったグレースがアイラインを引いていたのがショックだったようだ。16日目、ジャッキーはカウンセラーのローラに「娘のグレースといたい」といい、リハビリの早期終了を申し出る。ローラは「リハビリを早く終了した人は死ぬか逆戻り」とジャッキーにアドバイスするが、ジャッキーの決意は変わらない。施設の前でタクシーを拾おうとしたジャッキーに、チャーリーは施設の窓から、自分の電話番号を書いたトイレットペーパーのロールを投げつける。
病院に復帰したジャッキーはクルスに謝罪して和解を取りつけた直後、職員が患者1人あたりに応対する時間を制限するというクルスの提案は受け入れられないと突っぱねる。その一方、クーパーの心ない一言、「髪型が嫌い」に過剰に反応し、27歳の時以来、久しぶりに泣いたとオハラの部屋を訪ねる。病院に戻って以来、ジャッキーを心配していたオハラは施設に戻るかとジャッキーに問うが、ジャッキーは頷かない。
そんなジャッキーに、かつて(第3シーズン)病院から薬物をくすねていたアフリカ系男性ナースのケリーは、あるクスリを渡す。クスリを使うかどうか悩んだジャッキーは結局、クルスにケリーを処分しろと告げ口する一方、ケリーには今すぐ病院から逃げろと進言。冷静に患者の引き継ぎをしたケリーは、警官が到着する前に逃げる。
エディはいきなりジャッキーに向かって、自分との不倫をケヴィンにばらしたと明かしてくる。再び訪ねたオハラの部屋で、大きくなった彼女のお腹を見るジャッキー。子供は男の子のようだが、それでもまだオハラは父親が誰か明かそうとしない。夜、誰も待っていない自宅に帰ったジャッキー。そこでグレースは数々の不満をぶちまける文句を書き殴っていた。ジャッキーはその上に黙々とスプレーペンキで書く、「許しません!」と。

【今回の診断書】
確かに邦題の「早すぎた復帰」にすべてが凝縮されていたような今回の「ナース・ジャッキー」、いかがでしたか。ドキドキさせられつつもこのシーズンは引き続いて情報量が多く、ストーリー自体はシンプルでしたが気になる情報も多かったので、ここで復習しておきましょう。
まず、カウンセラーのローラ。自分も施設にいたことがあるという衝撃発言に続き、子供が1人いると明かしました。そして、今シーズンからの新キャラ、クルス。「効率第一」と改革を進めるクルスに不満なゾーイ。しかしソーやサムとのムダ話中、レニーにイメチェンを願うゾーイに、クルスは「人の個性は、それぞれだ」とまともな発言も。
あと細かいところでは、ケリーの扱い方が絶妙。前シーズンでジャッキーと同類のトラブルメーカーとして登場した彼が、今シーズンでは今回いきなり再登場したのがまず面白いし、ジャッキーが現状では新たな敵であるクルスから自分を守るため、ケリーのことをクルスに告げ口しながらも、ケリーには警察が来る前に逃げろと忠告。このシーズンでは気が弱っているかのようなジャッキーですが、悪知恵の健在(?)はファンなら嬉しいはず。
そして今一番気になるのは、ジャッキーとオハラの関係かもしれません。前シーズンまでは、ジャッキーが母性の象徴でオハラが独身のそれだったのが、オハラが妊娠した当シーズンから、どうも逆転しだしているような気がします。ジャッキーが27年ぶりに泣いたのがオハラの前であること、そんなオハラが父親を隠すという、まるで今までのジャッキーのような秘密を持ったこと。2人の関係はどうなるのか、次回も気になりますよ!

【最初に流れる歌】
ジョージ・クリントン、ブーツィー・コリンズらが所属した米国の伝説的ファンクバンド、ファンカデリックの“Can You Get to That”。同バンドのサードアルバム「Maggot Brain」の2曲目です。

【最後に流れる歌】
Bright Little Fieldというバンドの“We're Coming Out”です。

【レックス・ライアン】
掻爬手術の3日後、オールセインツに担ぎ込まれた女性患者は、体が大きいので薬が効かないのではと噂されますが、そんな体の大きさを例えられたのが、プロアメフトのニューヨーク・ジェッツのヘッドコーチであるこの人。とにかく体が大きい巨漢なので、例に挙がったようであると同時に、ニューヨーカーたちならではのネタにもなったようで。

2013.2.14|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月7日(木)S4#2「リハビリ万歳!」“Disneyland Sucks”

2

【STORY】
リハビリ開始から5日目まで施設の相部屋のベッドで、もがき続けるジャッキー。ふと近くを見ると、同室の老女ドリスが自分の荷物をあさっている。ジャッキーに気づいたドリスはジャッキーの右足の親指をフォークで軽く刺し、意味ありげにニヤリと笑う。
施設の一室、輪になって座り、身の上話をする患者たち。高価なピエロの話をするのはこれが6度目のトリッシュ、プロ野球選手のウェイン、髪を緑色に染めた17歳の少年チャーリー、そしてドリス、ジャッキー。ドリスはカウンセラーのローラに、自分の荷物をジャッキーが盗んだと言い、その変人ぶりにいらっとするジャッキー。そんなジャッキーは一同に対し、「私はナース、それだけ」としか言わないが、ローラに促され、「尿で足を滑らせて腰を売って以来、鎮痛剤がやめられくなった」と、自己紹介させられる。
オールセインツでは、アカライタスがナース服で出勤。彼女をファーストネームのグロリアで呼んだソーは睨まれ、アカライタスさんと訂正する。屋上でクルスはオハラとクーパーに、これからは身近な病院のイメージではなく、業務を拡張して医療センターにしたいとビジネス構想を語る。まずヘリポートを作ろうというクルスに、同意するクーパー。オハラは急に、自分の妊娠を2人だけに明かす。院内では新しい親会社、クアンタム・ベイの管理が厳しいため、ナースたちはグチる。しかもクルスはオハラのオフィスは自分が使い、オハラはアカライタスと同じオフィスを使えという。とはいえ、産科医としてオハラを気づかうような素振りも見せる。
ジャッキーはローラから、家族などとの面会はあと1週間禁止だといわれる。物置部屋でジャッキーはチャーリーと出くわす。17歳なのに4度目のリハビリだというチャーリーに、ジャッキーは実は腰痛はウソで、自分がクスリに手を出したのは、33歳の時に出産したグレースが2年間も泣きやまなかったからだと真実を明かす。チャーリーが隠していた携帯電話を使い、ジャッキーはオハラに電話をかけ、「グレースに会いたい」と頼む。
ジャッキーは病院の受付の女性に適当なことを言って席からどかせると、聴診器を首にかけてそこに座る。オハラが連れてきたグレースを抱きしめたジャッキーは、自分はここで当分働くとウソをつく。ジャッキーのそんなルール違反を知ったローラは、荷物をまとめろという。キレたジャッキーは部屋に戻ってそうするが、そこに来たローラは「あなたはナースじゃない。救うべきは自分自身」だといい、退院しなくていいと告げる。
夜、ドリスの様子がおかしくなる。即座に脳卒中だと見抜くジャッキー。救命士たちに運ばれるドリスを見送ったローラは、ジャッキーに「人を救ってうれしいか」と尋ねる。「うれしい」と答えるジャッキー。そしてもう一度つぶやく、「うれしい」。

【今回の診断書】
今回の「ナース・ジャッキー」、かなり充実した内容でした。厳しい態度のカウンセラー、ローラですが、相当ジャッキーの内面に踏み込んできました。そして、ジャッキーが現実から逃避気味であること、また、最後の方では「ジャッキーは他人ばかり救っているが、本当に救うべきは自分自身」と、ジャッキーにとって大切なことを指摘します。これはひょっとしたらジャッキーだけではなく、彼女を応援するファンの中にもそういう人はいやしないか、という番組の作り手たちのメッセージではないかとまで感じました。それと今回はこれまでジャッキーについて意外と明かされていなかったことの数々、誕生日が8月22日であること、33歳でグレースを出産したこと、いま住んでいるのがクイーンズであること、グレースを生んだ頃の苦悩など、新事実がいくつも判明しました。逆にいうと第4シーズンまでよく伏せてこられたなとも思え、「ナース・ジャッキー」が本当にいいドラマだとあらためて感心させられた次第です。
とはいえ、オールセインツ病院は引き続いて大騒ぎに。クアンタム・ベイやクルスにつくかどうか(クーパーは性格からして絶対にクルスに味方しそうですが)、おなじみの顔ぶれが二分しないよう、当分は心配させられるでしょう。もっとも、細かいブラックユーモアは健在で、前回ケヴィンにボコボコにされたエディの顔とか、施設の患者の1人、ウェイン(フェラーリに乗っているということは大物選手)が「エアバッグが見たい」という理由で事故を起こしたとか(どんな理由だ!)、この番組ならではのおかしさです。
さて、放送の最後に流れた次回予告を見ると、ジャッキーはオールセインツに復帰するようですが、エピソード題が「早すぎた復帰」というのが何とも期待させられます。ローラや他にもユニークな患者もいる施設に、ジャッキーが戻るのも意外とありではないかと思ったりして……。いえ、ジャッキーにはよくなってほしいですよ、もちろん。

【最初に流れる歌】
人気のオルタナティブ・アーティスト、ベック。その2006年のアルバム「ザ・インフォメーション」から最初にシングルカットされた「ナウジア(Nausea)」です。

【ドリス役のメアリー・ルイーズ・ウィルソン】
米国の演劇・映画・TVで活躍するベテラン女優。後にTVムービー「グレイ・ガーデンズ 追憶の館」の原作になったオフブロードウェイのミュージカル「グレイ・ガーデンズ」でトニー賞に輝いています。

【ウェイン役のカーメロ・アンソニー】
プロバスケのニューヨーク・ニックスのスター・プレイヤー。豪華なゲスト出演!

【トリッシュ役のマーガレット・コリン】
TV「ゴシップガール」のエレノア・ウォルドーフ(ブレアの母親)役でもおなじみ。今回もお金を持ってそうな役で(笑)。

2013.2. 7|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

1月31日(木)S4#1「どん底からのリセット」“Kettle-Kettle-Black-Black”

1

【STORY】
どこかの部屋に案内されたジャッキーは、若い女性から「電話もカフェインもメイクも禁止」と告げられる。バッグの中身を見せろという女性に、「空港じゃあるまいし」と毒づくジャッキー。
時は24時間さかのぼり、オールセインツ病院。「病院はクアンタム・ベイに買収された」というサム。同社は傘下の事業が、ホテル、銃器、鉄道、タバコ、ベビーフードなど何でも扱うらしい。エディはジャッキーに小さな花をプレゼントしてデートに誘うが、彼女は彼を無視。ジャッキーは臓器不全になる恐れがある青年のベッドへ。恋人を見て臨時のナースと誤解するが、彼女は犬のトリマーで、ナース服に似た仕事着姿。ゾーイは空気を読まず、思わず「いい服ね」とほめる。ジャッキーは腹ごしらえにと、青年と恋人に食べ物を差し入れする。
病院を出たジャッキーを、またもエディは待ち伏せ。エディに問い詰められたジャッキーは「不倫した理由はわからない」と言いながら、「駆け落ちする気もない」と断言。エディはフテ腐れて消える。教会に寄ったジャッキーは、謎めいた男性と出会う。彼女から彼に呑もうと誘い、彼のアパートへ。男性は6年前の極楽をもう一度味わいたいといい、あるクスリをジャッキーと楽しもうとするが、体調が急変する。あわてたジャッキーは電話でオハラを呼ぶが、男性は亡くなる。オハラに叱られたジャッキーは、全部自分が悪いと認める。オハラは救急車で来てくれたレニーとゾーイに、男性が心臓マヒで急死したとウソをつき、遺体を運んでもらう。
もうすぐ夜明け。オハラは自分が知るリハビリ施設の28日間コースにジャッキーを送り込もうと決心。その日の夕方に入所することを承諾したジャッキーが病院に出勤すると、青年が逃げ出すのではないかと心配する恋人。72時間は安静にしていないといけない青年に、ジャッキーは72時間分の抗生物質を盗んで与え、病院から逃げることを許す。一方、クアンタム・ベイからオールセインツに送り込まれたドクターのクルスは院内のスタッフを集め、自分は病院に明るい未来をもたらすと宣言しつつ、最後は「病院は慈善事業じゃない」と釘を刺す。そう演説するかたわら、抗生物質を盗んだジャッキーを見逃さなかったクルス。しかし、ジャッキーは「(薬代を)給料から天引きして」と言い残して去る。ジャッキーはアカライタスに、たまった休暇を28日分消化したいと頼む。前日もジャッキーに残業を頼んだアカライタスだがリハビリが目的と見抜き、彼女の休暇を許可する。
ジャッキーの夫ケヴィンは、妻や娘2人と別居しだしていたが、ジャッキーは研修で28日間留守にすると嘘をつき、娘2人をケヴィンに預ける。ケヴィンの部屋に訪ねてきたエディは、自分がジャッキーと浮気してきたことを暴露。ケヴィンは彼に殴りかかる。
クルスはアカライタスに、「これから2年間ナースとして働いて年金を満額受け取るか、すぐに退職して半額の年金を受け取るか」と迫る。アカライタスは渋々、ナースのボスにしてくれるならと前者の提案を飲む。リハビリ施設に着いたジャッキーとオハラ。自分が妊娠16週目だと明かすオハラに驚くジャッキーだったが、首から外したペンダントを「お守り」といってオハラの手に預けると、施設の玄関に入っていく……。

【今回の診断書】
待ちに待った「ナース・ジャッキー」新シーズンが始まりました。あらためてこのブログをよろしくお願いします。
今回は、番組史上でも異色の急展開。これまでも、自分がしていることをよくないと思いながら、嘘をつき通すことで逃げてきたジャッキーですが、ついにリハビリへ。彼女が施設に入所することを冒頭の場面で暗示しつつ、いきなりその24時間前にさかのぼるというストーリーテリングは、今回の狙いを見る者に、明確に示す仕掛け。印象的でした。
それでいて、これは優れたTVドラマの条件でもありますが、毎回少しでも各レギュラーキャラに見せ場を作るというサービス精神の健在に、いちファンとして安心しました。重病患者の恋人(犬のトリマー)の服と自分のナース服を比べて「いいわね」という不謹慎ぶりに笑いを誘われる一方、ジャッキーに「最高のナース」と言われて感動してしまったゾーイを筆頭に、明らかに病院の敵のような新キャラのクルスにもうすり寄り始めたクーパー、そんなクルスに好意を抱いたみたいな(?)ソー、ジャッキーに残業を頼んだ翌日、彼女に長期休暇を許したアカライタス(それでいてクルスにナースのボスの座を約束させるのが彼女らしい?)、そして妊娠が判明したオハラと、おなじみのキャラたちにそれぞれ見せ場があったのが引き続いて最高です。中でも圧倒されたのは、ヘッドフォンをしてwiiで遊んでいる娘2人の後ろで、ケヴィンがエディをボコボコにしているのに、娘たちはそれに気づかないという、これは笑わずにいられないという名シーンでしょうか。
なお、ジャッキーが教会で出会う男性役は人気バンド、グリーン・デイのビリー!

【始まって3分と少しから流れる歌】
ジョージ・ソログッド&ザ・デストロイヤーズ(George Thorogood & The Destroyers)の“I Drink Alone(ひとりぼっちで呑む)”。

【ジャッキーが教会で出会う男性役の人】
名前すらない役ですが、演じたのはグラミー賞に輝く人気ロックバンド、グリーン・デイのボーカル兼ギター、ビリーで、本名のビリー・ジョー・アームストロング名義で出演。短い出演ながら、その存在感はさすが!

【監督のリンダ・ウォレン】
前シーズン最後の2話と今回を演出した監督。カンのいい人はお気づきかもしれませんが、ソー役のステファン・ウォレンの姉です。元々女優として「めぐり逢えたら」に進出した後、脚本家や監督に転身。当番組では製作総指揮も務め、脚本を書くことも。

【マイク・クルス役のボビー・カナヴェイル】
前シーズン最終回のこのブログで紹介しました。

【今回の原題“Kettle-Kettle-Black-Black”】
英語のことわざ“The pot calling the kettle black.(鍋がやかんを黒いと呼ぶ)”に由来すると思われます。これは“自分のことを棚に上げて他人を批判する”という意味で、確かに今までのジャッキーはこうだったかもしれません。但し、なぜ繰り返してKettle-Kettle-Black-Blackにしたのかは不明。英語圏の人だとピンとくるのでしょうか。

2013.1.31|エピソード|コメント(1)トラックバック(0)

4月8日(日)S3#12「クーパーの結婚式」“...Deaf Blind Tumor Pee-Test”

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【STORY】
学校でフィオナは“太陽と虫メガネがあれば簡単に火がつく”と話す。すると、ある男子児童は、虫メガネよりもといい、こっそりとマッチをフィオナに渡す。
病院では診察を急いでくれと主張する男性患者に、イライラさせられるジャッキー。そこへアカライタスが来てジャッキーに、人事部の命令で今日、ERのナース全員に尿検査が課せられることになったと告げる。従わないと契約を解除するという厳しいものだ。ケリーは尿検査に引っかからないよう水や様々な薬品を準備するが、ジャッキーは半分あきらめ、半分どうでもいいといった様子。
今日はクーパーの誕生日で、夜7時から病院の礼拝堂で彼が結婚式を挙げる日でもあった。明らかに浮かれているクーパー。ジャッキーはゾーイにケーキ係を命じ、はりきるゾーイ。そこへボイラー爆発事故の負傷者が2人運ばれて来る。彼らは兄弟で、胃にパイプが刺さった弟はかなりの重傷。兄のほうは目と耳が不自由だった。互いに気遣い合う兄弟に、ジャッキーは弟が重傷なのを伏せ、兄の手のひらに指で弟は大丈夫だと書いて伝える。そして病院サイドが軽傷の兄を退院させようとするのに対抗し、嘘をついてまで退院させず、ジャッキーはソーに弟を兄のそばに連れていくよう指示する。
フィオナは結局、学校で火遊びをして怒られ、それを知らされたケヴィンは何度もジャッキーに電話するが、忙しいジャッキーはそれを無視する。
そろそろクーパーの結婚式が始まる時刻。ウェディングケーキは売っておらずバースデーケーキしか買えなかったというゾーイを手伝うため、ジャッキーは病院の前へ。そんなジャッキーの視界に、結婚すべきかどうか悩んだ末、タクシーを捕まえる婚約者の姿……。夜7時、聖像が戻ってきた礼拝堂でソーが“アヴェ・マリア”を歌うが、新婦は現われない。そこでゾーイは、クーパーに誕生日プレゼントだといって小さな箱を渡す。その中身は小さなコアラのぬいぐるみ。誰からともなく“ハッピー・バースデー”を歌い出し、その場はクーパーの誕生日パーティになって笑顔があふれる。それでも落胆を隠せないクーパーだが、病院の前に準備された、“新婚ホヤホヤ”と書かれた自転車に乗り込む。走り出した自転車を、エディが止める。エディがクーパーの隣に座ると、自転車は夜のマンハッタンに走り出す。
幻の結婚式の後、アカライタスから時間切れだと宣告されるジャッキー。そこへ、ケヴィンが娘たちを連れて、初めてオールセインツ病院にやって来る。そのことをオハラから教えられたジャッキーは、100歳という長寿で亡くなった老女性の遺体を見つめる。オハラから自分のせいだと指摘されたジャッキーはそれを認め、また、アカライタスに捕まって尿を提出させられる。しかし、アカライタスはジャッキーの尿を捨ててしまう。
ジャッキーと二人きりになったケヴィンは彼女とエディの不倫を責めるかと思いきや、意外にも自分が最近浮気していたことをいきなり告白。ショックでその場に座り込むジャッキー。もう浮気は終わったという夫にジャッキーは一言、“荷物をまとめて”。

【今回の診断書】
いよいよ第3シーズン最終話を迎えた「ナース・ジャッキー」、いかがでしたか。ジャッキーの夫ケヴィンが、まさか浮気していたというのが最大のショック。ですが、これまでの第3シーズン後半、ケヴィンが妻ジャッキーと精神的にだけでなく物理的にも距離を置いてきた(思い出せますよね)、それが大きな伏線となってこのオチに結び付いたという壮大な展開は思わず身震いするほど鮮やか。“やられた!”と思った筆者です。そして息を飲むタイミングでジャッキーから発せられた一言、“荷物をまとめて”。
第1シーズンと第2シーズンの最後がいずれも、ジャッキーはこれからどうなるんだろうという局面で〆たので、このシーズンもそうなるかと思ったら、がつんというクロスカウンター。これはもう海外ドラマでしか体験できない、エクストリームな瞬間。海外ドラマ、中でも米国ドラマは、よくいうと面白いなら何でもあり、悪くいうと行き当たりばったりだったりしますが(苦笑)、「ナース・ジャッキー」に関しては前者が後者に勝ち続けていると筆者は思います。そして今後もやってくれるだろうという確信に至りました。パワーアップを予感させる第4シーズンも後ほど分かる範囲で、ですがご紹介します。
そして回を追うほど濃くなる、各キャラクターの見せ場にもふれておきましょう。
両親の離婚を経て元カノと結婚するかと思われたクーパーですが、その夢は微塵に。とはいえ、エディに対する片思い的なポジションが今回、いきなり両思い(はオーバーかもしれませんが)に発展したのは特筆すべきです。そこそこ恵まれているようで、実は生きるための目標がまだ見つかっていない2人を結びつけています。そして、ジャッキーがやり直すまで面倒を見ると決めたオハラ、聖像がようやく帰って来たことを喜んでいるアカライタスという2人に安心感を覚えつつ、ゾーイ(今回はシリアスな場面なのに“ジャッキーの娘2人が超カワイイ!”といきなり飛び込んでくるくだりが最高)、ソー(あの局面で“アヴェ・マリア”を歌い続けるマイペースっぷりってそれにしても)も引き続いて楽しく、とはいえサムの影がちょっと薄いのが心配だったり……。
いずれにせよ、空前絶後のヒロイン、ジャッキーの今後を見守り続けたいです。それでは「ナース・ジャッキー」ブログ第3シーズンはここまで。皆さんとまたお会いできる日が今から楽しみです。それではまた会う日まで、さようなら。

【自転車】
実際は自転車でしたが、クーパーは最初ニューヨークで実際に走っている名物の1つ、馬車と誤解。馬車は映画「ホーム・アローン」の第2作で有名なプラザ・ホテルの向かい側、セントラルパークの一角に今もよく止まっているはずです。具体例がすぐには思いつきませんが、あれに男性同士2人が乗ることはあまり無いはずというほどロマンチックな乗り物というのが、ここでは笑いと哀愁の両方を誘います。

【物語のネタバレ無しで、気になる第4シーズンは!?】
4月8日から全米ショータイム局で放送の第4シーズン。その話題を少しだけしましょう。ストーリーの紹介、いわゆるネタバレはしません。
まずは第3シーズンを振り返ると、今回の最終話でケヴィンの口から名前が出たとはいえ、いつの間にか彼の妹チュニーが消えていました……。第4シーズン第1話にも登場はなく、ショータイムの公式サイトを見てもレギュラーに昇格していないので、次回いつ登場するかは不明です、が、何が起きてもおかしくない「ナース・ジャッキー」なので、いきなり再登場、なんてことがあるかもしれません。
そして第4シーズンでは、ボビー・カナヴェイル演じるドクター、マイケルが新登場します。かつてWOWOWが放送した「サード・ウォッチ」で救命士ボビーを、また、「コールドケース」でリリーの恋人サッカルド刑事を演じていたカナヴェイル。ブロードウェイ劇“The Motherfucker With the Hat”で2011年のトニー賞にノミネートされた実力派でもあり、キャスト加入が今から楽しみです。

2012.4. 8|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

4月1日(日)S3#11「ナース感謝週間」“Batting Practice”

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【STORY】
早朝。自宅のベッドで寝ていたジャッキーだが、ケヴィンが先に起きたので目を覚ますと、ケヴィンはバッティングの練習に行くと言って外出。朝の食卓でジャッキーは、薬を飲むグレースを見つめてブルーな気持ちに。バッティングセンターでケヴィンが会っていたのは、意外にもエディ。ケヴィンはエディに“女房と毎日会ってるだろ?”“どうなろうと構わないから胸のつかえをぶちまけたくなる”と苛立ち、何が言いたいのかと聞くエディに“分かるだろ”と告げる。折れるケヴィンのバット。
病院。ドレスアップしたアカライタスが電話の相手に大事な友人たちを招いた旨、告げている。そこへジャッキーが来て、観察処分から2週間経ったので元の生活にしてくれと頼むが、相手にされない。我慢できず、ジャッキーはグレースの薬を飲んでしまう。
アカライタスが目指していたオバマ大統領夫人の訪問は結局、別の病院に決まった。アカライタスは仕方なく、せっかく集めた6人の肥満児を相手にする。
クーパーはソーからゲームの賞金を受け取り、いよいよ迫った結婚と合わせて自分はラッキーだと大喜び。ソーは新郎の介添人を頼まれるかと期待したが、それでも歌を歌う役に選ばれて嬉しい。クーパーはエディに介添人に頼むが、エディは“結婚しても幸せなカップルばかりじゃない”と言って断るが、最後はクーパーの熱意に折れる。
看護師感謝週間になり、看護師に感謝するパーティをゾーイは企画するが、同僚たちは誰も乗らない。自分で装飾した地下室のパーティ会場にはゾーイ1人だけ。そこへ救命士レニーが来るが、お菓子をもらうと消える。そこへ来たソーはクーパーの結婚式で歌う「アヴェ・マリア」を練習し始めるがゾーイはやめさせる。やがて、母も姉も看護師だという警官ライアンが花束を持って登場。そこへ肥満児たちも来て、ゾーイは機嫌がよくなる。
エディはジャッキーに今朝のことを話し、自分と彼女の不倫がバレたのではないかと怯える。しかし、腹が据わった様子でジャッキーは相手にしない。
タクシーにはねられた男性が担ぎ込まれるが、一緒に来たタクシーの運転手も突然、息が苦しくなる。緊張性気胸だ。ジャッキーは胸腔穿刺をし、運転手は危機を逃れる。ジャッキーの腕前に感心するオハラ。ジャッキーはオハラにグレースの薬を飲んでしまったことを正直に明かし、代わりの薬がほしいと頼む。オハラはある決心を固め、ジャッキーに向かって、彼女を救いたいが通常の方法では無理だという。そこで、これからはジャッキーの状態に合わせて自分がクスリの量を管理すると提案。ジャッキーは了解する。
仕事の後、ジャッキーはケリーに誘われてコメディクラブへ。ジャッキーは思い切って薬の紛失の件で自分が疑われている事実をケリーに打ち明ける。するとケリーはジャッキーの名前を人事に告げ口してないと言い、何と紛失した薬を自分もくすねていたこと、ハイチでの経歴は作り話だと明かす。大爆笑するジャッキー。ステージの上でスベり続けていた女性コメディアンは“やっとウケた”と誤解する。ジャッキーの笑いは止まらない。

【今回の診断書】
第3シーズン最終話まで残すところ2話となった今回の「ナース・ジャッキー」、いかがでしたか。さすがというべきか、さらにあっと驚く急展開が始まりました。
まず、予想できなかったのはケリー。要はジャッキーと同類という驚愕の正体。それにしても、それを知ったジャッキーの大爆笑っぷり、サイコーです。私も見ながら爆笑しましたし、女性コメディアンの“やっとウケた”という一言も素晴らしい。
そしてオハラの決断。驚きです……というか、これからどうなるのか。いわばオハラは共犯になる道を選んだ訳です。オハラのジャッキーに対する友情の証明でもあり、感動的とも取れますが、ストーリーを新たな局面に突入させる重要なシーンでした。
それと、ケヴィンがイライラしている理由とは何でしょう。エディが心配しているように、ジャッキーと彼の不倫がケヴィンにバレたのか、それとも……。気になります。
何とも大胆な展開の一方、各キャラの笑える見せ場もちゃんとありました。エディに“(原音の台詞で)クレイジー”といわれたクーパーが“そう、僕は彼女に夢中(クレイジー)”と返すくだり、警官のライアンにジーンズをほめられたゾーイのリアクション、ファーストレディの招待に失敗したアカライタスが“けっして敗北ではない”と言って肥満児たちと遊ぼうとして歓迎されないあたりなど、にやにやとしました。
では、次回の「ナース・ジャッキー3」最終話「クーパーの結婚式」、お楽しみに!

【本国では第4シーズン開始】
予定通りなら、4月8日から全米ショータイム局で第4シーズンがオンエア開始。東部標準時/太平洋標準時の日曜夜9時から放送されるようです。

【「アヴェ・マリア」】
実は同じタイトルの曲は非常にたくさんありますが、ソー(今回で歯の矯正器具を外しました)が歌ったのはフランツ・シューベルトによる曲で、元々は歌曲集「湖上の美人」の「エレンの歌第3番」。有名なので何度もカバーされていますが、最近ではサラ・ブライトマンも歌っていました。

2012.4. 1|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

3月25日(日)S3#10「グレースの薬」“F*ck the Lemurs”

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【STORY】
黄緑色のノートの表紙に書かれた“夢の日記”というタイトル。ジャッキーとケヴィンはグレースと共に分析医と会うが、グレースは“悪いことを考えると現実になる気がする”といい、分析医は彼女が薬の服用を始めたいと思っていることを両親に明かす。ショックを受けるジャッキー。グレースは怖い夢を日記につづっていたのだ。
病院のエディのオフィス。ジャッキーは処方箋を渡してグレースの薬を頼むが、エディはなかなか処理してくれない。実は、アカライタスからジャッキーに薬を出さないよう警告があったのだ。人事部からERに対し“薬物を乱用している者がいるようだ”と注意があったため、アカライタスは問題が大きくなるのを避けようと、ジャッキーが薬に触らせないようにした。誰かが告げ口したのか。ジャッキーは同僚にメンツを保つため、この件は誰にも言わないでくれとアカライタスに頼んで部屋を出る。ジャッキーはオハラが告げ口したせいだと勘ぐり、オハラ本人に怒りをぶつける。だがオハラは、ジャッキーのことを心配していると明かしながらも、自分は告げ口していないと断言する。
クーパーは、近所の子供に目を引っかかれた男性患者がいるのに、自分が元恋人と朝を迎えたことを自慢。頭の中は彼女との結婚でいっぱいで、アカライタスのオフィスに行って病院の礼拝堂で結婚式をしたいと頼みこむ。アカライタスは聖像がないというが、クーパーは自分が金を出すので取り戻してくれという。アカライタスはこのチャンスに飛びつき、早速神父に電話をかけて交渉へ。
椅子に頭が挟まって抜けなくなった少年ディランが病院へ。後から父親も来るが、ディランの年齢はグレースと同じ、11歳だった。
マダガスカルキツネザルを守るための署名運動をしていて、学生に殴られたという青年カイルが担ぎ込まれる。実際にマダガスカルキツネザルを見たことがないのに森林伐採に反対する運動をしているというカイルにゾーイは感激。それがレニーは面白くない。
クーパーが結婚すると聞いたオハラは、今まで自分に見向きもしなかったことに腹を立て、突然クーパーを誘惑して彼とキス。たちまちクーパーは興奮するが、オハラはからかっただけだった。
グレースのこともあってジャッキーは家族の絆を深めたいと願い、今日は早く帰宅することに。ケヴィンに電話をかけるが、彼は外出するという。ジャッキーは病院から持ち帰った薬をグレースに飲ませる。とりあえず調子よさそうだが、ジャッキーの胸中は……。

【今回の診断書】
いやー、いつも面白い「ナース・ジャッキー」ですが、今回はまた格別でした。いえ、面白いといっていいいのか、ますますジャッキーが心配ですねぇ。
大きな進展は2つ。グレースが薬を飲むようになったことと、ジャッキーがクスリを乱用しているのが病院にバレかかっていること。まず前者ですが、ジャッキー自身、クスリにはまっているのに娘も薬を頼り出したのはやはりショッキング。ラストシーン、薬がグレースに効いていることにジャッキーは安心半分、不安半分だったはず。
また、病院にクスリの乱用がばれたかどうかですが、ジャッキーが周囲に対するメンツを気にしていたのが印象的。もちろん、ベテラン・ナースとしての意地やプライドもあるでしょうが、病院内で噂が伝わりやすいこともかなり心配しているようです。それと、2エピソード続けて影が薄かったケヴィンも気になるところですが……。
キャラ毎に見ると、ゾーイもクーパーも相変わらずで面白かったし、医師が予防接種を受ける日ということでソーがある男性医師を気にしていたのも楽しかったですが、今回のMVP(?)はオハラでしょう。ジャッキーがこれ以上悪くならないか本気で心配するシリアスなくだりがあったかも思えば、いきなりクーパーをセクシーに誘惑するいたずらも(そのことをジャッキーに話して2人で爆笑する場面は筆者も爆笑)。それにしてもオハラ役の女優、イヴ・ベスト。今回はその演技力を堪能させられました。

【原題の“F*ck the Lemurs”】
Lemurとはキツネザル。F*ckは説明不要ですね(かつて米国では放送禁止用語だったのに……)。なんだかよく分からないけど、思い切ったタイトルなのは確かです(笑)。

2012.3.25|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

3月11日(日)S3#9「フェイスブック」“Have You Met Ms. Jones?”

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【STORY】
あるタウンハウスの前の歩道、建物を見上げるジャッキー。現われるオハラ。そこはオハラが新しく住むことになった所だ。ディーラーのビルが亡くなってクスリの供給源を失ったジャッキーは市販品でしのごうとし、頭痛だといってオハラから一般の薬をもらおうとするが、容器の6錠すべてを取った彼女に、オハラは一部を戻させる。
病院ではサムが、知り合いだったビルが生前大勢の依存症患者を更生させながらも事故死したことを話題に。そこへ来たエディはケリーを調剤室に呼び、がん患者に渡すよう託した鎮痛剤40個が30個しか届かなかったと抗議。ジャッキーが10錠をかすめたことに気づかないままケリーは、人事課の聴取を受けるが、担当者の判断は保留となる。
母親たちの離婚で傷ついたクーパーは心機一転し、自分で新しい家庭を築こうと決意。フェイスブックで検索して見つけた高校時代のガールフレンドと連絡を取り、勝手に彼女と結婚すると思い込み、彼女の画像を携帯で周囲に見せまくる。そんなクーパーは婚約者の独身さよならパーティ(バチェラー・パーティ)で知らない女性に蹴られておでこを怪我した女性を治療する。20年会っていない高校時代のガールフレンドにプロポーズするというクーパーに女性は一度は呆れながらも、いつの間にかフェイスブックで友達になろうと彼に申請。クーパーはさらに浮かれる。
クスリを切らしたための離脱症状なのか、発汗が目立つジャッキー。売店で市販品をたくさん買い込むが効き目は薄い。その時、救命士のレニーがあやまってエピネフリンを自分の指に注射してしまい、ジャッキーのもとへ。レニーは経過を観察するためモニターをつけられてベッドに寝かされるが、モニターで心拍数の推移がすぐ分かるため、ゾーイはこれをウソ発見器代わりにし、レニーが最近ウソをついたり隠し事をしてないかと色々な質問をして問い詰める。
親子揃って肩の脱臼をした父親と息子が病院へ。荒っぽい性格の父親アンソニーは仮出所中。この後、保護観察官と面接しないと刑務所へ逆戻りだといってナースたちに当たり散らす。ジャッキーはアンソニーの息子の妻から謝罪されながら、レニーの救命士バッグに入っていたエピネフリンをアンソニーに注射して心臓発作を起こさせる。そして“保護観察官には自分から連絡しておく”といってアンソニーの息子から観察官の名刺を受け取るが、連絡しない。
ジャッキーの携帯にケヴィンから電話が。バーにあったピンボールマシンの買い手がネットオークションで見つかったので、車で遠出するという。ジャッキーは夜勤と偽って、子供たちの世話をチュニーに頼むと、1人で夜の街へ。クスリが無い生活が響いたのか、それともどこかでクスリを入手したのか、説明できない高揚感の中、激しくクラクションを鳴らされながら車道の真ん中を歩く。

【今回の診断書】
ジャッキーの目前でビルが命を落とすというショッキングなクライマックスだった前話に続く、このエピソード。ジャッキーがかわいそうなような、でも面白いようなという、このドラマならではの味がありました。それにしてもアンソニーへのお仕置きは強烈。
登場人物別に見ると、クーパーが引き続いてヘンなのが笑えました。今まで結婚式やバチェラー・パーティにあまり行ったことが無いとか(友人が少ないことを自白しているのと同じ)、フェイスブックで高校時代の恋人を見つけて彼女を結婚相手と決めつける、単細胞みたいな気持ち悪いみたいな反応は彼ならでは。そんなクーパーがアメフト・ゲームで稼いで婚約指輪を買うと聞いて冷たい態度で返したソーのロマンチストぶり、また、ゾーイが心拍計のモニターをウソ発見器代わりにしてレニーに色々と問い詰めていくうち、“ジャッキーはクール。でも怖い”という共通の認識にたどり着いくのも絶妙でした。
さて、ラストはまたおかしくなってしまったジャッキーや、彼女のせいでクスリを盗んだと疑われたケリーがどうなるかなど、引き続いて気になるポイントが多い「ナース・ジャッキー」第3シーズン。残すところあと3話となりましたが、最後までお楽しみに。

【エピネフリン】
副腎髄質から分泌されるホルモンの1つ。米国ではエピネフリンですが、ヨーロッパや日本ではアドレナリンと呼ばれます。血中に放出されると心拍数や血圧を上げる効果があります。どうでもいい情報ですが、このエピソードを字幕版で見た筆者は、エピネフリンの略称“エピ”を生き物の“エビ”だと間違えて、最初は何が起きたのかよく分かりませんでした……。

【フェイスブック】
映画「ソーシャル・ネットワーク」で誕生が描かれた、人気のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。説明すると長くなるのでここでは割愛しますが、やはりどうでもいい情報を。筆者の友人2人、AさんとBさんはちょっとあって仲がよくないのですが、ある日Aさんからの“友達”リクスエストを私が承認したとBさんに話したら、フェイスブックをしていないBさんはたちまち凹んでしまいました。話を聞くとBさんはフェイスブックの“友達”を“親友”のように解釈していた様子。ちがうときちんと説明したら納得していましたが、面倒臭い(笑)。

【原題の“Have You Met Ms. Jones?”】
フィリー・ソウルのアーティスト、ビリー・ポールが1972年に発表して全米ナンバーワン・ヒットとなり、今もあちこちで聞かれる名曲“Me and Mrs. Jones”にかけたパロディではないかと個人的に思います(本作にジョーンズという名字のキャラがいないこともあって)。“Me and Mrs. Jones”は要するに“私とジョーンズ夫人は不倫しちゃいそうだ”ということ。歌詞の中には“We meet every day at the same cafe”とあり、これはジャッキーと生前のビルに重なります。また、ジャッキーとエディの不倫にもかかっているかもしれません。“Me and Mrs. Jones”が流れたらもっとはっきりしたのですが、それにしても私の仮説が正しければ、巧くつけたエピソード・タイトルだと思います。

2012.3.11|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

3月4日(日)S3#8「悩める者への祈り」“The Astonishing”

8

【STORY】
グレースは、学校の祈りの会で演じる聖者に“驚くべきクリスティーナ”を選び、台詞の練習をする。ジャッキーは娘にドレスを用意し、背中の羽も作るが、グレースは“聖者は天使じゃないから、羽なんか無くても奇跡で飛べる!”とジャッキーに怒鳴る。
ジャッキーは出勤途中、ダイナーでビルから薬を買おうとするが、今は品切れでこれからマイアミへ調達に行くと断られる。困ったジャッキーは、ビルの留守の間の分、少しでも融通してくれと頼む。するとビルは今夜、自分の家に来てくれという。
PCP、別名・エンジェルダストというドラッグで興奮して負傷した25歳の男性患者が運ばれて来る。暴れるためナースたちは、彼の手足をベッドにベルトで拘束する。やがて意識を失った彼をオハラが診察しようとすると突然目を覚まして暴れ、突き飛ばされたオハラは倒れる。大事には至らなかったが、オハラのショックは大きいようだ。
クーパーは2人の母親の離婚の問題で、相変わらずいじけている。小学5年生の頃、宿題で作った歯科医院のミニチュアを見つめるクーパー。掃除しろと叱るアカライタスにクーパーは母性を感じるようになるが、そんな彼をアカライタスは突き放す。
学校をサボって飲酒し、1人が負傷した十代の少女2人が病院へ。ケリーが興味しんしんな一方、クーパーは“高価な自分の靴もかっこいい携帯もすべて幻想”と意味不明の話をする。
一方、ケヴィンは自分の店で旧友のカールと久しぶりに会い、ジャッキーとの関係がうまく行っていないと愚痴る。“浮気しようとか思わないか”とカールはそそのかすが、ケヴィンは“思わない”と突っぱねる。
アカライタスの電話は新品になるが、使い方がよく分からない。そこへ最近酔って電話してしまったばかりのリリー・チャン(前話参照)から電話がかかってくるが、その場に居合わせたソーがうまく取り繕い、アカライタスは思わず彼にハグする。
軽いケガを負ったオハラが薬をもらおうと行ったエディの部屋で、彼に慰めてもらっているのを見たジャッキーは、ついクスリがほしくなる。だが、そこへグレースから電話がかかってくる。今朝、羽のことで怒ったことを謝り、“羽を作ってくれて嬉しかった”と言う娘の声にしみじみするジャッキー。仕事が終わるとジャッキーは祈りの会に行く前に、ビルの家に立ち寄る。だが、家から出てきたビルはジャッキーの目の前でトラックにひかれ、あっさり命を落とす。クスリをあきらめて学校に向かったジャッキーは“驚くべきクリスティーナ”がこう告げるのを聞く。“私のために祈りを”。

【今回の診断書】
終盤まではジャッキーと家族や同僚たちのいつもながらの日常で、息抜き的なエピソードかと思いきや、終盤に入ってビルの意外な事故死とそれに続くグレースの祈りの会の対照があざやかで、これぞ「ナース・ジャッキー」というドラマチックな傑作エピソードでした。前半でビルがガーゴイル(後述)の話をしているのはどうしてだろうと引っかかった人の中には、ガーゴイルがビルに落ちると予想した人がいるかもしれませんが、まさか彼はトラックに……。直後、祈りの会に向かったジャッキーは、“私のために祈りを”という娘の言葉をどう思ったのでしょうか。導入部でグレースが“クリスティーナは奇跡で飛んだんじゃない”と抗議したのがこれまた巧妙な伏線になっていて、ジャッキーは自分の未来に奇跡がないと思い知らされたかもしれません。全12話でちょうど3分の2を終えた「ナース・ジャッキー」第3シーズン。話はそれますが、受け手を魅了するストーリーの作り方には、“起承転結”と並んで“序破急”というものがありますが、今回のエピソードは見事な“破”の〆になっていたと思いますがどうでしょうか。
キャラ別に見ると、今回はあらためてジャッキー中心に物語が展開していたと思いますが(第1シーズンから問題になっている、ジャッキーにとってエディは遊びかそれとも本気なのかという問題を含め)、そんなジャッキーが少女2人といちゃいちゃしているケリーに“未成年の女の子と何やってるの!”と怒ったのに対し、たまたまそこにいたゾーイが“私は未成年じゃない”とボケたのが最高におかしかったですね。ゾーイについては、インド料理店のランチにジャッキーとオハラを誘ったのも、何かありそうなムードを醸していました。また、2人の母親の離婚が決まって以来、例によってクーパーはヘンだし、新品の電話に悪戦苦闘するアカライタスもヘンだし、さらに、ケヴィンが旧友カール(警官っぽかったのですが何者でしょうか)に浮気をそそのかされたり、オハラとエディの接近という急展開もあって、ますます今後が楽しみになるエピソードでした。

【驚くべきクリスティーナ(字幕では“驚異のクリスティーナ”)】
原語はChristina the Astonishing。12~13世紀に実在したといわれる女性の聖者。若い頃に命を落としかけて、その際“わが魂は肉体を離れ、魂にみちた悲しい場所へと導く天使に受け止められ”、天国、地獄、そして煉獄を見たという。ずばり、いまジャッキーが置かれた境遇に重なります。ちなみにこのエピソードの原題は“The Astonishing”。

【ガーゴイル】
クライマックス、車道を渡ろうとしたビルの目の前に落ち、彼がトラックにはねられるきっかけに。ガーゴイルとは怪物をかたどった彫刻もしくは怪物そのものを指し、西洋建築の建物の屋根で(米国の都会を舞台にした映画で見たことがある人は多いはず)、雨どいから伝った水を排出する役目があります。加えて建物を守る魔除けの役割もあり、それが落ちてビルの命を奪ったのは、皮肉を通り越して何だか可哀そう。なお生前のビルはアール・デコ調の建物にガーゴイルが付いているのはヘンだとを語っていましたが、20世紀生まれのアール・デコに中世からあるガーゴイルが似合わないのはその通りです。

2012.3. 4|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月26日(日)S3#7「母親失格」“Orchids and Salami”

7

【STORY】
深夜2時。自宅のベッドで眠るジャッキーは、心臓がバクバクするので脈を計ってほしいというグレースに起こされる。ケヴィンも起きて3人でココアを飲みながら、学校行事の出し物「聖者の行進」のことで神経質になっているグレースの相手をする。娘を優しく励ましたジャッキーは、ケヴィンからいい母親だとほめられる。だが翌朝、ジャッキーは出勤途中、ダイナーに寄ってビルからクスリを買う。ダイナーを出た直後、ジャッキーは偶然、集会に行ってきたというサムと出くわす。サムは集会で、オーバードースを起こした彼氏の遺体からドラッグを盗んだ女性の話を聞いた、とジャッキーに話すが、ジャッキーは携帯を受けたふりをしてサムをやり過ごす。
オールセインツ。新人ナースのケリーは前夜の飲み会で気前よく全員分をおごり、ますますナースたちの人心を掌握していた。しかも判事である母親がオバマ大統領夫人の友人であり、ケリーも会ったことがあるというので、たちまちアカライタスまでケリーを重宝するように。ケリーが土曜に休めるほど優遇されていると知ったジャッキーはいい気がしない。そんなアカライタスはケリーから、彼が前にいた病院ベルビューの事務長リリー・チャンがスローガン作りが得意だったと聞いて真似をしてみるが、あまりいいスローガンは出来ない。
35歳の母親が意識不明で担ぎ込まれてきて、911番(※米国の110番と119番)に通報した12歳の息子ウォーカーが付き添う。ジャッキーはウォーカーを心配するが、母親が薬物依存症である事実を受け入れ、あきらめている少年に、実は母親のようであるジャッキーの声は届かない。
ビルの60階で凧を揚げて負傷したネイティブ・アメリカンの患者ジョセフが病院へ。2人の母親の離婚をまだ引きずって落ち込んでいたクーパーだが、TVのドキュメンタリーで見たネイティブ・アメリカンが患者として来たのでたちまちやる気に。結局、ジョセフがネイティブであることをからかうような失言をしてしまうが、彼からプレゼントされた凧を無邪気にも病院の前で揚げてみようとする。そのそばでジャッキーは、自分がオハラに誘われて断ったパーティに、オハラがエディを連れて車で出発するのを目撃。少し面白くない。
帰宅したジャッキーは、かつて自分がマイカーで失くしたクスリをケヴィンが発見し、自分に突きつけてきたことに驚く。ケヴィンはジャッキーがまだクスリを続けていると強く疑い、ジャッキーは様々な言い訳をするが、ケヴィンは聞く耳を持たない。そこで、以前ビルにもらった“クスリをやめて30日”を記念するコインを取り出し、ケヴィンの反論を止める。だが、ケヴィンをハグするジャッキーの上腕には、がん病棟に届けるはずが途中でくすねた鎮痛用の経皮薬が貼ってある……。

【今回の診断書】
何度も書いてきましたが、「ナース・ジャッキー」が連続ドラマとして面白い点の1つに、過去にさり気なく登場した人物やアイテムがいきなり再登場し、登場人物と同様に見る者を大いに驚かせるということが挙げられると思います。今回は第2シーズン第11話「逃避行」の終盤、ジャッキーがマイカーで失くしたクスリや、前々話である第3シーズン第5話「ネズミとイタズラ」で登場したコインがあっと驚く再登場をしたのではないでしょうか。十歩譲って後者は少し前だから狙っていたのかと納得できますが、前者については本当にそこまで計算していたのか、ぜひ脚本家などスタッフに聞いてみたいです。
なおかつ、今回は1本のエピソードとしてよくまとまっていましたと思います。導入部で、ケヴィンにほめられたジャッキーが、終盤ではケヴィンに責められるという。映画やTVドラマの脚本を分析する際、“起承転結”や“序破急”という視点から見るとその脚本の優劣が分かる時がありますが、今回のエピソードは、序=ジャッキーがケヴィンにほめられる、破=ジャッキーのクスリがケヴィンに見つかる、急=ジャッキーはケヴィンに責められると、きれいに収まっているのが分かります。そして何より、最後のカットのジャッキーの上腕に貼られた経皮薬(一説によれば効果はモルヒネの200倍……)をバーンと見せることで見る者を驚かすのは映像作品の演出としても優れていました。
例によってレギュラー・キャラを見渡すと、ケリーが実は相当なセレブだったことにびっくりです。ケリーがハイチでショーン・ペンと会っていたというのは、ペンがボランティア活動に熱心なことを踏まえた秀逸なギャグです。そして、そんなケリーをリスペクトし始めたゾーイが、ウォーカーに対して父親が刑務所にいることを告白したり、アカライタスが作るスローガンが正直いってヘタだったり、ソーが実は「スター・ウォーズ」好きだったり(ある時期までストレートの少年だったのかもしれません)、そしてラスト、病院で凧を揚げようとする(そしてうまくいかない)クーパーも個性たっぷりでした。

【エヴァ・ガボール】
ソーの台詞に登場。ハンガリー生まれで、女優にしてソーシャライト(要は社交界の名士であり今でいうセレブの走り)。けっしてほめられるような大仕事はしていないのに派手な暮らしを送り続けた、そんなガボールにソーの美学はどう反応したのでしょう。

【ジミヘン(ジミ・ヘンドリックス)】
ジョセフを治療しおうと決めた、クーパーの台詞に登場。後に再現不可能といわれるような、破壊的なギターの演奏をしたことで知られる伝説的アーティスト。

【モホーク族】
米国の映画やTV番組を見ているとたまに飛びだすのが“ネイティブ・アメリカン(先住民族)”に高所恐怖症はいないというもの。今回のエピソードでジョセフは高い場所が怖い者もいると言っていますが、実際にモホーク族の建設労働者は多く、9・11同時多発テロで残骸の撤去や犠牲者の捜索に活躍したといわれ、只の都市伝説ではないようです。

2012.2.26|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月19日(日)S3#6「去る者、来る者」“When The Saints Go”

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【STORY】
ケヴィンのバー。ノートPCを使い、“ルシファー”を検索するグレース。学校の宿題に使う画像を探すためだというが、0.1秒で4200万件もヒットする。そこで客同士、ケンカを始めた男性2人を、バットでカウンターを叩いて追い出すケヴィン。夫を見直したのか、ジャッキーはその夜、ベッドでケヴィンに迫る。目を覚ましたジャッキーは、PCで鎮痛剤の入手法を検索。但し、ケヴィンにバレないよう検索履歴は消し、あたかも断酒や依存症の克服のための会を検索していたように見せかける。
ジャッキーが病院に出勤すると、アカライタスは病院から運び出されていく聖像を見つめてがっかりした様子。そんなアカライタスはジャッキーに、人手不足解消のための臨時ナースが来るという。名前は女性のようだがアフリカ系男性のケリーだ。海外経験が豊富なケリーに、ナースたちは彼の話に食いつくが、ジャッキーが急患を診ている時に割り込んで来たり、いつもジャッキーが座る席に座ったりと態度が大きい。そんなケリーにゾーイは腹を立てるが、ソーはケリーを気に入ったようだ。
強盗事件で流れ弾が腕に当たった女性ミアと、その現場で倒れて人混みの中で誰かに踏まれて痛いという警官ライアンが病院に担ぎ込まれる。“誰も俺の痛みは分からない”とグチるライアンに、母親同士の離婚、主任の座をめざす苦労、足のケガで傷心のクーパーは意気投合する。一方、ミアは飼い犬の面倒を見てくれた救急隊員レニーを気に入り、“彼に電話番号を渡してくれ”とゾーイにメモを託す。オハラから“私なら燃やして捨てる”とアドバイスされたゾーイだが、メモをレニーに渡す。しかし、レニーは見向きもせずメモを捨てる。“君以外に会うヒマがない”というレニーに満足するゾーイ。
介護施設に入っていた95歳の女性トッティが、息子に付き添われて病院へ。息子は家で介護ができないというが、古き良き時代を過ごしてきたトッティは、お酒も飲めない施設での暮らしを屈辱と感じているようだった。オハラは彼女が1日1杯のシェリー酒を飲めるよう取りはからうとトッティに告げる。ジャッキーはエディに、チュニーと会わないでと頼む。理由はエディがほしいからか、それともクスリがほしいからか。
アカライタスが死守したマリア像以外、聖像がすべて運び出され、ガランとなった礼拝堂。“聖なる者は集まれ”とオハラがいうと、“私はちがう”といって立ち上がって歩き出すジャッキー。病院の前でアカライタスは、聖像を積んだトラックの運転手から“サヨナラを言うかい”と聞かれるが、“サヨナラは言わない”と告げる。帰宅したジャッキーだが、ケヴィンや娘2人、チュニーが遊ぶ家に入らず、家の前で物思いにふける……。

【今回の診断書】
毎回、このブログのために、リモコンの一時停止ボタンを何度も押しながらメモを取って「ナース・ジャッキー」を見ている筆者ですが、今シーズン第1話のような大事件こそありませんでしたが、今回は一時停止ボタンを押す回数が多かったという気がします。
その大きな理由は、新しい男性の臨時ナース、ケリーの登場もあったからでしょう。ジャッキーの席を1度は彼女に譲ったのに、彼女がいなくなった途端にまた座るという、ずばりいって面倒臭そうな新キャラです(ソーはなんで彼を気に入ったのでしょう)。
それと、序盤、ジャッキーの家のノートPCのくだりも少し分かりにくかったかと思います。結局、ジャスティン・ビーバー(米国の人気歌手)で検索したのは誰だったのか。それにしても、単純に悪魔と邦訳されることが多いルシファーを“神のお気に入りだったのに神より偉くなろうとして追放され、でも懲りなくて地獄の神になった”と説明できたグレースはお利口さんですね。でもどんな宿題か、ちょっと気になりました。
キャラクター別では、最愛の救急隊員レニーをミアに逆ナンされかけたゾーイが相変わらず面白かったし、オハラがジャッキーとの関係を修復しようとしていた(ジャッキーがケヴィンと相変わらず仲が悪いと言っていたのは嘘だと思いますが)のも、今後の展開が気になるところ。また、クーパーがトゥレットの発作でアカライタスの胸をさわりそうになったのが、松葉づえのおかげでさわらずに済んだというのも爆笑ポイント(それにしても困った男ですねぇ)。そして誰よりも、マリア像以外の聖像を奪われたアカライタスがこれから何をするのか、オバマ大統領夫人招へい作戦と共に気になります。
それとこのエピソードが面白かったのは、やはりジャッキーが聖女なのか悪女なのかという番組のテーマに即した展開だったからではないでしょうか。今回の原題“When the Saints Go”は直訳すると“聖者が行く時”です。“聖者が去る時(When the Saints Leave)”でもよかったのに、あえて“行く”としたあたりに何か意味がありそうです。さらに疲れ果てたようなジャッキーですが、彼女の未来は彼女が“行く”先にある、という思いを感じます。そして“聖なる者は集まれ”という声に“私はちがう”と答えたジャッキーですが、彼女はやはり聖者かもしれないと思ったのは筆者だけでしょうか。もっとも、ケリーの登場も盛り込んだ邦題「去る者、来る者」も筆者はいいなぁと思いました。

【「ジャージー・ボーイズ」】
老婦人トッティさんが見に行って具合が悪くなったミュージカル。2004年のトライアウトを経て、2005年から本作の舞台ニューヨークにある興行街ブロードウェイで演じられ、2006年のトニー賞でミュージカル作品賞など5部門に輝いたヒット演劇。1960年代に活動したロック・グループ、ザ・フォー・シーズンズの4人(リードボーカルのフランキー・ヴァリは、あの「君の瞳に恋してる」を最初に歌った人)をドキュメンタリー・タッチで描いたそうです。時が昔に止まったままのようなトッティさんには、難しすぎる舞台だったのかもしれません。ちなみに映画化も進行中で、早ければ2014年に実現するかも。

2012.2.19|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月12日(日)S3#5「ネズミのイタズラ」“Rat Falls”

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【STORY】
オールセインツ病院の廊下。足早に歩くジャッキーにゾーイが追いつき、キャンディスとナターシャの母娘(前話にも登場)が、娘の喘息の件でまた来院していると伝える。やれやれと一度はやり過ごしたジャッキーは調剤室に向かい、エディに“(ケヴィンの妹)チュニーはパイロットの元カレにまだ未練がありそうなので親密になり過ぎるな”とアドバイス。その頃、頭に流れ弾の銃弾が当たった男性患者が病院に担ぎ込まれてくるが、治療の甲斐無く死亡する。クーパーは一緒に治療にあたったオハラに、ERの主任に選ばれるための点数稼ぎはまだ同点だと告げるが、その自己チューぶりに呆れるオハラ。
ある部屋の天井裏にクスリを隠していたジャッキーだが、その一部がネズミにかじられていたと知ってショック。広げたカレンダーの上に一日ずつ、ネズミの難を逃れてこれからも使えるクスリを置いてみると、残りはわずか9日強。ヤバい、と思うジャッキー。その頃、本当は娘ナターシャはぴんぴんしているのに、それでも喘息だと主張することで補助金をもらえる母親キャンディスは引き続いて娘の治療を頼んでくるが、サムによれば彼が前にいた病院にも母娘は押しかけ続けたという。オハラは一応検査をしつつ、ナターシャに“患者になるより医者を目指せば”と声をかける。だが、ジャッキーは“ナースになったほうがカッコいい”と助言。そんなジャッキーは、依存症患者の苦痛を和らげるという大義名分を振りかざしながら事実上、只のディーラーになっているビルと再会し、クスリ代は200ドルということで手を打ってもらうが、ビルは亡くなった患者に渡すはずだった、クスリを断って30日の記念コインと、クスリをジャッキーに渡す。これで数日はしのげると、つい安心するジャッキー。
クーパーはセントラル・パークのボートハウスで、レズビアンである2人の母親、シャインホーン夫人やモーリーンと食事をするが、そこで2人が離婚することを伝えられる。落ち込んだクーパーは病院に戻ると、思わずジャッキーに抱きついて号泣してしまう。
同じ頃、以前(第4話)に病院に担ぎ込まれた患者ルーが、今度は転んで歯が欠けた上に手首を折ったため、再び病院へ。失業中で保険を切らし、処方された薬も買えないという彼に、オハラはジャッキーの真似をして病院のルールを破り、1年分の薬を気前よくプレゼントする。だが、そうして一度は退院したルーだが、また病院に戻って来てしまう。1人でいると何をするか分からないというのだ。ジャッキーは彼を精神科に案内し、急な診察は出来ないという受付係を、彼女の子供と母親のインフルエンザ予防注射を無料でさせるという交換条件を持ち出し、何とかアポなし診察を実現させることに。
一方、アカライタスは礼拝堂のマリア像を守ろうと、ジャッキーとソーに命じて礼拝室からマリア像を盗ませ、調剤室の奥の部屋に隠すのだが……。

【今回の診断書】
ひっくり返りそうになるほどの大事件は無かったかもしれませんが、それでも本作ならではの魅力を着実に醸した、それが今回の「ナース・ジャッキー」だったと思います。
ユニークであると同時に、“Rat Falls”=ネズミが降って来るという原題からも伺える通り、ゾーイが食べようとした野菜ロールに、天井からネズミが降って来るのが大きな見どころだった本作(こういう状況でのリアクションがゾーイは本当に鉄板!)。前話にも登場したキャンディス&ナターシャの母娘、エディとチュニーの急接近になぜかうろたえるジャッキー、両親の離婚を知って極度に落ち込むクーパー、マリア像をめぐって、やはり独自のこだわりを見せたのが今後も何か事件を予感させるアカライタスなど、ファンが続きを見たいと思わせる見せ場の連発でした。そんな中、高血圧症の患者ルーのため、壊れたメガネを新しいフレームに直すよう手配したジャッキーは、スキャンダラスながらも本当に優しい、素晴らしいヒロインだと思ったのは筆者だけでしょうか。

【ラスト・シーンのBGM】
リズ・ジェームズ(Liz Janes)による“Bitty Thing”です。

【「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」】
ソーがジャッキーにこのタイトルを振られて、ミュージカル好きなことで懐柔するなと批判しつつ、そんなジャッキーをつい許してしまった、キュートなミュージカル舞台&映画のタイトル。1960年の映画はまず1986年に映画化され、後に舞台化も。

【前回と代わったモーリーン役】
第1シーズンではブライス・ダナーが演じたこの役。今回は何があったか不明ですが、米TV界の名サポーティング・アクトレス、ジュディス・ライトが好演しています。

2012.2.12|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

2月5日(日)S3#4「ミトンの中身」“Mitten”

4

【STORY】
ジャッキーは自宅の地下室でハンガーにかけた服のポケットや洗剤の箱などにクスリを分けて隠すと、病院に出勤。オハラとは関係を修復し、2人でランチへ。オハラはアカライタスからERの主任の座をオファーされたことをジャッキーに話す。そのそばで、ある男性客が“チキンサラダなのにチキンが入っていない”とウェイトレスに怒鳴りつけると、ジャッキーはナース服なのに責任者だとウソをつき、男性客にウェイトレスへ謝罪するよう要求。そしてウェイトレスには、ちゃんとチキンを持って来るよう指示する。相変わらずのジャッキーだ。
オハラがERの主任に指名されたと聞いたクーパーは、自分が選ばれるべきだと対抗心を燃やすが、結局はアカライタスに利用され、残業をたくさんさせられるはめに。もっともクーパーは、ソーに応援を頼んだフットボール・ゲームに夢中で、遊び半分の残業だが。ERより上階にある産婦人科に入院した妻に付き添い、ナーバスになって吐き気を催した男性イーサンがERへ駆け込む。ジャッキーは他の患者に優先してイーサンの処置をし、イーサンを促して産婦人科に向かうが、イーサンは自信がないといい、エレベーターから降りない。ジャッキーは、ちょうどそこに居合わせたカップルが抱いている赤ちゃんの匂いを嗅ぐようイーサンに指示。それでようやく覚悟が出来たイーサンは、出産の立会いに向かう。一方、就職面接に行く途中で怪我をした男性ルーがERへ。ルーは高血圧の薬を常用していたが、最近はやめていたという。ジャッキーは処方箋を出すからちゃんと薬を飲むべきだとよう助言する。
勤務時間後、ケヴィンはエディの就職を祝うバーベキュー・パーティを開こうとしていた。ジャッキーとエディは同じ職場であることをこれ以上隠す必要がなくなったので、2人で堂々と一緒にジャッキーの家へ。エディはヘルメットでペタッとなったジャッキーの髪を思わず愛しそうに撫でる。しかしエディは、ケヴィンから紹介されたその妹チュニーと親密になりそうな気配が濃厚だ。
ジャッキーが仕事で留守だった間に、ケヴィンは学校のバザーに、地下室にあった不要品を提供していた。クスリを隠していたジャッキーはあわててバザーの会場である教会に向かう。彼女がクスリを隠したアイテムのひとつは、娘たちが小さかった頃に使っていたミトン。ジャッキーは複雑な面持ちでそれらを回収する。

【今回の診断書】
今回も30分弱と思えないほど内容がぎっしりだった「ナース・ジャッキー」。歩数計をつけたゾーイのうざったさ、クーパーの幼稚さ(自分で自分に注射でできないのでジャッキーに頼むなど)といったおなじみのパターンに加え、今回はアカライタスが面白かったです。引き続いてオバマ大統領夫人を病院に呼びたいアカライタスは資金にするための寄付金(目標は25000ドル)がどれだけ集まったかをグラフをしますが、ソーやクーパーからグラフが男性のアレに見えると指摘されても開き直る場面は大爆笑ものでした。
ギャグだけでなく、ストーリーも面白かった。序盤でジャッキーがレストランで、いばった客をぴしゃりと叱ったかと思えば、ウェイトレスにもこうしなさいと指示したくだりは、ジャッキーの聖女にして悪女という魅力がたっぷり。また、妻の出産を前に自分のふがいなさをグチる患者に「(それは)出発点よ」と諭すジャッキーもカッコよかった。そしてジャッキーが今回のバザーのことを知らなかったのは、第1話の終盤、妻に疑心暗鬼になっているケヴィンが娘たちの学校に対し、“これから学校のことは自分に連絡してくれ”と告げたからでしょう。数話前の小さな話しが今になって活きてくるというのは脚本が巧い証明です。そしてラスト、小さなミトンを見つめるジャッキーの哀しい表情も印象的でした。
人間関係では前話から登場しているケヴィンの妹、チュニーがやはりいいスパイスに。チュニーいわく“自分はジャッキーではなく、アルコールの問題を抱えるケヴィンを監視しているんだ”というのは本当でしょうか。引き続いてチュニーは、彼女と接近し合うエディ共々気になる存在で、これからのエピソードが楽しみです。

【最初の場面のBGM】
英国のバンド、エルボー(Elbow)の4作目のアルバム“The Seldom Seen Kid”に収録されている“Grounds for Divorce”。サウンドは懐かしい雰囲気ですが2008年に発表された曲で、「Dr.HOUSE」「レスキュー・ミー」といったドラマでも使われました。

【ラスト・シーンのBGM】
米国のフォーク歌手、スフィアン・スティーヴンス(Sufjan Stevens)のミニ・アルバム“All Delighted People”に収録されている“Heirloom”です。

【スーパー・クーパー】
こう翻訳されていた箇所、元の英語は“クーパー・デューパー(Cooper Dooper)”です。これは“とてつもなく素晴らしい”を意味する英単語、スーパー・デューパー(super-duper/super-dooper)に引っかけたダジャレ。自分の名前をこんなダジャレにしてしまう、クーパーの俺様ぶりが笑えます。

【今月25日WOWOWシネマなどで放送の映画「英国王のスピーチ」】
オハラ役のイヴ・ベストが、短いシーンながら出演しています。英国王ジョージ5世の次男アルバート王子(コリン・ファース)が父親の後を継ぎ、国王ジョージ6世にならざるを得なくなる状況を作る、重要な役どころです。作品自体も評判通りの秀作です。

2012.2. 6|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

1月29日(日)S3#3「どん底までの距離」“Play Me”

3

【STORY】
ある朝、ジャッキーの家にもう1人の人物が。ケヴィンの品のない妹チュニーだ。前の晩、彼女はパイロットの恋人と別れ、ヤケ酒してから夜中にジャッキーたちの家に転がり込んできた。チュニーはジャッキーに、引っ越しまでの数日、同居させてくれと頼む。どうやら彼女はジャッキーがクスリの問題に苦しんだと兄から聞いているようだが……。
病院の前では、病院の向かいに住んでいる“神”が道端に置いてあった、Play Me(弾いて)と書かれたピアノを勝手に運び始め、院内の物置に置いてしまう。同じ頃、縄張り争いでケンカをした、別の屋台の主人2人がERに担ぎ込まれる。1人はやけどを負い、もう1人はシシカバブの串が刺さっていた。一方、急患の女性ギーラも到着。階段から落ちてひどい内出血を負い、急ぎの手術が必要だが、宗教上の問題から夫デヴィッドはユダヤ系の病院に移して治療すると主張。だが今の状態で移送するのは命の危険が伴い、ギーラの両親も移送すべきでないというが、デヴィッドは首を縦に振らない。仕方なくジャッキーは病院の前にいたレニーに、救急車に乗せてくれと頼むが、レニーはすでに別件が入っているといって移送を拒否する。結局、ジャッキーは病院にいるのに911番(日本でいう119番)で救急車を呼ぶ。
アカライタスの元に神父が訪れ、病院の礼拝堂にある聖像は本来、すべて教会の持ち物だといい、引き揚げると告げる。アカライタスは阻止しようと、引き延ばしを試みる。
レニーはゾーイといつも一緒にいたいと願い、サンドイッチに挟んで家の合い鍵を彼女にプレゼント。だがゾーイはプレッシャーをかけられているように感じたようで、あまり嬉しくなさそう。ジャッキーはレニーに“相手を縛り付けるな、向こうから来させろ”とアドバイスし、レニーは早急すぎた行動をゾーイに謝り、2人はまたいい雰囲気に。
病院へ、意外な訪問者が。以前、路上で発作を起こし倒れていたところをジャッキーに救われたが、持っていたクスリをジャッキーに奪われたビルだった。2人はカフェで話し合うことにするが、彼はかつて依存症のカウンセリングをしていたが、手に負えない患者に人生のどん底を見せてやりたいと考えるようになり、今は依存症の人々にドラッグを供給していた。要はディーラーだ。ジャッキーも依存症だと見抜いて彼女に近づいてきた彼は、“助けが必要なら言ってくれ”と1錠差し出すが、ジャッキーは断って仕事に戻る。
ケヴィンの酒場でジャッキーは、いつの間にかチュニーがジャッキーたちの家に、あと2・3週間泊まることになったと聞いて、今後が少々心配な様子……。

【今回の診断書】
前々話では、これからどうなるかというほど追いつめられたジャッキーですが、前話では事態の収拾に一旦成功……したかに見えたのが、子供に聞かせたくない言葉を連発するダメダメな義妹(ジャッキーの娘たちから見たら叔母)、チュニーの新登場に脅威を感じたはず。途中、ジャッキーとエディは、ケヴィンを合わせた自分たち3人を不思議な関係と呼んでいましたが、ラストシーン、ケヴィンがチュニーをエディに紹介すると言ったあと、ジャッキーが内心穏やかでないのを隠し切れていないのが実に面白かったです。
他のキャラたちも、オハラが引き続いてジャッキーと距離を置こうとしたり、サムがまだクーパーに怒っているかと思えば、クーパーがいきなりソーに接近して、自分をバカにしてきたドクターたちを見返したいのでソーにゲーム「ファンタジー・フットボール」に参加してくれと頼んだり(深刻な身の上話をしたかと思えばソーの承諾を貰った途端、陽気に変貌するクーパーがどうしようもなくて笑えました。サンドイッチを使ったセコい買収策も)、ゾーイが意外にもレニーとの関係に悩んだり、礼拝堂や聖像を守りたいと執着するアカライタスの熱意など、それぞれに見せ場があって快調。最も印象的だったのは、“神”(第2シーズン第12話以来の再登場。演じるのは引き続いて、「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」の主演男優で本作の前話と前々話を監督したスティーヴ・ブシェミの弟マイケル)が病院に持ち込んだピアノをアカライタスが弾く場面。前シーズン最終話でジャッキーがタップダンスを踊った時の、あの感覚を思い出しました。
ところで、サンドイッチに合鍵を挟んでプレゼント(但しゾーイはの詰め物が取れてしまったようですが)って、どの映画が元ネタでしょう。調べましたが、分かりません!

【ナブラチロワ】
クーパーが仲間の医師たちにつけられたというあだ名。実在のテニス選手、マルチナ・ナブラチロワのことでしょう。チェコスロバキアから米国に亡命したこの人、同性愛者だとカミングアウトしており、だからソーはクーパーに同情したのにちがいありません。

【路上のピアノ】
“神”が勝手に病院に運んでしまう、Play Me(このエピソードの原題でもあります)と書かれたピアノには、実際にモデルがあります。街の人々を和ませようと考えたあるNPOが、“Play Me, I'm Yours(弾いて、私は貴方のもの)”と書いたピアノを2008年、英国のロンドンに置いたのが最初で、その後、ピアノは全世界で約500台も置かれることになったとか。ネットではこうしたピアノを弾く人々の動画が見つかります。

2012.1.29|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

1月22日(日)S3#2「謝罪」“Enough Rope”

2

【STORY】
ジャッキーの次女フィオナも、新たに姉グレースと同じ私立校に通うことに。手をつないで学校に入る2人を見たジャッキーは胸が熱くなる。
オールセインツ病院ではゾーイが、彼女やジャッキーが働くERの備品である手袋が、他の部門に盗まれているとアカライタスに苦情を訴えるが、アカライタスは“バレないようやり返せ”とアドバイス。ゾーイは浮かれた気分で、各部門から次々と手袋をゲットしていく。そこへ、ノコギリで指を切った女性が急患で担ぎ込まれてくるが、クーパーやサムが治療するのを拒否してくる。彼女は夫や息子が立ち小便でトイレを汚すのに耐えかねてヒステリックになっており、男性すべてがもう我慢ならないという。仕方なくジャッキーはオハラを呼ぶが、オハラは引き続いてジャッキーに冷たい態度で接する。
同じ頃、アカライタスは、オバマ大統領夫人が全米の学校や病院を周り、縄とびを普及させて子供の肥満防止に努めていることを知り、宣伝のためにぜひオールセインツ病院にも招へいしたいと躍起に。一方、老男性グレアムさんが救急車で運ばれて来るが、彼は延命拒否の意思表示のメモを持っていた。「外で死にたかった」というグレアムにジャッキーは、蘇生措置をした救命士たちに「助かりたくない人を助けようとするのは余計なお世話だ」と責めるが、これはどこかジャッキー自身の自分語りのようでもある。
クーパーは引き続いてサムと険悪なムードだが、サムに宛てたカードを作り、いきなりERでそれを読みだす。それはクーパーなりにサムに頭を下げる内容だが……。
オハラが別の病院への転職を考えていると知ったジャッキーは、ランチに行ったオハラを追いかけ、「私には友人が必要。どこへ行こうと追いかけていく」と彼女に訴える。
そんなジャッキーに問題が。エディは親友になったケヴィンにこれ以上ウソをつけないと悩み、せめて同じ病院に勤めていることだけは言わせてくれとジャッキーに頼む。そこでジャッキーは、「失業した」とケヴィンに言うよう、エディに指示。病院から帰って来たジャッキーに、人のいいケヴィンはエディの働き口を世話するよう彼女に頼む……。

【今回の診断書】
本シーズンのド頭だった前話、ドラッグ問題が夫ケヴィンや親友オハラにバレないよう大胆不敵な開き直りを見せたジャッキーですが、自分が結婚していることを院内で隠し続けてきたのに、夫ケヴィンにいきなり真実をバラされて窮地に陥る……かと思いきや、今回は、まずケヴィンについてはフィオナがお姉さんのグレースと同じ私立校に入ったことを心から祝福することでケヴィンとの距離を埋め、また、親友オハラが抱いた不信感を、あくまで真摯な態度で復旧しようとしたのに続き、エディ(手強いようでやっぱり……バカ?)を利用し、その頼みごとに対して得意のウソを発揮し、ジャッキーの思惑通りにケヴィンを動かす作戦はあまりに的を得ていて、ある意味、番組の原点に戻った、高いインテリジェンスを感じずにいられないエピソードでした。
個人的に、テンションが高かった前話とそれがやや下がった本話は、あわせて評価することで「ナース・ジャッキー」の世界を理解できるという、1話だけでは掴みづらい「ナース・ジャッキー」と主人公ジャッキーがどこに行こうとしているのかを、静かな語り口ながらきちんと示した1本だと思いました。どこまでも隙が無く、大いに頷け、いい意味で、これからどこまで本作に振り回されるのか期待したくなりましたが、どうでしょう。

【ジャッキー役のイーディ・ファルコの最新作】
人間的過ぎてあまりに素晴らしいヒロイン、ジャッキーを体当たりで演じているイーディに、これ以上何を望むべきかを言える立場ではありませんが、2012年に米国で公開される映画“Gods Behaving Badly”では、シャロン・ストーン、クリストファー・ウォーケン、アリシア・シルヴァーストーンら豪華布陣と共演することになっているそうです。

2012.1.22|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

1月15日(日)S3#1「ゲーム再開」“Game On”

1

【STORY】
前シーズン最終話「堕ちた天使」のラストシーンの続き。クスリを買っていたのがケヴィンとオハラにバレて、バスルームに閉じこもったジャッキー。いきなり、どこのドラッグストアでも売っていそうな物をかき集めて袋に入れるとバスルームを飛び出し、ケヴィンの前へ。そこで袋の中の物をぶちまけると、「買った物の半分は子供の常備薬」「睡眠薬がないと眠れない」など一気にまくしたて、オハラのお金もフィオナの教育費のために受け取ったといい、「稼がないあなたが悪い」とケヴィンの追及を強引にはねのける。
病院でもオハラに先回りし、アカライタスに自分が鎮痛剤に頼りがちだったことを告白するが、2か月だけだったと思い切りサバを読み、薬の在庫が減ったのも自分と関係がないとシラを切る。もっとも、アカライタスはジャッキーを信用しきった様子ではない。直後訪ねてきたオハラはアカライタスに、ジャッキーのクスリのことは明かさず、只、「ジャッキーと同じシフトで働きたくない」とだけ告げる。
少年ピートが、自分の脳を見ようとして鼻に小さな鏡を突っ込んでしまった。ジャッキーは治療のついでに、頭部スキャンをとって脳を見せてあげようと提案。クーパーは最初は嫌がるが、自分の権力で人助けをすることに同意する。同じ頃、引っ越し作業中に重い荷物の下敷きになった若者トミーが担ぎ込まれる。長時間下敷きになっていたため助け出された途端、毒素が血管を駆けめぐり、生命維持装置が必要なほどの重体になったのだ。一緒に作業していた父親フィンは、息子が仕事をさぼって寝ていたと思い込んでいて、そのことを深く後悔していた。
ケヴィンはグレースが通う私立校に行き、フィオナの入学手続きをする。学校側は両親揃っての面接を求めるが、ケヴィンは「今後子供のことはすべて自分に」と言い放つ。それからケヴィンは、病院のジャッキーを訪ねる。病院の人々の多くはジャッキーが独身だと思っていたので大騒ぎに。ケヴィンはジャッキーに自分がフィオナの学費を払ったといい、ジャッキーが独身だとみんなが思い込んでいたことを責める。ジャッキーはここでも苦し紛れの言い訳で逃れようとする……。

【今回の診断書】
お待たせしました、「ナース・ジャッキー」第3シーズンがいよいよスタート。前シーズン最終話の気になるラストシーンの続きで幕を開け、ジャッキーに夫がいることが病院のみんなにバレるという、2つの見せ場のおかげで、いつも以上にアッという間に見終わった感じがするのは筆者だけでしょうか。
夫ケヴィンにジャッキーがあれこれ反論する2つの場面は、ジャッキー役のイーディ・ファルコの表現力が光る名シーンだとはいえ、ジャッキー自身はケヴィンとの仲が今後心配ですね。第1シーズンあたりでは優しさ中心で描かれたケヴィンが、ここに来て夫としても父としても強くなりそうなのが意外で、第3シーズンの見ものになりそうです。オハラが親友ジャッキーに距離を置きそうな予感がするのも気になります。
また、上記のストーリーではふれませんでしたが、他のキャラたちにまたも笑わされました。救命士レニーとの関係が順調で浮かれているゾーイの下品なおのろけ、自分の靴を自慢して、値段をジャッキーに当てさせようとしながら軽くあしらわれるクーパーなど、引き続いて絶好調で何より。このシーズンも全エピソード、見逃せませんよ!

【監督は俳優のスティーヴ・ブシェミ】
WOWOWが第2シーズンも放送する(時期未定)TV「ボードウォーク・エンパイア 欲望の街」で主人公ナッキー・トンプソンに扮し、ゴールデン・グローブ賞のドラマ・シリーズ主演男優賞に輝いた実力派俳優ですが、当番組の監督は今回で5度目。今シーズンの第2話も監督しています。TVドラマは他にも「ホミサイド/殺人捜査課」「OZ/オズ」「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」「30ROCK/サーティー・ロック」を監督したことがあり。また、監督・脚本・主演の3役をこなした「トゥリーズ・ラウンジ」など長編映画も4本監督しています。才能ありますね。

【今後の監督たち】
第3・4話は、いずれもカルトな映画「ヘザース/ベロニカの熱い日」「ハドソン・ホーク」や「好きと言えなくて」などのマイケル・レーマンが監督。第7・8話は「未知との遭遇」「2010年」「カポーティ」など新旧の映画で知られる個性派俳優ボブ・バラバンが監督。この人、映画「ゴーストワールド」でブシェミと共演しています。

2012.1.15|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

5月28日(土)S2#12「堕ちた天使」“Years of Service”

12

前話のラストシーンの続き。ジャッキーが自分に黙ってオハラから教育資金の援助を受けていたと知ったケヴィンは激怒し、車を下りて歩きだした。そんなケヴィンに代わって車のハンドルを握ったジャッキーは娘2人に“パパは平気だって”と言い残すと、アクセルを踏み込んでケヴィンを置き去りにする。
その後、ケヴィンに電話で呼び出されたエディが彼をバイクに乗せ、家まで送ってくる。ジャッキーはケヴィンに涙ながらに、自分が産んだ娘たちが自分よりもケヴィンを慕っているのに嫉妬していること、自分が家庭を守りたくてカネを受け取ったことを明かし、“私なんてやめておけって言ったのに”というと、2人は何とか和解にこぎつける。
翌日、病院に出勤したジャッキーはオハラにMRI写真の件を“自分の病状を知られたくなかった”と釈明し、許しを得る。一方、ゾーイはレニーとの関係が発展する。
同じ頃、クーパーはサム本人に、自分が彼の恋人レシーと寝たことを明かし、怒ったサムは、レニーに殴られてまだ治ったばかりであるクーパーの鼻を殴る。その後始末で、アカライタスはサムを観察処分で済ますことに。そんなアカライタスは誰かが院内でタバコを吸っていると察知し、捜索を開始。天井裏では自称・神様がタバコを吸っていた。
クーパーを殴った件でヤケを起こしたサムは酒を呑んで泥酔。洗面所で彼を見つけたジャッキーは、彼に処置をしてかくまってやる。そしてジャッキーは自分にまだ未練があるエディに声をかけられるが、意味深にキスをして彼のもとから離れる。
ジャッキーにクスリを盗まれた男性ビルがまたも病院を訪れ、ついにジャッキーを見つける。ビルは12、000ドル分のクスリを返せとジャッキーに迫るが、危機一髪のところでソーがビルを倒してジャッキーを救う。
ケヴィンはジャッキーが置き忘れた鍵から私書箱を見つけ、大量のクスリの請求書を発見。今まで嫌いだったオハラにそのことを相談し、2人はジャッキーがクスリのために色々とウソをついてきたと推測。ジャッキーが帰宅すると、ケヴィンとオハラが待ち構えていて、ジャッキーがクスリに依存しているのかと追及。追い詰められたジャッキーはバスルームに閉じこもって鏡を見つめる。“私はジャッキー。薬物依存症です。くそ喰らえ”。

【今回の診断書】
「ナース・ジャッキー」第2シーズンの最終回、いかがでしたか。筆者が感動的だったのは前半、ジャッキーがとうとう自分の思いのたけをケヴィンにぶつけたくだり。ジャッキー役のイーディ・ファルコの熱演もあり、大いに同情して涙が出そうになりました。もっとも事態がそれだけに収まらないのが「ナース・ジャッキー」イズムでしょう。第1話が浜辺で幕を開け、今回のクライマックスにも浜辺の場面(ジャッキーの心象風景)があって、まるできれいに一周してつながったかのような演出も冴えていました。
筆者が気づいた範囲で書き並べると、●ジャッキーはこのままクスリへの依存を止められるのか、●ジャッキーと夫ケヴィンや娘たちとの関係はどうなるのか、●ジャッキーとエディの関係は、●オハラと恋人との関係は、●ゾーイとレニーの関係は、●ジャッキーがクスリを盗んだ相手ビルは何者なのか(連れていた女性からいって犯罪者ということはさすがに無いと思いますが)、●クーパーの自意識過剰はどうなるのか、●ソー(今回ビルからジャッキーを守ろうとしてビルを倒してから“いいよね、友達じゃないよね”とジャッキーに聞いたのは大爆笑シーン)の糖尿病はどうなるのか、●アカライタスは病院の財政問題も含め、このままでキレないのか、など、新たに山盛りの問題を残したと思います。全米では3月28日から第3シーズンが放送中(またスティーヴ・ブシェミが監督をしたエピソードも!)。筆者もファンとしてWOWOWでのオンエアが待ち切れません。
それと今回面白かったのは、ストーリーと関係なく、ソーに促されたジャッキーがタップダンスを踊る場面。恐らくジャッキーの心境を描いたと思われる、強烈な場面です。
さて「ナース・ジャッキー2」のブログはここまで。続く第3シーズンもWOWOWでたくさんのファンと見られることを祈りつつ、また会える日まで。さようなら。
【ラストにかかった曲】
女性のロック・ミュージシャン、メリッサ・エスリッジ(Melissa Etheridge)が2010年に発表したアルバム“Fearless Love”に収録された“Nervous”。「ナース・ジャッキー」を意識して作られた曲なのか、ネットで映像を検索すると、エスリッジがジャッキー役のイーディ・ファルコ本人と共演したPVが見つかりますよ。

2011.5.29|エピソード|コメント(4)トラックバック(0)

5月21日(土)S2#11「逃避行」“What the Day Brings”

11

病院から家に電話をかけ、家族と今日出発する旅行が楽しみだと話し合うジャッキー。そこにいつもと様子が違うオハラがやって来る。他人のMRI写真を自分のものだと偽った件がオハラにバレたとジャッキーは気づいていた。オハラはジャッキーと話をしたがるが、ジャッキーは忙しさを理由に逃げ回り、さらに先日ジャッキーがクスリを盗んだ相手ビルの姿を発見。彼はジャッキーに近づくためか、アカライタスに、ジャッキーに救われたことに感謝して病院に寄付をしたいと申し出るが、ジャッキーは危険を感じて早退し、家族旅行の予定を早めて夫ケヴィンが運転する車で出発。家族に旅行が楽しみだと語るジャッキーだが、用意しておいたクスリを車の床に落としたことに気づかず、動揺する。
クーパーはサムの恋人レシーとベッドを共にしてしまった。レシーはナースであるサムからドクターであるクーパーに乗り換えそうな気配。それから病院に出勤したクーパーは、トゥレット症候群の発作を起こして自分を刺した患者ジョージを診察する。クーパーは本来なら秘密にすべきだが、自分も同じ病で苦労したことを語り、ジョージを励ます。
一方、ジャッキーから留守を任されたゾーイは、足に発疹ができた患者を担当。クーパーは皮膚炎だと診断するが、ゾーイは患者が飛行機に長時間乗っていたことなどからエコノミークラス症候群ではないかと異を唱え、オハラに再診察を依頼。患者の命を救う。
あわてて旅行に出発したジャッキーの家族だが、予約したホテルに手違いがあり、エレインという女性が経営するB&B(後述)に泊まることに。普通のホテルと勝手が違う上、エレインはどこか風変わりで妙にジャッキーを心配する。実際、クスリが見つからないジャッキーは禁断症状が出始めて具合が悪くなり、家族に向かって“やっぱり我が家が一番だ”といい、旅行を切り上げて家に帰るよう提案する。だが家に帰る車中、フィオナがジャッキーの携帯でオハラに電話をかけてしまう。フィオナのやりとりから、ケヴィンはジャッキーがオハラから教育資金の援助を受け取ったことに勘づき、怒って車を止めると車から下りてしまう……。

【今回の診断書】
この第11話を含め残すところあと2話になった「ナース・ジャッキー」第2シーズン。第1シーズン同様、ジャッキーに破滅の足音が忍び寄りつつ、聖女と悪女、両方の顔を持つ彼女がどう事態を強行突破するのか、引き続いて楽しみ。次回の予告を見るとケヴィンとの関係もあわせ、どんな状況にジャッキーが追い詰められていくのか気になります。
今回ようやく気づいたのですが、このドラマの面白いところであり難しいところは、それまで積み重ねられてきた事実に基づき、登場人物たちが突然意外な行動に出るところではないでしょうか。今回でいうとクライマックス、ジャッキーがフィオナにオハラとの電話を懸命になって切らせようとしたやりとりから、ケヴィンは妻がオハラから教育資金を援助されていると気づくあたり、大抵のTVドラマだと視聴者に分かりにくいといった理由でこれはやらないという急展開ですが、それをあえてやるスタッフの度胸は大したもの。
それと、ジャッキー周辺で緊迫感が高まる一方、反対にユーモラスなエピソードをちりばめる趣向も効果大。たとえば後半、アカライタスがオハラを誘ってバーに行くという、今までに無かった場面が。アカライタスが、スーツを着た女性に男は弱いと言い出すのがまた意味深で、真面目な彼女に一体どんな経験がそう言わしめるのか、気になります。
他にも、まずクーパーに見どころが。サムの恋人を寝取っていい気になっているのは問題ですが(それをエディにバラすのはもっと問題)、自分と同じトゥレット症候群のジョージに見せた優しさはけっして悪くないかも(いい気になっているなんでしょうが)。只、猫アレルギーはつらそう。それでレシーとうまくやっていけるのか気になります。
あと細かいところでは、早退したジャッキーに代わってやる気を出したゾーイが面白かったです。クーパーの代わりにオハラに診察を頼む場面、カーテンの間から顔だけ見せた場面や、また、アイルランド系の患者を診たゾーイがバイキング(海賊)を連想する場面がありましたが、バイキングというとアイスランドではないかという気がし、ゾーイがアイルランドとアイスランドを混同しているギャグではないかと思いましたが、はたして!?
【B&B】
ベッド&ブレックファストの略。文字通りに、ベッド(宿泊)とブレックファスト(朝食)だけを提供する小さな宿。ジャッキーがエレインにどこかでおいしい夕食を食べられないかと尋ねたのは夕食が出ないからです。日本でいうと、ホテルが旅館であるのに対しB&Bは民宿といったところのようです。筆者はまだ泊まったことがありませんが……。
【ライオンズ・ゲイト】
「ナース・ジャッキー」を製作している会社のひとつ。海外ドラマ・ファンよりも、アメリカ映画ファンのほうがなじみがある会社かも。カナダのバンクーバーを拠点にして数々の映画を手がけるうち、アメリカ映画の製作にも参加するようになり、「バッファロー'66」(98)「ゴッド・アンド・モンスター」(98)などに参加し、いわゆるハリウッド映画と一線を画すインディーズ系で頭角を現し、ホラー映画の「ソウ」シリーズを成功させると共に、「チョコレート」(01)「クラッシュ」(04)など賞レースで注目された秀作・佳作を連発。そんな会社だからこそ、野心作「ナース・ジャッキー」にも参加しているのです。

2011.5.22|エピソード|コメント(1)トラックバック(0)

5月14日(土)S2#10「紙切れの重さ」“Sleeping Dogs”

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出勤途中、街を歩くジャッキーだがクーパーのそばを通っても気づかない。前話でレニーに殴られた時にできた鼻の傷が治っていないクーパーは、街に貼られた自分のポスターの上に別のポスターが貼られていくのが悔しそう。病院に到着したジャッキーはオハラにグレースが心配だと語りつつ、他人のMRI写真を見せて自分の腰が悪いフリをし、鎮痛剤を処方してもらう。そうして貰った処方箋に書かれた鎮痛剤の量を勝手に水増しして書き直すジャッキー。夜になり、ジャッキーを心配したオハラは整形外科に怒鳴り込むが、実はMRI写真がジャッキーを写したものでないと気づき、自分の胸に一旦しまう。
あのエディがアカライタスとの面接を経て、ついに薬剤師として病院に復職。喜ぶクーパーを相手にせず、エディはジャッキーに復職を報告するが、彼女は嬉しくない。
病院に、スーパーで裸になって失神した情緒障害の患者が運ばれてくる。元有名フットボール選手、マルコ・プリンスだった。彼は若年性認知症を患い、時折自分のことが分からなくなるようだ。現在のマルコの懐は妻ホイットニーの収入しかなくて苦しく、本格的な治療は費用が大きな負担になりそう。マルコの大ファンであるアカライタスは彼に充分なケアをしたいと願い、妻に離婚するよう提案。結婚していて妻の収入があると、低所得者用の保険「メディケイド」の保護対象にならないからだ。だが、夫を愛するホイットニーは離婚を渋る。ジャッキーはそんな彼女に“結婚なんて紙切れだ”と意見する。
同じ頃、49歳の女性ジーナが腹痛で担ぎ込まれる。虫垂炎かと思われたが、何と彼女は妊娠していた。彼女を診察したオハラは、自分もかつて子供が欲しかったと明かす。
ゾーイはレニーと付き合うべきかどうか、オハラにノロけ、ジャッキーにも相談。ジャッキーはエディを思い出してか、職場恋愛を勧めないが、いずれにせよゾーイのほうは付き合う気が満々で、ジャッキーは呆れる。
クーパーはサムに誘われて勤務後、街角に立ってラップバトルをするサムの仲間たちのもとへ。最初はノリがよかったクーパーだがどうも居心地が悪く、サムの恋人レシーと帰途につく。
仕事を終えたジャッキーは、グレースの担当医に電話をかけるがアドバイスを貰えずにがっかり。すると路上で、てんかんの発作を起こしている男性と遭遇。男性を看ようとすると、彼の上着の内ポケットに大量のクスリが。ジャッキーは男性の恋人の目を盗んでクスリをくすねると、到着した救命士に彼を近くのオールセインツでない別の病院に運ぶよう指示する……。

【今回の診断書】
今回もジャッキーはややおとなしく、スタンドプレイを見せない……と思いきや、他人のMRI写真を使ってオハラにクスリの処方箋を出してもらったのが結局はオハラにバレて、しかも、路上で倒れていた男性からクスリをくすねるという大胆すぎる行動へ。予告編を見ても今後、何かひと悶着ありそうな予感。ちなみに「ナース・ジャッキー2」は残すところ、あと2話。クライマックスに向けてアクセルを踏み込んだ感があります。
他の登場人物たちにも変化が。エディの復帰がスリリングなのはもちろん、クーパーとサムの仲間たちの意外な接近は気になりますし、ゾーイの恋愛相談というかおノロけもまだ何かありそうですし、ソーの糖尿病問題にもまたチラリとふれられていました。
中でも私が驚いたのは、いつもは厳しいアカライタスが、自分がファンであるマルコのため、これまでの治療費を病院が負担すると言い出したところ。それにしてもマルコの治療、まだ1日だけで“MRI無しでも1万1000ドル(約90万円)”もかかっているとは驚き。社会派ドキュメンタリーの鬼才マイケル・ムーア監督の映画「シッコ」(このドラマのファンは見ておくとさらに楽しめます)でも米国の医療制度を問題にしていますが、オバマ大統領の就任以来、全米で議論になっているのが国民皆保険制度の是非。もっとも、それ以前にこれほど高い治療費も問題かと。余談ですが「グレイズ・アナトミー」(WOWOWは7月から第7シーズンを放送)も難しい手術の場面が多いのですが、患者とその家族がちゃんと費用を払えているのかどうか、気になるのは筆者だけでしょうか。
それと今回はもう1つ、“結婚してなくても愛せる。あんなの紙切れよ”というジャッキーの一言が気になりました。自由なジャッキーだからこそ、結婚なんて制度より愛情が大切と言おうとしたのかもしれませんが、解釈によっては別の意味にも取れますよね。
【メディケイド】
日本のように国民が健康保険、共済組合、国民健康保険などのどれかに加入している国民皆保管制度と異なり、国民1人1人が自己責任で自身の健康を管理すべきと考える人が多い米国では、原則として国民それぞれが民間の保険に入っています。ですが、高い保険料を払えない人たちを救済する制度もあります。高齢者などのための「メディケア」と共に1965年に創設されたのが「メディケイド」。低所得者や身体障害者に代わって、各州と合衆国政府が医療費を負担する制度です。それにしてもアカライタスとジャッキーのアドバイスは、いわば法の網をどうくぐり抜けるかという提案で、TV的には過激かも!
【ダイアン・キートン】
「アニー・ホール」でアカデミー主演女優賞に輝く以前からも「ゴッドファーザー」などの名作にも出演してきた名優。今回は、若作りしている女優の例に挙げられていますが、50代後半でロマンチック・コメディ「恋愛適齢期」に出演してアカデミー主演女優賞にノミネートされたり、最近も「恋とニュースのつくり方」に出演するなど、誰もが尊敬するベテラン女優だからこそ、本作は敬意をもってイジったかのように思えます。

2011.5.15|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

5月7日(土)S2#9「私書箱」“P.O. Box”

9

ケヴィンの店。フィオナは先日の学校での発表会、オハラがギプスをカットしたパフォーマンスが楽しかったと絶賛。ジャッキーはケヴィンに、フィオナもグレースと同じ私立の聖マリア学校に通わせたいと提案。今の学校ではまた、去年も今年も自分とケヴィンが親として問題があると先生に指摘された。だが、フィオナも私立に通わすほど余裕はないとケヴィン。オハラに提案された進学資金援助も絶対に受け取らないという。その頃、店や家の洗面所にこもるようになったグレースも心配のタネに。
ジャッキーの私書箱に、様々な薬局からの請求書が届く。あわせて600ドル以上とは大きい。病院に着いたジャッキーはオハラに“ケヴィンも賛成した”と嘘をつき、大喜びのオハラから進学資金を小切手で受け取る。
今日もオールセインツ病院は忙しい。頭から流血した30代の男性ティムが運ばれてくるが、家庭内暴力らしい。ティムは付き添いの女性スージーにビンを投げられたという。スージーは妻かと思いきやその後、本当の妻ブレンダが病院にかけつける。スージーは実は愛人で、妻と愛人がハチ合わせしたせいで一転、修羅場になりそうなムードに。
人手が足りないのでアカライタスが調べると、ピル・マティックスの前に行列が。故障が原因だ。キレたアカライタスは機械が嫌いになり、薬剤師にエディを呼び戻そうと考える。ジャッキーは反対するがアカライタスは彼を面接しそうな勢い。
自転車に乗っている時、車にぶつけられて負傷した男子学生ドリューが病院へ。最初は冷静だったドリューだが、8~12週間も入院が必要な重傷だと知り、学業に支障をきたすと困惑。そこでゾーイは彼のiPhoneで、事故のことをメールで女友達たちに広めてみろという。これが功を奏し、3人もの女子学生がドリューの面倒を看ると申し出てくる。だがゾーイは“そのうち揉めるよ”とニヤリ。
ティムがスージーに抵抗したと聞き、クーパーは“女性への暴力は何がなんでも反対”というが、“男性だって暴力を振るわれたら自分を守る権利はある”とジャッキーに反論されて激怒。再び議論になって興奮したクーパーは、トゥレット障害の発作を起こし、そばにいたゾーイの胸をつかんでしまう。それを見ていたレニーは、すぐにクーパーと殴り合いに。ゾーイは自分を守ろうとしてくれた、そんなレニーに好意を寄せはじめる。
サムはジャッキーの許可を取って1時間、外出するが、結局は2時間もいなかったことをバラされてしまい、アカライタスに職務怠慢と見なされて観察処分となる。
帰宅後、洗面所に閉じこもっているグレースを心配したジャッキーはドアをこじ開けるが、グレースはストレスからか、自分で自分の髪を抜いていた……。

【今回の診断書】
今回のエピソード、ラストにドーンと落ち込まされました。グレース、大丈夫でしょうか。先週は精神科医の治療を受けるのに前向きでしたが、いつの間にかストレスが溜まったののかも。実は私も3か月位仕事で忙しいと円形脱毛症が出来ることがあります。1か月位少しずつ抜けて、それから3か月位で治る感じで。ちなみに私の場合、忙しいのは2か月位に収める、なったら治すのにとにかく寝る、気にすると治りにくいので気にしないという独自の治療法(というほどのものでもありませんが)で対処しています。話は脱線しましたが、まだ小さなグレースなのに本当にかわいそう。もちろん、お母さんであるジャッキーの心境も悲痛でしょう。今後の快復を祈りたいです。
さて、病院では相変わらずドタバタが連発。最高におかしかったのはアカライタスがピル・マティックスに「このマシンはスカポンタンのクズです!」(吹替の台詞による)とマジギレした場面。仕事熱心だからこそ本人は本気でも、端から見ると……笑えます。
発作なのでキレたとはいえませんが、ジャッキーとの議論に興奮したクーパーがゾーイの胸をがっつりつかんだのも大爆笑。直前、彼は女性への暴力を完全否定したはずが、まさかの完全セクハラ。彼にレニーが殴りかかり、その後互いに殴り合った、あの何ともいえないスピード感と間の取り方も素晴らしいです。おまけにクーパー自身が医師なのに治療されるというオチも、何だか今後の展開を期待させます。
一方、エディが病院に戻るという事態もジャッキーにとっては最悪。前回出会ったジョージアがそばにいても、関心は明らかにジャッキーに向いていてちょっと怖い……。
【私書箱】
英語で“Post-office box”、略して“P.O. Box”が今回のエピソードの原題。日本では会社など団体が使うことが多い私書箱ですが、米国では郵便物を自分で守るという防犯上の目的から、今回のジャッキーのように一般人もよく私書箱を使います。ちなみに日本では無料ですが、米国では有料(ジャッキーの場合は半年で35ドル)です。
【音楽を担当する1人、ウェンディ・メルヴォワン】
「ナース・ジャッキー」の音楽を担当するコンビ、ウェンディ・メルヴォワンとリサ・コールマンがプリンスのバンド“ザ・レヴォリューション”を経て、デュオ“ウェンディ&リサ”として活躍した話はもう書いたと思いますが、1995年の映画「デンジャラス・マインド/卒業の日まで」から映画・TVのサントラも手がけるように。映画「ソウル・フード」やTV「女検死医ジョーダン」「HEROES/ヒーローズ」「BIONIC WOMAN バイオニック・ウーマン 」のサントラを担当し、「ナース・ジャッキー」ではエミー賞のオリジナル・メインタイトル・テーマ音楽賞を受賞しました。さて、ウェンディは2009年、リサとレズビアンだったこと、今はTV「Lの世界」を監督したこともあるリサ・チョロデンコと交際しているとカムアウト(リサに続いて付き合ったのもリサ!)。2人は精子提供を受けて息子カルダーを授かりました。この経験を下敷きに、チョロデンコ監督は今年の映画賞レースでも話題になった「キッズ・オールライト」を発表。筆者も見ましたが笑って泣ける秀作です。もう日本でも公開中の劇場がありますので、ぜひお薦めです。

2011.5. 8|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

4月30日(土)S2#8「ギプス騒動」“Monkey Bits”

8

フィオナが、誕生日のお祝いでジャッキーにギプスを付けてもらった(第6話)上、自宅のキッチンで唇の傷を縫われた(第7話)ことを明かしたため、学校の先生は家庭で虐待されているのではないかと心配し、ケヴィンを学校に呼びつける。何か思いついたジャッキーはオハラを連れて学校を訪れ、教室でフィオナのギプスをカットするパフォーマンスを披露。生徒たちを納得させると共に、疑惑を晴らすのに成功する。但し、どうやらオハラはサラとうまくいっていない様子。その日、ジャッキーはオハラを、1人の人間が2人を好きになることは誰にだってあるといい、何とか慰めようとする。
病院ではアカライタスが、ジャッキーの仕事を見て学ぶよう、サムに彼女のそばにいるよう命じたのがジャッキーはウザったい。直後、ユニオン・スクエア近くの地下鉄の駅で銃の流れ弾を頭部に受けた美人の女性患者リリーが運ばれてくる。リリーはクーパーにあなたのポスターを見たといい、退院したら呑みに行こうと誘うが、ジャッキーはクーパーに患者と約束をするなと促す。そんなリリーは死を恐れ、ジャッキーは“目が覚めた時、そばにいる”と約束し、リリーを元気づけるが、彼女が目を覚ました時に結局立ち会えない。リリーは摘出された流れ弾をジャッキーに渡し、約束を守らなかったことを責める。。助かる見込みがない夫マーカスに付き添い続けるゲイのジョンを、アカライタスやゾーイは少々鬱陶しがる。両親がレズビアンであるクーパーは理解者ぶるが相手にされず、ゲイのソーもまたやんわりとかわされる。ジョンはマーカスとの関係は26年続いたといい、オハラに対し、マーカスが生きている間は患者と呼ぶなという。マーカスは延命装置に頼って心臓だけ動いているが助かる見込みはなかった。マーカス本人は延命治療拒否の意思表示をしていたが、ジョンは装置を止める決心がなかなかつかない。ジャッキーが尊厳死について説明し、やっとジョンが決心したところに女医ヘイズが、間の悪いタイミングで“まだ?”というように顔を出し、ジョンはさらに意地を張るようになってしまう。
クーパーは学生時代の女友達、ジョージアをエディに紹介。最初、エディはあまり乗り気でなかったが、ジャッキーへの当てつけにできると察知してか、その夜、ケヴィンのバーにジョージアを連れて行き、ジャッキーとオハラの前でわざと彼女といちゃついてみせる。気分が悪くなったジャッキーは思わずオハラと店から去る。一方、その日グレースはケヴィンに連れられ、ジャッキーがアカライタスに紹介された精神科医ボーウェン先生の診察を受けていたが……。

【今回の診断書】
前回の最後、夫婦ゲンカになったジャッキーとケヴィンですが、今回は険悪な仲にならなかったと判明し、まずは何より。だからか、ジャッキーがクスリに逃避する場面もありませんでした。もっとも、フィオナのギプス(第6話)、唇の傷(と縫った場所。第7話)がアダとなり、ジャッキーはケヴィン経由で学校に呼び出される事態に発展。ですが、オハラの活躍で難を逃れました。とはいえジャッキー、女性患者リリーに“目が覚めた時、そばにいる”と約束したばかりに、リリーから責められる皮肉な結果に……。リリーの気持ちも分からなくはありませんが、そこでジャッキーが責められるのもどうかと思いつつ、ここは患者と病院関係者の微妙な関係を描き、あらためて凄い世界だと思いました。
全体的に大事件はなく(繰り返しになりますが、ジャッキーがクスリに逃避しなかったのがやはり象徴的)、安心して見られたとはいえ、またエスカレートしだしたエディの不気味な行動(ここ何話かを見ているとジャッキーにも少し責任はあると思いつつ、ちょっと気持ち悪くなってきたような……)、オハラとサラの関係など、新たな問題(?)につないだあたり、やはり「ナース・ジャッキー」はスリリングで面白いと思いました。
【日本語吹替収録の現場】
実は2月某日、筆者はこのエピソードの日本語吹替の収録現場を、スタジオで短い間ですが見学させていただきました。舞台にもたくさん出演なさっているジャッキー役の塩田朋子さん(コーエン兄弟の各映画でイーディ・ファルコと雰囲気が似たフランシス・マクドーマンドの声を何度もアテているのは納得)など、芸達者な俳優さんたちの競演に耳を慎重に傾けながら、演出の木村絵里子さん(アニメ「崖の上のポニョ」「借りぐらしのアリエッティ」などの録音演出も担当)は細部にまでこだわりまくる演出。翻訳の岸田恵子さんも立ち会い、台詞を最後まで確認なさっていました。そして今回のゲスト・キャラ、ジョン役の飯塚昭三さんは1970年代以降の名作アニメに多数出演し、TV「特攻野郎Aチーム」でコングを演じた大ベテラン。木村さんが求める微調整にすぐ対応なさるスキルはさすがでした。基本的に和気あいあいですが、本番の声がかかるとピシッと役になりきる俳優の皆さんの名演に、「ナース・ジャッキー」日本語吹替の醍醐味をたっぷり堪能いたしました。
【今回も監督を担当したポール・フェイグ】
今回は俳優として、フィオナの学校のメガネをかけた先生に扮していました。
【ジョージア役のジェニファー・フェリン】
全米放送中のTVドラマ“The Cape”にダナ役で出演中。昼メロ“As the World Turns(原題)”(日本未放送)に出演していることからも分かる通り、実はべっぴんさん!

2011.5. 1|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

4月23日(土)S2#7「口は災いの元」“Silly String”

7

ジャッキーの家でオハラとサラを招いてパーティが開かれた直後。オハラはすっかり上機嫌。やがてフィオナが遊んでいる最中、口を切ってしまう。ケヴィンは病院に連れて行こうと主張するが、ジャッキーとオハラはキッチンで3針縫う処置をする。
ジャッキーとオハラは病院に出勤。病院の前でオハラはサラとキスして別れる。ゾーイが自分は妊娠していなかったので心を入れ替えるという一方、救命士レニーは彼女が自分に好意を抱いているとまだ思い込んでいる。そこへ病院のスポンサーであるサスマン財団のリビー・サスマンが運ばれてくる。アカライタスはせっせとリビーの機嫌を取り、寄付の増額を求め、100万ドルを都合してもいいという口約束を取り付ける。その時、自分はスター医師だと思い込んだクーパーが登場。リビーに小馬鹿にされたクーパーはトゥレット障害の発作を起こし、ついリビーの胸をつかんでしまう。激怒したリビーは“一切寄付をしない”と宣言。だが直後、リビーは卒中を起こして急逝。アカライタスは“100万ドル都合する”というリビーの遺言を尊重するようジャッキーらに命じる。
ゾーイはサラから声をかけられて喜ぶが、サラはアリゾナで毒グモに噛まれた傷を診てくれと依頼。彼女はオハラに内緒で2週間前に帰国してから他の人と過ごし、傷はその時のものだった。オフレコでという条件を呑み、ゾーイはサラの傷を調べることに。ゾーイはスパイ気取りで任務遂行にあたるが、ジャッキーにバレる。引き継いだジャッキーはサラに壊疽(えそ)になりそうだと告げるが、サラから2週間前に帰国したことをオハラに黙っていてくれと頼まれ、ジャッキーは黙々とサラを治療しようとする。その一方、オハラはオハラで、サラに別の恋人がいることに勘付きだす。
ジャッキーが電話をかけるとエディは、彼女が今まで家族がいることを隠していたと責める。そんな彼は自宅にいるというが、実はオールセインツ病院の前にいた。
ジャッキーが帰宅すると、ケヴィンがまだ寝ないで待っていた。ケヴィンは、キッチンでフィオナを治療したこと、最近のジャッキーが家庭を疎かにしていることを抗議。それを受けたジャッキーは、つい“只のバーテンである貴方に私のつらさは分からない”と逆ギレ。何も言い返せないケヴィン。直後、ジャッキーは音を出さないよう、ひっそりと家から出ていく。そして深夜営業のダイナーで朝まで過ごすことに……。

【今回の診断書】
今回はジャッキーに大きな事件が起きず、病院はともかく家に関しては平和に終わるかと思いきや、番組開始以来なかった、まさかの夫婦ゲンカで幕を下ろした今回の「ナース・ジャッキー」。全12話の第2シーズン、その折り返し地点で最大の波乱が起きたといっていいかもしれません。ラスト、ダイナーでコーヒーとチョコレートパイを頼んだジャッキー。ケヴィンに言ったキツい一言を反省しているのでしょうが、可哀想でした。
もっともそこに至るまでは、思わず笑ってしまう場面もたくさん。僕は顔がいいと自分で主張するクーパーが笑いを誘った直後、トゥレット障害でリビーの胸をつかんだくだりの気まずさ。前回、クーパーの等身大パネルに書かれた落書きがエピソードをまたいだ伏線になっています。またその直後、アカライタスの動揺っぷりも爆笑を誘われました。
もっとも、リビーの遺言に関するアカライタスの大胆な決断、オハラとサラの今後、そしてジャッキー、ケヴィン、エディ(まだストーカーを続けている!?)の関係など、新たな問題も。第2シーズン後半も快調に突っ走りそうな予感大です。
【リビー・サスマン役のバーバラ・バリー】
1979年の「ヤング・ゼネレーション」でアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされたベテラン女優。それにしても80歳近くで胸をつかまれる役とは、本人も驚いたのでは!?
【今回から第12話まで監督するポール・フェイグ】
以前も紹介した監督ですが、雑誌「映画秘宝」5月号19頁の長谷川町蔵氏による記事を参考に、もう少し掘り下げてご紹介。フェイグが名を上げたのはスピルバーグらの会社、ドリームワークスが製作しながら1シーズンで打ち切られたが、後にカルトなドラマとなった「フリークス学園」の企画&メイン監督として。このドラマは監督した「40歳の童貞男」など、後に米国のコメディ映画シーンをリードする名プロデューサー、ジャド・アパトーが製作総指揮し、今年のアカデミー賞を司会したジェームズ・フランコ、最近では大作「グリーン・ホーネット」に主演したセス・ローゲンらが競演した早過ぎた傑作。フェイグ監督は「ブル~ス一家は大暴走!」、米国版「The Office」(日本未放送)、そしてこの「ナース・ジャッキー」などTV中心の活動でしたが、5月13日に全米公開されるアパトー製作のコメディ映画「Bridesmaids(原題)」を監督し、映画界に本格進出。がんばってほしい!

2011.4.24|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

4月16日(土)S2#6「キューピッドの悪戯(いたずら)」“Bleeding”

6

ベッドで仰向けになり、シェイ・スタジアムのスノーボールを眺めるジャッキー。そこはエディの家。ジャッキーは彼とよりを戻したが、ケヴィンと仲良くしないでくれと彼に頼むと家路へ。家ではグレイスの友だち、ケイトリンがお泊まりに来ていたが、グレイスの妹フィオナに意地悪を連発。ジャッキーはケイトリンに、“だまれって言ってんのよ”と脅す。ジャッキーは隠していたクスリを探すが見つからない。ジャッキーはケヴィンにケイトリンが底意地が悪いとクレームをつけるが、いまケイトリンの家庭は大変だから大目に見ようと流す。
病院では、ゾーイが“みんな危機意識が足りない”とイライラ気味。一方、病院のキャンペーンで街中にポスターが貼られたクーパーは、思い上がりに拍車がかかる。そこへ、バイク事故で脾臓が破裂した瀕死の女性ジェニファーが運ばれてくる。彼女の夫によれば、ジェニファーはアフガニスタンからの帰還兵で、不眠や気分の落ち込みに悩んでいた。そこで妻を励まそうとバイクをプレゼントしたが、それがアダになったと嘆く。事故だったのよと彼をなぐさめるジャッキー。ジャッキーは製薬会社のセールスマンを追い払おうとするが、痛み止めのクスリを持っていると聞くと態度を一変。大量のサンプルを預かってトイレに行くと、すぐに服用する。
アカライタスからクーパーのイメージを悪くするなと釘を刺されたジャッキーだが、オハラと共にクーパーの等身大(よりやや小さい)パネルにケチをつけ、クーパーは立腹。さらに直後、何者かがパネルに“オッパイもみます”と落書きをする。
自分が妊娠したと思い込んでいたゾーイだが、ある患者が亡くなって皆が沈んでいる時、生理が到来。思わず歓声を上げてしまい、ひんしゅくを買う。
急にサラ(前話で初登場)が病院に来て、オハラは涙を流すほど大喜び。ジャッキーは2人に誘われてランチへ。昔話に花が咲くサラとオハラだが、ジャッキーはいてもいなくてもどっちでもよさそう。
病院に、右胸をアーチェリーの矢で射られた男性が担ぎ込まれてくる。男性は肺の移植手術を受けたばかりなのに、街で立っていたらいきなり矢が飛んできたという。やがて加害者に雇われているという運転手が病院を訪れる。ジャッキーは、患者は3年も待って肺移植を受けたと抗議するが、運転手は謝罪するどころか矢を回収しに来たという。加害者は社会的大物で、逮捕もされない。頭に来たジャッキーは、運転手が乗ってきた、世界に15台しかないという高級車に矢の先で思い切り傷をつける。
仕事を終えたジャッキーは卓球場へ。ケヴィンが相手にしているのは何とエディ。怒ったジャッキーはエディに見せつけようと、わざとケヴィンとキスをする。帰宅したジャッキーは、誕生日のお祝いでフィオナにギプスを付けてあげる。今日唯一安らいだ時間かもしれない……。

【今回の診断書】
ついにジャッキーがエディとの不倫を再開し、前回に続いてショッキングなエピソードに。とはいえ、エディはジャッキーの願いを無視し、ケヴィンと会い続ける。ファンとしてはジャッキーを応援したいところですが、こうすればエディがケヴィンや家に近づかないと考えたのだとしたら、それは甘い判断だったのかもしれません。もしも今後、ケヴィンがエディの正体を知ったら、大変なことになってしまうかも。またケイトリンの意地悪っぷりがエスカレート。これまたジャッキーにとって頭痛のタネでしょう。もっともジャッキーは、クスリを入手するのに製薬会社のセールスマンという手口を発見(?)。
また、サラと再会したオハラが泣いてまで喜んだのにもびっくり。お母さんを亡くして以来、落ち込んでいたことによる反動もありそうですが、オハラにとってサラがどれほど重要なのか、過去にサラとの間に何があったかも気になるところです。
一方、キャンペーンで持ち上げられたクーパーですが、ジャッキーやオハラにからかわれまくるあたり、このコメディは本当に面白いと思いました。また、妊娠が誤解だと分かった時のゾーイの大声には爆笑を誘われました。
ちなみに、スーザン・サランドンが実際にそんな卓球場(クラブ?)を経営しているかどうかは確認できませんでした……。
【ジョニ・ミッチェル】
ジャッキーが家でレコードを探そうとした歌手。カナダ生まれのフォーク歌手で、代表的なアルバムは「青春の光と影」。ちなみにWOWOWは5月23日3:50からの「洋楽ライブ伝説」で「ジョニ・ミッチェル Painting With Words And Music 1998」を放送。
【ベンツS65のAMG(アーマーゲー)】
メルセデス・ベンツの上級高性能モデル、AMGモデルの1つ。完全受注生産で、何とエンジンは6リッター。新車を日本で買うと3000万円以上(!)します。ただ、本当に世界で15台しかないかどうかは不明。
【前回と今回を監督したアダム・バーンスタイン】
元々は1980年代にPV監督として活躍。 The B-52'sの“Love Shack”などを監督した後、TVドラマや映画も監督するように。「OZ/オズ」「30 ROCK/サーティー・ロック」「scrubs~恋のお騒がせ病棟」など、日本でも人気の番組に多数参加。ちなみに奥さんは、TV「フレンズ」でロスの元妻キャロルのレズビアンの恋人、スーザンを演じた女優、ジェシカ・ヘクトです。

2011.4.17|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

4月9日(土)S2#5「昔の恋人」“Caregiver”

5

深夜に帰宅したジャッキー。ベッドで寝ているケヴィンのそばで彼の服を片づけると、ポケットから映画「アリス・イン・ワンダーランド」の入場券の半券が何枚か見つかる。彼に問いただすと、グレースやフィオナだけでなく、ジニーやその娘ケイトリンと5人で観に行ったという。キスの求めにこそ応じるが、怒ったジャッキーは1人でカウチで寝ることに。翌朝、カウチで目を覚ましたジャッキーのそばにはグレースとフィオナの姿が。2人は「アリス・イン・ワンダーランド」が面白かったとママに語る。
ジャッキーはオハラと食事へ。ジニーが銃で撃たれて病院に担ぎ込まれたら放置すると愚痴ったジャッキーは、近くのTVに映る女性リポーター、サラ・コーリに気づき、彼女が好きだと語る。オハラが彼女は知り合いだというと、さすがセレブと返すジャッキー。
病院では薬の紛失が相次ぐのを憂うアカライタスが、調剤室を警備員に監視させると宣言。もっともジャッキーは警備員を尻目に、ソーのIDを使ってクスリを取り出す。
建設現場で2階から転落した男性作業員アルベルトが運ばれてくる。彼のジーンズのポケットから拳銃が出てきて驚く一同。アルベルトは手錠でつながれるが、彼は不法入国者で、これまで自分の商売道具である工具を何度も盗まれても警察に届け出られなかったと語り、用心で拳銃を持っていただけだと説明。ジャッキーは彼の境遇に同情する。
アカライタスはアルベルトの銃の不法所持を問題視しつつ、自分のオフィスにクーパーを呼ぶ。彼女はいい保険に入っている患者やある財団の寄付を病院に呼び込むため、クーパーの容姿や若さを活かし、彼を“オールセインツの顔”にした宣伝キャンペーンを展開し、資金を集めてオールセインツをよくしたいと語る。すっかり上機嫌のクーパー。
オハラとHをしたサムだが、“元カノが戻って来たので関係を終わらせよう”と彼女に提案。オハラは“私も”と答える。オハラとサラは、過去に何か関係があったようだ。
救急救命士レニーは、引き続いてゾーイをナンパしたい様子だが、彼女は彼を冷たく突き放す。そんなゾーイは子供を産むことについてジャッキーに意見を求めるが、ジャッキーは子供がいてもいなくてもそう変わらないと返事。そんなゾーイはレニーに、自分が本当に妊娠していること、相手が自分の気に入った男性ではなくその兄弟だったことを打ち明ける。意外にもレニーはそんなゾーイをいたわる態度を見せ、ゾーイもそれが嬉しいような、でもそうでもないような、どっちつかずの微妙な態度。
認知症気味の老いた女性レナータが病院に運ばれてくるが、彼女が話すキャロラインという同居人が本当にいるかどうかは怪しい雰囲気。しかし、レナータの名前を見てミュージカル好きのソーは、彼女がミュージカル「メイム」でヘアスタイリストをしていたと気づき、感激したソーは彼女と話し込む。やがて介護人だという女性キャロラインがレナータを引き取りにやって来る。同じ頃、警官がアルベルトを逮捕しようと病院へ。ジャッキーはアルベルトの手錠を外して彼を逃がしてやると、キャロラインを保護責任遺棄だと言いつけて警官の気をそらし、時間稼ぎをする。
仕事が終わったジャッキーは、「アリス・イン・ワンダーランド」に独りだけ置いてけぼりにされた腹いせか、「アリス~」を上映中の映画館へ。そこにやって来たのは、何と彼女に呼び出されたエディだった……。

【今回の診断書】
何ともショッキングなラストで幕を下ろした今回の「ナース・ジャッキー」、いかがでしたか。でも、ジャッキーが日常でストレスをためているのがよく分かる、何とも切ないエピソードでもありました。ちなみに筆者も子供の頃、いとこがみんなで東映まんがまつりに行き、1人だけ置いてけぼりにされて号泣したのがトラウマになっていて(苦笑)、今回「アリス・イン・ワンダーランド」(WOWOWは5月14日他で放送します)に家族で1人だけ行けなかったジャッキーの気持ちが大変よく分かりました。
同時に驚いたのは、ゾーイの妊娠カムアウト。以前もぼそっとつぶやいていましたが、あれは本当だったんですね。彼女を妊娠させた相手と彼女が好きだというその兄弟が今後登場するのかどうか、彼女とレニーの関係共々、とても気になるところです。
そしてオハラとTVキャスターのサラが、本当に同性の恋人同士なのかも気になるところ。以上、いずれも“昔の恋人”がキーワードで、巧い邦題がついたと思います。
一方、それらと関係なくマイペースで笑いを誘ったのはクーパー。アカライタスが契約書を準備していたのはさすが法律社会アメリカと思いつつ、それを弁護士に見せたがるクーパーの“どや顔”がまた想像通りに下衆で(笑)、大失笑を誘われました。
それと、レナータがミュージカルの舞台で働いていたと知ってウキウキするソーもチャーミング。米国でゲイは一般的にミュージカルが大好きといわれ、映画「セックス・アンド・ザ・シティ2」(これもWOWOWは5月4日他で放送します)の導入部、ゲイ同士の結婚式がああいうミュージカル仕立てだったのもそういう背景があるからでしょう。
【メアリー・タイラー・ムーア】
米TV史に残る名作ながら日本未放送のTVドラマ“The Mary Tyler Moore Show(原題)”に主演した名コメディ女優。実際に糖尿病患者で、そちら方面のチャリティや政治活動も知られるセレブです。そして人気女優ハル・ベリー(より正確な発音だとハリー・ベリー)もまた糖尿病の持ち主なのは本当。とはいえ、そういう固有名詞が普通に日常会話に出てくる「ナース・ジャッキー」はやはり大胆と、あらためて感心させられます。
【サラ・コーリ役のジュリア・オーモンド】
オハラの元恋人らしきTVキャスター、サラ・コーリ。中東からワシントンDCに彼女が帰って来るとオハラが知っていたことや、オハラとサムとの会話から深い関係を伺わせます。演じるオーモンドは、1995年の映画「サブリナ」でオードリー・ヘプバーンの再来かと騒がれながらも人気は出ず、とはいえ「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」などの映画やTV「CSI:ニューヨーク5」ゲスト出演など、今もコンスタントに活躍中。
【レナータ役のマリオン・ロス】
後の大監督ロン・ハワードが俳優時代に出演したTVコメディ「ハッピー・デイズ」で全11シーズンを通じ(!)、マリオン・カニンガムを演じた、日本では無名でもあちらでは有名な女優。ハリウッド名物のウォーク・オブ・フェイムにも名前を刻んでいます。

2011.4.10|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

4月2日(土)S2#4「ゾーイの決断」“Apple Bong”

4

町を急ぎ足で歩くジャッキーが飛び込んだのは、エディが働くドラッグストア。ジャッキーは彼に、家に踏み込んできたことを抗議するが、エディは聞く耳を持たない。ジャッキーはおもむろに商品である缶の山を崩して店から立ち去ると、携帯でケヴィンに話しだし、今晩娘たちをケヴィンの妹に預けて久しぶりにデートしようと彼に伝える。
病院には呼吸が止まった幼い息子を抱え、激しく動揺した母親が駆け込んでくる。カーペットを洗っている時、急にぐったりしてしまったという。ドクターが誰も来ないので、ゾーイはソーを助手に、男の子にチェストチューブを挿管しようと試みるが、それはナースには許されていない行為。一度は脈が止まるが再び動き出し、男の子は快方に向かう。ゾーイはオハラに後を任せるが、ソーがオハラに、ゾーイからナースの資格を取り上げないでくれと頼むと、オハラはこの話は終わりにしようという。
救急救命士レニー(“今回の診断書”参照)はガサツな男。救命活動は楽しいだろとゾーイに同意を求めるが、ゾーイは相手にする気分ではない。勘づいたジャッキーはゾーイに男の子に挿管したのか、そのリスクは分かっていたのかと問うが、ゾーイはジャッキーを見習った、だからお説教はゴメンだと返す。
クーパーは化学療法の影響で吐き気が止まらない、独身のがん患者マーティンを診察。マーティンは吐き気を抑える薬がどれも効かない。同情したジャッキーはマーティンにマリファナを試すことを提案し、マーティンはすがるようにジャッキーの手に触れる。だがクーパーは違法薬物を患者に勧めるなと反対。互いに譲らないジャッキーとクーパー。アカライタスはジャッキーをオフィスに呼び、紹介した小児精神科医に行ったかと聞く。答えないジャッキーにアカライタスが自分を用心しなくていいと諭すと、ジャッキーはグレースに関する心配を告白し、小児精神科医にもう予約を入れたと返答。だがアカライタスもクーパーと同様、ジャッキーが患者にマリファナを勧めたことにダメ出しする。
サムから自分はセックス依存症かもしれないと言われたオハラは直後、礼拝堂で彼とHをしてしまう。ジャッキーはオハラの異変に気づき、彼女とランチへ。オハラがサムとHしたことを明かすと、ジャッキーは普段は潔癖ぶっているサムが大嫌いと激昂。話はエディのことに変わり、オハラはエディがジャッキーとの腐れ縁をケヴィンにばらさないかと心配するが、ジャッキーは大丈夫と強がってみせる。ジャッキーはマーティンをレニーの救急車に招き、レニーが持っていたマリファナをマーティンに吸わせる。
オハラは、花束をごほうびだといってゾーイに渡す。複雑な思いがこみ上げてくるゾーイ。ジャッキーとゾーイは、今朝の男の子が眠るベッドへ。男の子を見つめながら衝撃的な告白をしたゾーイの頭を、そっと撫でてやるジャッキー。一方、イライラするサムにソーは相談相手になると申し出る。サムがドクターと寝たと告白した途端、ソーはサムに絶交を宣告する。
バーにエディが現れ、今夜の野球の入場券があるとケヴィンを誘う。妻とのデートがあると悩むケヴィン。仕事が終わったジャッキーが家に電話すると、ケヴィンのそばにはエディが。ジャッキーが焦るのを尻目に、エディとケヴィンは楽しそうに球場へ。帰宅したジャッキーはキッチンでマリファナを混ぜた何かを作り、マーティンの家へ。ジャッキーに差し出されたクッキーを食べたマーティンはTVで流れている野球中継を楽しむ……。

【今回の診断書】
今回は特に衝撃の展開が色々とあった「ナース・ジャッキー」。まず、エディのストーカー問題がエスカレート。導入部、ジャッキーの抗議を受けたエディですが、ほとんど耳に入っていない様子。終盤、ケヴィンがエディと野球観戦に行き、そのTV中継をジャッキーが重体の患者マーティンの家で見るという構図は皮肉ながらも登場人物間の緊張をぐっと高めており、筆者は思わず“ウマい!”と唸りました。ジャッキーとの予定を変更したケヴィン(夫婦にとって問題では?)と、妻ジャッキーの今後も気になるところですが、面白いのは、そんな異変を察知したジャッキーの親友オハラが暴走し、サムとHをしてしまったこと。個人的に、オハラの衣装が大胆だったので何かありそうだと思いましたが本当にそうなってしまい、さらにビックリ。何はともあれ、第1シーズンでは我が道を突き進み続けたジャッキーですが、この第2シーズンではエディとサムという2人の強敵に悪戦苦闘しているのが伝わる、スリリングなエピソードだったと思います。
もっとも、ユーモアも快調で、サムが薬物依存症かと心配したソーが、糖尿病の自分もウェディングケーキ依存症だと明かして優しくなった直後サムに絶交を言い渡す、あのスピード感は本作ならでは。また、今まで地味だった救急救命士レニー(登場するのは実は第1シーズン第1話も含めて4回目)のキャラが立ち出し、ヤバい救急救命士に変貌した緩急自在ぶりも凄い。そしてツイッターのフォロワーが1000人を突破したと喜ぶクーパー、その間抜けさもどうかと。まるでセレブのようにパブリシストを雇って、それでフォロワー1000人突破では、投資にモトが釣り合っていないのでは。とはいえ、“欲ばりナースがペンを取った なう”とツイートするクーパーに、もう自慢話に付き合えないとばかりに、ゾーイが“ナースは自販機に行く なう”(字幕版では只の“もう行く なう”)と返した、あの感じは前々回のこのブログに書いた通り、誰かが何か言ったことに対して一部だけ変えて返すというこのドラマの台詞のリズム感が冴えていて感心した場面です。
ちなみに原題の“Apple Bong”は、救急車でジャッキーがマーティンに教えた、リンゴを使った煙草(ここではマリファナ)の吸い方の1つです。
【マリファナ】
マリファナを合法にすべきかどうかの議論は、広大な米国では州によって意見が分かれるところ。但し、本作のマーティンのような患者が使う分には認めるべきではないかという意見もあります。「ナース・ジャッキー」の舞台であるニューヨーク州では違法でも、カリフォルニア州など西海岸では医療目的に限ってマリファナの使用が認められている州もあります。もっとも、「SEX AND THE CITY」のあるエピソード、マリファナを吸ったキャリーたちが警官に注意されただけで済んだ場面も思い出され、やはりアカライタス(後述)は真面目なのかも。何にせよ最悪なのは、やはりクーパーかもしれませんが……。
【ウッドストック】
1969年にニューヨーク郊外で開かれた伝説のロックフェス。ドキュメンタリー映画も作られ、それを編集したのは後の巨匠マーティン・スコセッシ監督。名アーティストたちの名演を、会場のあちこちで若い聴衆がマリファナを吸いながら聞き入ったという説もあります。“私もウッドストックに行ったからウブじゃない”と主張するアカライタスに、まさかと返し、アカライタスの妙なプライドを疑うジャッキーが抜群に面白いです。
【今回と前回・第3話の監督アラン・テイラー】
「SEX AND THE CITY」「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」「ROME[ローマ] 」などWOWOWでもおなじみ、全米HBOチャンネルの秀作に参加してきた監督。「ザ・ソプラノズ~」でエミー賞のドラマ・シリーズ監督賞に輝き、同じくエミー賞のドラマ・シリーズ作品賞に3年連続で輝いた「MAD MEN マッドメン」の第1話を監督した、今後要注目の才能です。

2011.4. 3|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

3月26日(土)S2#3「ベスト・ドクター!?」“Candyland”

3

粉の山が崩れる。だがそれはクスリではなく、小麦粉の山。ジャッキーの家に彼女が苦手とする女の子ケイトリン(第1シーズン第10話)がいて、グレースやフィオナとカップケーキを焼こうとしていた。ジャッキーがケヴィンに尋ねると、グレースには友達がいるほうがいいと言われたが、今のところグレースの友達がケイトリンしかいないと嘆く。PCで家計簿を見ていたケヴィンはジャッキーに、オハラから寄付を貰うのは、あとあと問題になりそうだと語る。直後、地下室でジャッキーはストローを使ってクスリを吸っているところを、ケイトリンに見られてしまう。適当に言い繕ってみたジャッキーだが、ケイトリンは納得が行かない様子。そこへケイトリンの母親で、ケヴィンの元恋人ジニー(フリンさん)がポテト料理を持って現れるが、ジャッキーはそれを捨ててしまう。
エディは町のドラッグストアで働いていており、そこにクーパーがやって来て、雑誌でマンハッタンのベスト・ドクター25に選ばれた自分をおだててほしい様子。同時に自分がツイッターにハマっていて(フォロワー240人が多いかは微妙だが)、エディの自殺未遂が病院中で噂であること、だが彼がまだ元気だとツイートしたことを明かす。そしてクーパーは今、ジャッキーに敵意を抱いていると語るが、エディはそれを流す。
オールセインツでは、ジャッキーがオハラに、ジニーやケイトリンに関する愚痴をぶちまける。そこへ通りかかったクーパーは自分がベスト・ドクター25に選ばれた雑誌をオハラに渡し、オハラは彼がベスト・ドクターの1人に選ばれたことに憤慨する。病院へドッグショーの真っ最中、愛犬のグレートデンに顔を噛まれた飼い主キースが担ぎ込まれてくる。キースは「睾丸を見ろ」と懇願。彼が無くなったと思い込んでいた睾丸だが、クーパーはキースの骨盤腔にあるのを見つける。
クーパーがベスト・ドクター25に選ばれたことが医局で反響を呼ぶうちに、クーパーが宣伝のプロ“パブリシスト”を雇ったおかげという疑いが。その事実を認めつつ、クーパーは自分の実力だと主張。オハラは中指が脱臼した女性救急隊員を治療しながら、そのリストが嫌いだと明かす。
ジャッキーは、ゾーイのID番号を使ってピル・マティックスからクスリを入手しようとしたのをゾーイに見つかってしまうが、適当なことを言ってその場を誤魔化す。同じ頃、アカライタスは仕事中にツイッターを続けるクーパーについキレてしまう。それで“よその医療廃棄物処理の入札価格”“レモンタルトの脂肪量“は分かるのかと。
ケヴィンと携帯で電話するうち、彼が留守をジニーを頼もうかと言ったので怒りだすジャッキー。直後、彼女が家に帰ると、そこにはケヴィンの友人だというエディが。内心、恐怖心を強く感じるジャッキー……。

【今回の診断書】
第1シーズン第10話「誓いの指輪」で、ジャッキーとダンス教室でひと悶着あったフリン母娘が再登場し、エディのストーカー化がエスカレートするなど、ジャッキーの周囲にまたストレスの原因が増えた、今回のエピソード。何かの波乱の前兆を思わせますが、はたしてこれからどうなるのでしょうか。
さて今回も、ジャッキーらしい台詞が幾つか。ジニーのポテト料理を捨てた時、彼女が娘たちに“ウソにはいいウソと悪いウソがあるの……まだ難しいか”といったあたりや、愛犬に噛まれたキースの奥さんに、犬を飼っていない理由を“息子がアレルギーなので”と、さらりと嘘をつく(ジャッキーに息子はいません)など、聖女と悪女という彼女の二面性が表現されています。細かいところでは、ジャッキーが簡単なスペイン語を話せること(米国の病院には中南米からの移民も多いからでしょう)、ゾーイが1986年11月生まれであること、アカライタスが今の仕事を1978年も始めてから30年以上も続けていることなど、少しずつ新事実が明らかに。海外ドラマを続けて見てこそ得られる面白さも、ますます増えてきました。
【O・J・シンプソン】
元アメフト選手の俳優だが、元妻とその男友達が殺された事件で容疑をかけられ、警察のパトカーからえんえんと逃げ続け、その様子がTVで全米に生中継されたのは今も伝説的。ここでは、後の裁判で、証拠になった手袋がシンプソン被告の手には小さ過ぎたというのが元ネタ。ソーもゴシップ好きなのが分かります。
【宣伝マン(パブリシスト)】
企業や有名人などの顧客から依頼を受け、企業の商品や有名人の存在をPRする職業。広告代理店がやりそうな仕事ですが、米国にはこれを個人で引き受ける専門家がいます。有名な話ですが、映画スターがレッドカーペットでどのTV局や雑誌から取材を受けるのか、仕切るのも仕事のうち。WOWOWのアカデミー賞の中継などで、スターにつきっきりで携帯電話にずっと何か話していた、ああいう人たちは大抵がパブリシストです。
【“雑誌は格付けが大好き”】
終盤、アカライタスはオハラにこう語りますがが、確かに米国の雑誌はどこもランキングを特集するのが大好き。経済誌「Forbes」の世界長者番付など、米国の書店で雑誌の棚を見ると、どこかが何かしらランキングを特集していそうな勢い。もっとも、考えれば近年の日本の雑誌事情やTV番組も同じようなものですが……。

2011.3.27|エピソード|コメント(2)トラックバック(0)

3月19日(土)S2#2「ツイッター」“Twitter”

東北地方太平洋沖地震により被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。


2

自宅でアイロンがけをするジャッキー。エディから“電話をくれ”というメールが携帯に届いてイラついたジャッキーは、隠していたクスリを取り出し、一気に吸い込む。アイロンのコンセントが外れていたとジャッキーが話すと、ケヴィンはグレイスが夜中に外したという。“電気コードが原因の火事は多い”といい、貯めたお小遣いで最新の火災警報器を買いたいというグレイス。ジャッキーとケヴィンは、やんわりと提案を拒む。
出勤前、病院前のホットドッグ・スタンドでジャッキーはオハラを出くわす。“昨晩のパーティーのクスリがまだ残っているかも”というオハラは妙にテンションが高い。そこへ到着したタクシーから、明らかに朝帰りと分かるゾーイが。オハラが昨晩彼女は楽しんだみたいというと、ジャッキーは裸のサンタを想像したくない、とげんなり。
出勤したジャッキーは、幼い息子ハリーが嚢胞性線維症ではないかと動揺する若いカップルを診て、坊やの汗を検査に回すと告げる。やがてクーパーがハリーを診察するが、仕事は上の空で、自分が今診た患者についてツイッターにツイート。ブログとツイッターの区別もつかないジャッキーだが、非常識だと彼をなじる。
まだハイなままのオハラは、病院の廊下でぶつかったゾーイになぜか自分のスカーフをプレゼント。ゾーイはそれが“ヘルメス”だと喜ぶ(もちろん本当はエルメス)。ゾーイは顔なじみの統合失調症患者“神”(第1シーズン第7話「ステーキ・ナイフ」)を見かけるが、“神”に罵声を浴びせられた通行人が投げたビンが直撃し、“神”はオールセインツに担ぎ込まれる。ベッドに横たわる“神”にゾーイは、丸顔なので以前は天使といわれたこと、修道女に憧れたことを夢見がちに語る。“神”は“自分は頭を打った時、トンネルを見た。光にみちたトンネルの向こうで神を見た”と言い出す。だがゾーイに“あなたが神なんじゃないの?”と的確にツッコまれて、たちまちアイデンティティ・クライシスに。“俺は神じゃない!”と絶叫しだした“神”に、あわてふためいたゾーイも悲鳴を上げて大騒ぎに。
ジャッキーが落としたクスリを、サムがたまたま拾う。ジャッキーは、持ち主不明のクスリはここにと専用の箱を案内するが、サムが去るとジャッキーはすぐさま箱からクスリを回収する。
ジャッキーはアカライタスに、クーパーがツイッターにはまっている一件を抗議しに行くというが、ついでにと、保険が利く精神科医が必要なナースがいると伝える。アカライタスは意外にも、自分の子供が世話になったという小児精神科医の連絡先をジャッキーに教える。
生後3か月の子供がいる検査係を説得し、ハリーの検査結果が良好だと聞き出したジャッキーだが、最終的な検査結果は実はそうじゃなかった。クーパーはハリーの両親にどう説明するんだとジャッキーを責める。今回は彼女の判断ミスだった。院内の教会に行ったジャッキーは、隠れてドーナツを食べているソーを見つける。糖尿病のソーが、既に1つの目が見えなくなっているのを見抜いたジャッキーだったが、ソーが義眼を取り出し、それを元通りに納めるのを見て、ソーが毎日がんばっていると再確認。帰宅したジャッキーの手に、グレイスが欲しがった火災警報器。複雑な思いでそれを見つめる……。
一方、ジャッキーが病院にいた間、ケヴィンの店をエディがまたも訪ねていた。エディはケヴィンにいきなり、“女のために自殺未遂をしようとした”と語るが、すぐに冗談だといって前言撤回。そのまま2人で酒を飲み続け、ますます意気投合していく。

【今回の診断書】
日本でも流行しているツイッターが題材に。筆者もやっていますが、この度の地震では被災者の安否確認に使われるなどさらに注目度アップ。同時にまた、そんなことツイートされても……という利用者が多いのも確か。クーパーも仕事に集中せず、しかも患者のプライバシーを無視するという、利用者の悪い見本です。もっとも今回はジャッキーも大きなミスを。ツイッターの件でクーパーをなじったばかりなので、ますます気まずい。帰宅後、火災警報器を見つめるジャッキーは自分もSOSを出したいと思ったかも。
一方、笑える場面もありました。“神”が自分は神じゃないと気づくくだり、ゾーイと全然噛み合わないのに、結局2人とも大騒ぎになるのは思わず爆笑。会話で面白かったのは、「嚢胞性線維症(ちなみにCystic Fibrosis)を(インターネットっぽく)略するには?」と聞かれたジャッキーがキレて、「クソ喰らえ(Eat Shit)を略するには?」と返した場面(字幕版による)。このドラマ、吹替もよく出来ていますが、原語を聞くと誰かが何か言ったことに対し、一部だけを変えて返すというやり取りがよくあります。まるで韻を踏んでいるようで、ある意味、会話が音楽のように聞こえるのも秀逸です。
【雑誌「イン・タッチ(In Touch)」】
日本の“女性ナントカ”(複数候補あり)ほど女性向けに偏っていないとはいえ、セレブのゴシップ記事が中心の庶民的な週刊誌。2002年に米国で創刊され、世界的な出版不況の中で健闘中。何にせよ、エリートのオハラが好きだというのはかなり意外。
【ゴールディとケイト】
共にハリウッド・スターであるゴールディ・ホーンとケイト・ハドソンのこと。ある意味、映画界でのそれと比べると、ゴシップ方面で高い地位を維持するお騒がせ母娘。
【「サウンド・オブ・ミュージック」】
ゾーイが“神”に対し、修道女の例に挙げたのは、ジュリー・アンドリュースがヒロインを演じたミュージカル映画の名作。やっぱりゾーイって想像力が豊かすぎる!?

2011.3.20|エピソード|コメント(1)トラックバック(0)

3月12日(土)S2#1「幸せの味」“Comfort Food”

1

ビーチで目を覚ますジャッキー。クスリの夢を見ていたらしい彼女のそばに立つ、夫ケヴィン。気持ちよく目を覚ました妻ジャッキーに寄り添い彼女とキスすると、ケヴィンは妻が自分へのメッセージを直筆で書いたカードに感激したと彼女に告げる。彼らのそばには2人の娘。長女グレースが浜辺で汚れた手を気にしすぎる一方、次女フィオナは死んだアライグマの頭を見つけて大喜び。携帯電話で撮った画像を誰かに送りたいとはしゃぐ。こうして家族と過ごしながらも、ジャッキーはエディの幻覚を見てしまう……。
いつものように結婚指輪を外しながら出勤したジャッキーだが、いきなり銃声が。弾丸はジャッキーの背後の聖母像の肩をかすめ、銃撃犯はその場で取り押さえられる。
ゾーイはアカライタスのオフィスに呼び出される。第1シーズンで起きた各不始末に関する事情聴取と、新たに導入された薬剤の管理マシン《ピル・マティックス》に関する意見を聞くためだ。直後、ジャッキーはアカライタスに求められ、《ピル・マティックス》の正しい使い方を他のナースたちにレクチャーする講師役を務める。だが、ジャッキーは《ピル・マティックス》から自分のためのクスリをくすねるのにまんまと成功。
相変わらずジャッキーのことが好きなクーパーは、ミュージカル「ヘアー」のチケットを2枚手に入れたとジャッキーを誘うが、ジャッキーは“行かない”とつれない返事。前シーズンで母親を亡くしたオハラは、母親の莫大な遺産を相続したので、ジャッキーの娘2人に進学資金を提供したいと言い出す。ジャッキーは“ケヴィンに相談する”と答え、その場を流す。
オールセインツ病院に、男性ナースのサム(第1シーズン第8話「ほころび始めた秘密」に登場)が戻って来る。ジャッキーは自分の薬物依存症を見抜いたサムに戦々恐々。アカライタスは、リハビリのプログラムを経て、更生したサムは3か国語を話せ、何より給料が安いという。そんな時、マグナムの銃が暴発し、指が3本吹き飛んだ23歳の女性が担ぎ込まれてくる。女性が言葉を話せず手話を使うと気づいたジャッキーだが、クーパーは指摘されるまで無頓着。指がちぎれた女性の夫は、保険会社が治療費を負担してくれないと落ち込む。そこでジャッキーは彼に代わって、保険会社に治療費を払うよう、言葉巧みに交渉する。
ジャッキーに叱られてイラついたクーパーはソーに八つ当たりするが、クーパーはソーが糖尿病なのも気づかない。院内の教会でジャッキーに、ケーキが好きだと語るソー。“体に悪い物って気分を最高にする”という彼に思わずジャッキー、“気持ちは分かる”と同意。そんなジャッキーの携帯にエディから“3か月も電話に出ないなんて”というメールが。
そんなオールセインツ病院に、オーバードース(薬物過剰摂取)の急患が担ぎ込まれてくる。それは何とエディだ。エディはジャッキーに“薬剤師だから死なない程度のクスリの量は分かっている”といい、もうこれ以上相手にしたくないジャッキーは、まっすぐ家路へ。保険会社から病院に“形成手術の件、承認”というFax.が届いたことに気づかないまま……。帰宅したジャッキーが、今日の夕飯はケーキだと告げると娘2人は大喜び。洗面所に飛び込んだジャッキーだが、クスリをキメるかどうか、なぜかためらう。

【今回の診断書】
「ナース・ジャッキー」がいよいよ第2シーズンへ。前シーズンのラスト、ジャッキーは絶体絶命の立場に追い込まれましたが、今回のエピソードから想像されるに《ピル・マティックス》は欠陥品のようで、ジャッキーは責任から逃れられたようです。デモンストレーションの際、クスリを1つ余計に取り出してくすねるジャッキーは不謹慎ながら、その手際のよさに笑いを誘われます。もっとも、ERの他の人たちもクスリを取り出せる可能性がある訳で、引き続いてこの珍メカからは目が離せません。
エディのストーカー化がエスカレートしたのが恐ろしかった今回ですが、ジャッキーの痛快な活躍も見られました。そう、負傷者が月425ドルも保険金を払っているのに指の接合手術を受けさせない保険会社にジャッキーは電話。抗議するのではなく、自分が相手と同じくシカゴ出身だと偽り、シカゴの情報をググりながら(!)、徹底的に口説くジャッキーが凄い。米国の健康保険に関する問題は、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「シッコ」でも描かれていましたね。ちなみに、米国の小都市に大きなビルがあると、それは保険会社であることが多いそうです。儲けていますねー。
さて、原題の“Comfort Food”は、ある辞書によれば“シンプルに準備され、幸福感を与える食物”。これはソーにとってはケーキで、ジャッキーにとってはクスリのことでしょう。但し今回のラストだと、ジャッキーは幸福感を得られないのが皮肉です。
快調に発進した第2シーズンですが、引き続いてブログ共々よろしくお願いします。
【冒頭にかかるBGM“小さな願い(I Say a Little Prayer)”】
ディオンヌ・ワーウィックが歌った名曲。ジュリア・ロバーツ主演の映画「ベスト・フレンズ・ウェディング」でも使われたのが記憶に残ります。アレサ・フランクリン、ダイアナ・キングらにカバーされ、日本でもTVドラマ「大奥」の2003年版でkazamiによるカバーが主題歌になったとか。“目を覚ましてメイクする前も/髪を束ねながら何を着ようか考える間も/私は貴方のために祈るの”というロマンチックな歌詞ですが、直後にジャッキーがエディを見かけて陥る恐怖の一瞬とのギャップを強調しているのが絶妙です。
【ミュージカル『ヘアー』】
クーパーがジャッキーを誘おうとチケットを2枚入手したミュージカル舞台。元々は1967年にオフ=ブロードウェイで初演されましたが(1979年に映画化されたことも)、2009年にブロードウェイでリバイバル公演が始まり、トニー賞など受賞。ソー(ゲイなのでミュージカルが好き?)が見たがっているとクーパーに教えたゾーイが、クーパーが要らなくなったチケットを棚ボタで手に入れてガッツポーズ、というのに笑いました。

2011.3.13|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

12月25日(土)S1#12「嵐の訪れ」“Health Care and Cinema”

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ケヴィンの店。ジャッキーがタップダンス教室での出来事を愚痴ると、ケヴィンはフリンさんと付き合ったのは16歳の時、2週間だけだと明かす。グレースが不機嫌なことも心配するジャッキーだが、ケヴィンは今夜帰ったらサプライズがあるよと彼女を励ます。ジャッキーは店から病院に向かうが、外にいたエディが入れ代わるように店内へ。ビールを注文したエディは、ケヴィンがジャッキーの夫だと確信し、色々探りを入れる。
病院では、昏睡状態のナターマンのそばにアカライタスが昏睡状態のナターマンに「病院を免責する書類にサインを」と話しかけるが、ナターマンは無反応。アカライタスは通りかかったジャッキーに後でナターマンの件で事情聴取すると告げるが、直後に乗ったエレベーターが急に故障し、閉じ込められてしまう。事情聴取されたくないジャッキーは「神に感謝」と呟く。
目を覚まさないナターマンにおわびをするゾーイ。今日のナース服は反省の意味をこめてグレーの色。しかし周囲はいつもの色に着換えろと忠告する。クーパーはジャッキーに「話がある」というが、ジャッキーは「私にはない」とつれない態度。それでも話を聞いてやると、クーパーは「ドナーの件で追い詰められた君は、僕の同情を引こうとわざとケガをした。そこで2人の間に感情の高まりが生まれ、思わずキスした」とやはり誤解していたが、ジャッキーは彼を翻弄するかのように再び彼にキスする。
ケヴィンの店でエディは“恋人には夫と子供2人がいる”とケヴィンに語るが、ケヴィンはまさかジャッキーの話とは思わない。カウンターの中にジャッキーとケヴィンが写った写真を見つけるエディ。しばらくしてエディはケヴィンにウィスキーをおごるが、ケヴィンは妻にプレゼントするんだと前話で買った2カラットの指輪をエディに見せる。
オハラは法を破ってでも母親をロンドンから呼び寄せて自分で診察するため、母親を身元不明の患者にするよう書類にサインしてくれとジャッキーに頼み、ジャッキーは承諾。エレベーターに閉じ込められて、なす術がないアカライタスがおかしな素振りを始める。まるで自分がセレブになったかのように自作自演の芝居をしたり、スカートのほつれた糸を引っぱり続ける。院内薬局でジャッキーは、ピル・マティックスに裏ワザが効かなくなったので激しく動揺。携帯からエディに電話するが、ケヴィンの店でエディはそれを無視し続ける。
病院に50歳のアフリカ系男性、ジャクソンが担ぎ込まれてくる。ピザを食べたらヘルニア修復術の傷が開き、そこから腸が飛び出したのだ。彼の前でクーパーとモーモーは恋の悩みの相談をするが、腸が飛び出したままのジャクソン、“相手を嫉妬させて関心を引け”とアドバイス。直後にクーパーとモーモーは2人でキスし合っているところを携帯で撮影するが、その様子を見たジャッキーは大して気にかけず、逆に赤っ恥のクーパー。
ナターマンが意識を取り戻し、ホッとしたゾーイは元通りにウサギの顔がプリントされたピンクの服に着替える。だがナターマンの映画に関する知識はおかしくなっており、「ショーガール」が去年のアカデミー賞作品賞だというのを聞いてゾーイは、彼が“壊れちゃった”と感じる。
そこへ泥酔したエディが病院に乱入してくる。なだめようとするジャッキーだが、ケヴィンから“ダンナに会った”と告げられると顔色が変わる。一方、空港から運ばれた身元不明者を見て泣くオハラ。それは母親だったのか…。その頃、追い詰められたジャッキーはついに一線を越え、ピル・マティックスに自分の番号を入力して大量のモルヒネを取り出す。誰もいない部屋に忍び込み、モルヒネをどんどん口に流し込んだジャッキーは意識がぼやけだし、仰向けになって床に倒れる。「雨を見たかい」を口ずさむジャッキーの視界で、部屋は真っ白になり、彼女自身も白いナース服に。郊外の一軒家の前にいるケヴィンと娘2人の幻覚を見たジャッキーだが、部屋の蛍光灯の上を横切るネズミを見かけて一言、「これ現実?」。

【今回の診断書】
「ナース・ジャッキー」第1シーズンの最終回、いかがでしたか。特に、追い詰められたジャッキーが暴走する、すさまじいクライマックスは最終回にふさわしいもので、演じるイーディ・ファルコの演技力にも感心しましたが、まずはジャッキーが亡くなる訳でないと分かったのはひと安心。そして放送の最後にも出た通り、来年3月からWOWOWは第2シーズン「ナース・ジャッキー2」を放送。大いに期待がかかります。
このブログでは私の文章に間違いが多く(残りも近日修正します)、ファンにご迷惑をおかけしたと存じますが、あえて言い訳するとこのドラマ、毎回30分前後なのに1時間ドラマ位の情報量があって展開が速く、原稿にするのが大変でした。「あの場面のあれはどんな意味?」とWOWOWのご担当に聞くことが、こんなに多かった番組は他にありません。個人的にも、2010年に日本で見られるようになった新作の海外ドラマでも、ベスト3に入る秀作だと思います(継続中のドラマを除いてですが)。第2シーズンもぜひ期待してください。それではみなさん、よいお年を。さようなら。
【ラストでジャッキーが口ずさむ歌】
ロックバンドのクリーデンス・クリアウォーター・リバイバルが1971年に発表した名曲「雨を見たかい(Have You Ever Seen the Rain?)」。この曲自体、ベトナム戦争で空から落ちてきた爆弾を雨にたとえ、あれはそんなに昔のことじゃなかっただろうと歌った反戦ソングですが、ここでジャッキーが口ずさんだ理由は、自分が無垢だった頃へのノスタルジーが強いかと思いますがどうでしょう。エンド・クレジットが始まった後は、ジャッキーから本家のクリーデンス・クリアウォーター・リバイバル版に変わりますが、この曲、番組のエンディング(俳優や声優の名前を紹介する部分)に第1話から使われていたのはすぐに分かりましたよね。まさかこのシーズン最終回に向けての伏線だったとは……。驚きました。ちなみにこの曲は「コールドケース」第1話の最後にも流れていました。

2010.12.26|エピソード|コメント(2)トラックバック(0)

12月18日(土)S1#11「ピル・マシーン」“Pill-O-Matix”

11

ケヴィンの店。結婚指輪問題を収拾すべく、前回、左手の薬指をハンマーで叩いたジャッキーはグレースに手当てをしてもらっている。フィオナは、これからパパとお使いに行くのがどこかお店だとバラしそうになり、ケヴィンにたしなめられる。ジャッキーはグレースを連れ、タップダンス教室へ。今日もフリンさんやその娘のケイトリンと一緒。グレースとぶつかりそうだから気をつけてとジャッキーが注意してもケイトリンは言うことを聞かない。怒ったジャッキーはグレースを連れて帰ることに。一方、ケヴィンとフィオナは宝石店に。ケヴィンは懐と相談し、1カラットより小さいダイヤの指輪を買おうとするが、フィオナは2カラットのダイヤが気に入り、結局ケヴィンはそれを買う。
病院では、値段はピクサスの半分だが同じ機能だというピル・マティックスが導入されることになり、エディの解雇が決定的に。ジャッキーはエディから鎮痛剤をプレゼントされる。クーパーの様子がヘンだ。前回のキスでジャッキーに惚れてしまったらしく、ゾーイにジャッキーが好きな物は何か、恋人はいるのかと探りを入れる。クーパーはメリッサと別れるとジャッキーに花とガムを差し入れるが、ジャッキーは2度とするなと突き返す。そこへ道で転んで負傷した、TVで有名な映画評論家ナターマンが担ぎ込まれてくる。ジャッキーやゾーイと映画や俳優について語るが、どうも好みが合わない。モーモーは耳の中でがさがさと音がし、何かがいるという青年を診察。モーモーはゴキブリだったらどうしようと恐れるが、覗いてみると中にはクモが。モーモーはクモが大の苦手だった。耳の穴に水を流し入れてクモを取ってやるが、逆の耳にも何かいると言い出す青年。「あなたは森の中に住んでいるの?」と悲鳴を上げるモーモー。
オハラが服を買いに行くのに付き合うジャッキー。オハラの母親はロンドンの病院に入院中で、妹がパリから会いに行ったが、継父のせいで会えなかったという。継父はオハラの元恋人で、何と母親が強奪したのだ。ショッピングが憂さ晴らしだというオハラはいきなりシャツを脱いで下着姿になり、気に入った服を試着しだす。病院で大事件が。ゾーイは間違えてナターマンに5倍の量の薬を投薬してしまい、昏睡状態にしてしまう。アカライタスにお目玉を食ったゾーイをモーモーとソーは慰めるが、突然ゾーイはソーがゲイであると気づき、落ち込んだのがまるで無かったかのよう。エディはジャッキーをピル・マティックスのところに呼ぶ。自由に薬を取り出せる裏ワザを見つけたという。大喜びのジャッキーはエディに飛びついてキスの嵐。ケヴィンの店に帰って来たジャッキーは、グレースの機嫌が悪いのを心配しつつ、ケヴィンと抱き合って家族とのひとときを過ごす。その様子を窓の外から見たエディは、肩を落としてそこから立ち去る……。

【今回の診断書】
前回で起きた諸々の問題を引きずりつつ、ジャッキーにとっては新たな事態が起きたというより、エディとの不倫やクスリ、タップダンス教室の問題が解決し、少し浮かばれたかと思いきや、衝撃的なラストシーン。もう次回の予告をご覧になった方も、次回どうなるのか、白いナース服を着たジャッキーって一体、と早くも楽しみになったでしょう。
それら以外は、作り手のお遊びを思わせるエピソードも。スタッフは映画評論家に恨みがあるのか、ナターマンを小悪党のように描いていますが、それにしても「バベットの晩餐会」(傑作!)に辛口批評をしたというのでは評論家として問題がありそう。彼のもとからさっと去ったアカライタスですが、内心ブチ切れていたに違いありません。また、前回はゾーイの「重症脂肪が病的脂肪より上!」が最大の爆笑ゼリフでしたが、今回はモーモーの「あなたは森の中に住んでいるの?」が殿堂入りかと(笑)。
さて、第1シーズンは次回が最終回。ぜひ最後までお楽しみください(放送直後にはビッグニュースも!?)。
【ラストに流れる曲】
全米CBSネットワークで1970年から7シーズンも続きながら日本未放送の名作コメディ・ドラマ、「The Mary Tyler Moore Show」のテーマ曲“Love Is All Around”。作詞作曲・歌はソニー・カーティス。「笑顔で世界に灯をともせる女性は誰だい?/無駄な一日を送ることもあれば、突然すべてに価値があると思わせることができるのは誰?/そう、それは君だよ、ガール。君はそれを知るべきだ/君が何かに視線を送る時も動く時も/愛がすべてさ。無駄にする必要はない/町は君のものにできるんだ/君にはできる、君にはできる」という歌詞(意訳)。番組に合っている!
【ケヴィン役のドミニク・フムザ】
1969年9月13日生まれ(生地不詳)。トニー賞に輝く「Take Me Out」などの舞台からTVのソープオペラ(昼のメロドラマ)「As the World Turns」(日本未放送)、TVのゲスト出演(「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」「CSI:マイアミ」「CSI:ニューヨーク」「BONES」など)と幅広く活躍。「SEX AND THE CITY」第3シーズン第16話「恋愛のエキスパート」ではキャリーの元カレのサイテー男ジムを演じていました。
【ナターマン役のヴィクター・ガーバー】
「タイタニック」「キューティ・ブロンド」「ミルク」など、映画に多数出演。何より海外ドラマ好きにはTV「エイリアス」のシドニーの父親ジャック役でおなじみ。

2010.12.19|エピソード|コメント(1)トラックバック(0)

12月11日(土)S1#10「誓いの指輪」“Ring Finger”

10

母と娘のダンス教室。ジャッキーはグレースと過ごす時間を増やすため、一緒にタップダンスを習い始める。慣れないジャッキーがぶつかった相手は同じ高校に通っていたフリンさん。彼女は学園のクィーンに選ばれた人だった。フリンさんの娘ケイトリンは5年生。その娘が4年生のグレースにそっと耳打ちする。教室を出た後、ジャッキーはグレースに耳打ちされた内容を尋ねると、フリンさんとケヴィンは元恋人同士だと言われたとの答。気にしない素振りのジャッキーだが……。
ダンス教室の後に出勤したジャッキー。まだ気まずい雰囲気のオハラから、ジャッキーの左手の薬指に外し忘れた結婚指輪を指摘されて焦る。石鹸を使い指輪を外そうと試みるが失敗。そこへ心停止した男性患者クリスが担ぎ込まれてくる。クーパーたちの処置も空しく、クリスは息を引き取る。彼の携帯電話を見ると、彼と待ち合わせた相手から繰り返し発信されたメッセージが。待ち合わせの相手はクリスの不幸を知る由もなく、すっぽかされて怒っている様子。 ジャッキーはその携帯から電話してオールセインツにいる自分に連絡をくれとメッセージを残す。
お手洗いに駆け込んでクスリを吸い込んだジャッキーは、再び指輪を抜こうとするが、やはり外れない。病院の廊下にはクーパーに花を持って来たメリッサが。そこへやって来たクーパーは前話(第9話「暴走する天使」)で、交通事故で脳死状態になった男性患者を自分は脳死判定していないとジャッキーを責めはじめる。脳死状態で臓器移植したことは殺人罪にあたり、訴えられたら君のせいだとジャッキーを脅すクーパー。
再びお手洗いへ駆け込むジャッキー。ハンマーで砕いたクスリを吸い込むと、ちょっと上がったテンションのままオハラに、取れなくなった左手の指輪を切断してくれと依頼する。ジャッキーはクーパーに脅されたとオハラに明かすと、アナタなら出来るとはっぱをかけられる。クーパーを捕まえ、ドナーの一件でごちゃごちゃ言うなと抗議。パニクったクーパーはジャッキーの左胸をつかむがジャッキーは優しくキスをする。直後に血が出そうなほど歯を磨くジャッキーだった。
院内薬局に薬剤師に代わるマシン、ピクサスが届く。その小部屋で悲しそうなエディを見たジャッキーは彼とHに突入。そこへ「重症脂肪が病的脂肪より上!」とジャッキーに報告に来たゾーイが小部屋に乱入。悲鳴をあげるゾーイだった。ゾーイに口止めするジャッキーだが、一連の出来事を聞いたオハラは大爆笑。そのあと、結婚指輪を切断した理由を作るためにハンマーで自分の左手の薬指を叩くジャッキー。クーパーに手当てしてもらい、帰り際に、心停止した患者クリスが出そうとした郵便物に自腹の切手を貼ってポストに投函すると、なぜかタップダンスをしたくなる。そこへ彼女が持つクリスの携帯電話に、彼が待ち合わせていた相手から電話がかかる。お悔やみを告げるジャッキー……。

【今回の診断書】
予告編を見た時は、ついにジャッキーに決定的ダメージが……と予想したが、さすがジャッキー、というか、またも色んな非常事態を突破したことに驚かされると共に、感心を通り越して感動すら覚えた、今回の「ナース・ジャッキー」。とはいえ、次回の予告編を見ると、また大きなトラブルの予感が。そんな印象を加速するかのように、今回のエンドクレジット(本編が終わった後でスタッフ・キャストの名前が出る部分)の背景はこれまでと異なり、ダンス教室のものと思しき群像のステップが。洒落た演出です。
第1シーズンはあと2回、「ナース・ジャッキー」、引き続いてお楽しみください!
【学園のクィーン】
米国の高校では、卒業パーティ(プロム)などで学園のクイーンや学園最高のカップルを選ぶ投票が行われるとか。ジャッキーはそんな華やかな輪と疎遠だったのだろう。いや、社会人になった後は、多くの人間が華やかな輪と縁が無い人生を過ごす生活こそがリアルなのに、娘に軽々しく自分の元恋人の話をしているフリンさんのほうが過去の栄光を引きずっていてよくない……のは分かっていても、現実はそうじゃないという複雑な場面。

2010.12.12|エピソード|コメント(2)トラックバック(0)

12月4日(土)S1#9「暴走する天使」“Nosebleed”

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ジャッキーは家族と公園へ。手から風船が1つ飛んでいき、3つが2つになったと駄々をこねる次女フィオナに、姉グレースは残り2つのうち1つを割り、自分が持っている数と同じ、1つにする。カフェでジャッキーはお菓子を買っておいでと娘2人に1ドルずつ渡すが、グレースは「1ドルあげるから家にいて。病院なんて無くなればいい」と主張。お手洗いでこっそりとクスリを吸ったジャッキー。今日は仕事を休もうかと躊躇するが、夫ケヴィンに反対されて病院に向かう。
エヴェレットというホームレスの男性が病院の前で倒れ、ジャッキーは院内に運ぼうとするが、急に自分の鼻から鼻血が。エヴェレットは常連の患者だが、糖尿病で両足の爪先が壊死(えし)し、両足の切断を余儀なくされる。
交通事故で脳死状態になった患者が到着。ジャッキーは彼が臓器提供意思表示カードを持っているとでっち上げ、臓器移植の準備を開始。脳死の確認をしようとクーパーを探すが、彼はすっかり親密になったメリッサとポケベルの電源を切って検査室でメリッサといちゃついていた。見つけたジャッキーは激怒すると共に、クーパーの確認が済んだことにして臓器移植の手続きを進める。
頭にシラミがいるという幼い息子2人を連れた母親がやって来るが、その態度はやたらと高飛車。近所の病院に行ったらシラミのことが近所にばれるので、遠くのオールセインツまでやって来たという。ジャッキーはドラッグストアに電話を入れ、大量のシラミ駆除用シャンプーを箱ごと、その母親の家の玄関の前に目立つように置くよう、注文する。
再び鼻血を流したジャッキーはオハラに相談するが、ジャッキーの不倫話をやはり不倫中の姉妹に参考として話したと聞かされて立腹。ジャッキーとオハラの仲は険悪に。
アカライタスは、身元不明のある赤ちゃんを本気で気に入ってしまい、養子縁組はゲイが詳しいとばかりにモーモーに相談するが、本当の両親だという若いカップルがいきなり訪ねてくる。カップルは子育てから解放されたくて、赤ちゃんを放置したという。アカライタスはカップルを叱りつけながらも、赤ちゃんを名残惜しそうに2人に引き渡す……。

【今回の診断書】
前話、ジャッキーが隠してきた色々な秘密がそろそろバレそう、と不安(期待?)をかき立てたが、ここがこのドラマは巧いというか、様々な場面を通じ、さらに不安を暗示したといえそうな今回。冒頭の場面で妹の風船を割るグレースもそうだし、ジャッキーの鼻血はクスリと関係がありそうだし、エディがさらにジャッキーに熱を上げているのも不気味。ジャッキーがゾーイのメモ帳から1頁破いたのも納得が行き、メインのストーリーと一見関係ない各場面が今後の急展開を予想させる、工夫満載のエピソードだった。
各キャラに注目すると、ジャッキー以外ではアカライタスの存在感が突出していた。部下たちに口やかましい嫌われキャラだった彼女だが、実はこれほど人間的だったとは!
よく知っているはずの人が、急に今までと異なる顔を見せる。偉そうなことをいわせてもらうと、それは人生の醍醐味の1つであり、優れたTVドラマだけが見せてくれる奇跡だ。早くも第1シーズンは残りが計3話となったが、傑作と認めざるを得ない気配!
【アカライタスが赤ちゃんをあやす場面で流れる曲】
米国では、サラ・ヴォーン、エラ・フィッツジェラルドと並んで女性ジャズボーカリスト御三家の1人に数えられる伝説的名歌手、ビリー・ホリデイが歌う“I Love My Man (Billie's Blues)”。ホリデイは若い両親のもとに生まれ、少女時代にレイプされたこともあるなど苦しい生活を送ったが、非合法のナイトクラブに出入りするうち、ジャズの才能にめざめていった。しかしクスリに溺れる時期が続き、たった44歳でこの世を去った、
【アカライタス役のアンナ・ディーヴァー・スミス】
舞台でキャリアを築き続けた実力派で、劇作家・作家でもあり、有名なスタンフォード大の教授でもある才人女優。「フィラデルフィア」「アメリカン・プレジデント」「白いカラス」「RENT/レント」「レイチェルの結婚」などの映画に出演し、TV「ザ・ホワイトハウス」では国家安全保障問題担当補佐官のナンシー・マクナリーに扮した。
【再登場のメリッサ役ジル・フリント】
WOWOWが放送した「救命医ハンク セレブ診療ファイル」で病院長ジル・ケイシーを演じた美人さんが再登場。詳細は伏せるが、今後もまた登場。ファンはお楽しみに!

2010.12. 5|エピソード|コメント(11)トラックバック(0)

11月27日(土)S1#8「ほころび始めた秘密」“Pupil”

8 家の近所を家族と歩くジャッキー。次女フィオナがアイスクリームを食べてつけた口の汚れを拭おうとするが、持っていたクスリの中身がアイスの上に、まるでトッピングのようにかかってしまい、思わず焦るはめに。無理矢理アイスを捨ててやり過ごすが……。
ジャッキーは今日もオールセインツ病院へ。経費削減のために看護師(ナース)が減らされ、今日は人手が4人足りないとか。聖ヴィンセント病院からサムという男性看護師が応援に送られてきたが、彼はまったく気が回らない。同じ頃、ゾーイはTVで見たドキュメンタリー番組の影響を受け、看護師として独り立ちしようと妙にはりきっている。
車に轢かれたグリーンフィールド夫人が、おでこに傷を作って担ぎ込まれてくる。彼女には娘が2人いて、年上で地味だがいつも付き添っているエイミーよりその美人の妹メリッサのほうがお気に入りのよう。夫人は自身も気に入ったクーパーをメリッサに紹介するのに夢中だが、クーパーは夫人の異状に気づかない。CTスキャンの結果、夫人の体に腫瘍が見つかる。母親を愛していてショックを受けたエイミーに、ジャッキーは交通事故に巻き込まれた際に適用される保険をうまく使うよう、エイミーにアドバイスする。
忙しいさなか、新しい学校に転校した長女グレースからジャッキーに電話が。学校でパニック発作を起こしたので、すぐに迎えに来てほしいという。そのためにジャッキーは、子供がいることがクーパーにバレて、クーパーは誰にもいわないと約束しながら早速エディに喋ってしまう。ジャッキーが独身だと思い込んできたエディはショックを受けつつ、ジャッキーに、話せる時が来たら話してくれればいいと親身になって申し出る。
サムがぼーっとしているのは、どうやらクスリのせいのようだった。ジャッキーは自分のことを棚に上げてサムに注意するが、彼から「お互い様だろ」と言い放たれる。自分も依存症であることに気づかれたのか気になるジャッキーだったが、病院から帰宅後、夫ケヴィンの店でグレースからせがまれ、カラオケである1曲を愛情たっぷりに歌う……。

【今回の診断書】
第8話にもなって“今頃かい!”とツッコまれそうだが、本作のヒロイン、ジャッキーは、実は職場で色々なことを秘密にしてきた、というのがよく分かったのが今回。
前回、モーモーとの会話から“ひょっとしてそうなの?”と思ったが、ジャッキーはオールセインツ病院で、結婚していることも夫や子供がいることも、どうやら隠してきた様子だ。確かに彼女が職場で結婚指輪をしていないのは、毎回のオープニングでも明示されてきたとはいえ……? しかし今回はそんな秘密の数々が、予期せずバレていってしまう急展開へと発展。どうなるジャッキー。引き続いて次回が楽しみだ!
【ラストでジャッキーが歌う曲】
名歌手キャロル・キングと名プロデューサー、ゲリー・ゴフィンがザ・ドリフターズのために書いた「アップ・オン・ザ・ルーフ(Up on the Roof)」。全米ポップ・シングル・チャートで第5位、全米R&Bチャートで第4位に輝いた名曲だが、米国で有名なのはジェームズ・テイラーによるカバー。テイラーと作者キングが2001年の同時多発テロ事件直後の「ザ・コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ」で歌ったことでも知られる。
【ドクター・オハラ役のイヴ・ベスト】
ジャッキーが職場で隠している秘密を全部知っているようだが、ストレスをため過ぎているのか、前回のエピソードのようにジャッキーの家に泊めてもらったり、レストランで喫煙(今のニューヨークではありえない?)するなど、少々暴走気味の女医オハラ。演じるイヴ・ベストは、英国のオックスフォード大で学び、同国の王立アカデミー・オブ・ドラマティック・アートでも学んだ本格派女優。トニー賞にもノミネートされてきた。
【メリッサ役のジル・フリント】
WOWOWの海外ドラマを見ている人ならすぐに気づいたはず。TV「救命医ハンク セレブ診療ファイル」で病院長ジル・ケイシーを演じる美人女優。TV「ゴシップガール」「グッド・ワイフ」にも時々出演。

2010.11.28|エピソード|コメント(3)トラックバック(0)

11月20日(土)S1#7「ステーキ・ナイフ」“Steak Knife”

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全般性不安障害である長女グレースをジャッキーは聖マリア学校に転校させようと考えるが、高い学費が悩みのタネ。オールセインツ病院の向かいのマンションでは、自分が“神”だという男が窓から顔を出し、病院で働く人々に大声で暴言を浴びせる。
病院へナイフで胸をめった刺しにされた男性が担ぎ込まれてくる。一緒に食事をしていた女性ローリーの元夫が刺したのだ。元夫は裁判所から接近禁止命令を受けていたにも関わらず、だ。ローリーは、付き合う相手がいつもダメ男で、やっとステキな男性にめぐり会えたと思ったが、彼と別れざるをえないと落ち込む。
エディがジャッキーにカルティエのラブ・ブレスレットをプレゼントしてくる。付き合って1年の記念だという。だがジャッキーは受け取れず、エディと気まずい雰囲気に。エディは結局ブレスレットをクーパーにあげてしまう。ジャッキーは、目を覚ました男性患者が“もう亭主持ちはこりごり”と語るのを聞き、モルヒネの量を増やして気持ちよくさせ、エディにクーパーから取り返してもらったブレスレットをローリーにプレゼントするよう仕向けさせる。
エディから薬をもらえなくなったジャッキーは、オハラが安定剤を服用してると知り、少しくすねる。その夜、家族の間で何かあって落ち込んだオハラは1人になりたくなく、ジャッキーの家に泊まる。翌朝、ジャッキーの家に届いた水道電気料金の請求書をオハラは黙って持って帰ろうとするが、ケヴィンはそれをこっそり取り戻す。

【今回の診断書】
今回は30分を少し超えるエピソード。本国でCM入りで放送されるようなドラマは30分枠で20数分、1時間枠で40数分であることが多いのですが、全米で放送しているショータイム局はCMが無いため、こういうクリエイティブな趣向が出来るのです。
さて、今回もまたジャッキーの悪女と聖女、両方の面が見られる興味深いエピソードでした。悪女としては引き続いてクスリの問題もありますし、それがエディとの不倫に結びついてきたのも事実でしょう。今回は後者についてジャッキーはある決断を迫られたかもしれませんが、結局は今までとあまり変わらないような……。ちょっと心配です。
一方、もちろん聖女の面も。ローリーと男性患者の間で恋のキューピッドになろうとしたのは感動的でしたし、“神”だという男(後述)を黙らせるため、「いじめるなら犯罪者か白人男にしなさい」と叫んだのは、発言内容はともかく痛快。そして凄かったのは、少女にいたずらした犯人から物凄い勢いで尿道カテーテルを抜いた場面。以前入院した時、あれをつけられたことがある筆者は思わずこの場面で跳び上がりそうになりました。
引き続いてマイペースのゾーイ、ジャッキーが彼氏の問題で悩んでいると知った途端、親身になったモーモーら看護師たちもいい味。とはいえ、アカライタスが見つけた赤ん坊はどうなるんでしょう。それとドクター・オハラの家族の問題も気になりますが……。
【ジャッキー役のイーディ・ファルコ Part.7(この項目の最終回)】
2004年、乳がんが見つかりながらそれを克服し、TV「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」に出演を続けたイーディは、「ナース・ジャッキー」でも熱演を見せて全米から絶賛の嵐が(ちなみに第6話「くたばれ! そして乾杯」はTIME誌で2009年に全米放送されたTVドラマのベスト・エピソード第5位に選出)。ゴールデン・グローブ賞ではTVミュージカル/コメディ部門の主演女優賞に、俳優組合賞ではコメディ女優賞にそれぞれノミネートされ、今年のエミー賞ではコメディ・シリーズ主演女優賞を獲得。ジャッキーの役自体はニューヨーク州看護師協会から不道徳と批判されてしまいましたが、役者イーディ自体の評価には全く影響していないようです。プライベートでは独身ながら、2004年にアンダーソンという男児、2008年にはメイシーという女児を養子にしたイーディ。家庭でもきっと良きママなのでしょう。
【当番組監督3回目のスティーヴ・ブシェミ】
第4・5話に続いて3度目の監督(次回の第8話もそうです)。考えたらかつてWOWOWが放送したTV「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」で、イーディとは遠い親戚同士を演じた仲。舞台裏でも息がぴったりなのでしょう。「ザ・ソプラノズ~」でも計4回監督しましたし、イーディが出演したTV「OZ/オズ」も監督をしたことがあります。
【“神”役のマイケル・ブシェミ】
今回のスティーヴ・ブシェミ監督の兄弟(年齢不明なので兄か弟か判別できないが多分弟)。兄弟にこんな役を演じさせるブシェミ監督って面白い!

2010.11.21|エピソード|コメント(6)トラックバック(0)

11月13日(土)S1#6「くたばれ! そして乾杯」“Tiny Bubbles”

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ケヴィンの店。ジャッキーは長女グレースの転校を考えてさえない気分だが、次女フィオナの無邪気さに癒される。オールセインツ病院には、ジャッキーと15年間共に働いた元同僚ナース、ポーラがやって来る。末期の肺がんだが煙草をやめないポーラは、ホスピスへの入所も断っていた。ポーラの望みはジャッキーら友人の手を借り、尊厳があるうちに死ぬことだ。
同じ頃、クーパーの母親で胆のうに問題があるクーパー夫人が入院。付き添いでやって来た女性、シャインホーン夫人も何とクーパーの母親だった。2人の母親はレズビアンなのだ。クーパーはベッドの傍らで、生みの親よりシャインホーン夫人のほうが好きだったことを告白する。
また、第3話「魔法のスープ」で飼い猫に睾丸をケガさせられた男性バターリが再び入院。ポーラは長年の経験から、バターリがディスポーザーに手を入れている時、猫がスイッチをオンにしたことを言い当てる。
ジャッキーはポーラの願いを聞き入れ、儀式を開こうと決心。オハラやエディら仲間たちも参加することになるが、訳が分からないゾーイは参加すべきかどうか悩む。そこでエディに相談した結果、好きなようにすればいいと一喝され、やはり儀式に出席する。閉ざされたカーテンの中、ポーラが寝ているベッドを囲むジャッキーたち。ポーラは「くたばれ! そして私に乾杯」といい、ジャッキーが何か薬を入れたシャンパンを飲み干す。ポーラの最後の頼みは神父を呼ぶこと。ジャッキーが他の患者のもとから強奪した神父に見守られる中、ポーラは息を引き取る。後日、ジャッキーはポーラから鍵を預かった、彼女が独りで住んでいた部屋を訪れる……。

【今回の診断書】
口は悪いが経験豊かな元ナース、ポーラ。夫と離婚し、末期の肺がんである彼女は、自分が働いた病院で息を引き取ることを望む……。そこまでなら只の美談ですが、今回の「ナース・ジャッキー」が過激だったのは、ジャッキーら仲間たちによる儀式。米国でも過激と判断されたのか、直接的な描写はされていませんが、ジャッキーらのこそこそとした態度から判断するに、彼らがしたことは安楽死の幇助だったに違いありません。
米国でもオレゴン州やワシントン州で合法とされるようになった安楽死ですが、ほとんどの州でそれを幇助することは殺人罪に問われることになります。そのことに気づかないゾーイに、エディが苛立ったのはそのためでしょう。儀式、という隠語で通じるなら過去にもそういう事態があったのではと想像させるのも身震いがしてきます。儀式の後、アカライタスが点滴を疑うやり取りがあり、その的外れっぷりは事態の深刻さを和らげる、このドラマならではのユーモアだったのかも。見る者を考えさせるエピソードでした。
もっとも、楽しい場面もありました。クーパーの両親がどちらも女性だったという事実の発覚は、彼の甘えん坊キャラの源を理解できたようで興味深かったし、ジャッキーの次女フィオナのヒマワリ・コスプレは可愛かったですよね!
【ジャッキー役のイーディ・ファルコ Part.6】
「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」終了から2年後の2009年、イーディは「ナース・ジャッキー」への出演を決定。製作総指揮・企画の1人、リズ・ブリクシャスがあるメディアの取材に対し、「男性たちの物語は征服や支配に関するものが多いが、女性たちのそれはクライマックスにたどり着かなくても3か月続けられると考えた」といい、「すべての病院ドラマは医師たちの物語だが、医師は看護師無しでは何も出来ない」と考え、本作で看護師を題材にしたとか。そして主演のオファーを受けたイーディはこう振り返る。「私は今まで自分の役が何をすべきか、どうあるべきかなんて考えたことが無かったわ。でもこのドラマのスタッフは私に何を考えているか、何度も尋ねてくるの」。そしてブリクシャスやリンダ・ウォーレムといったプロデューサーたちを「感受性豊かで、脆くて、聡明。本当によくいる女性たちなのよ」と表現した。(次回に続く)。
【クーパー役のピーター・ファシネリ】
今回、両親がレズビアンの夫婦だという意外な事実が分かったクーパー。演じるファシネリは1973年11月26日、ニューヨーク市クィーンズ生まれ。演劇学校でウィリアム・H・メイシーらの講師から演技を学んだ後、映画・TVの世界へ。1996年のTVムービー「An Unfinished Affair」(日本未放送)で共演したジェニー・ガース(「ビバリーヒルズ青春白書」のケリー役)と結婚。以来長い間妻のほうが有名という状況が続き、初主演番組「ファストレーン」もすぐに打ち切りとさんざんんだったが、TV「シックス・フィート・アンダー」にジミー役で準レギュラー出演したあたりから再注目され、TV「ダメージ」のグレゴリー・マリーナ役、そしてヒット映画「トワイライト・サーガ」シリーズのカーライル・カレン役でスターに仲間入り。来年完成予定の映画“Loosies”では主演に加えて製作総指揮や脚本も担当している。
【シャインホーン夫人役のスウォージー・カーツ】
1970年代から、可愛い系女優として多数の映画に出演。ベテランとなった今も、コメディでその味を発揮する名バイプレイヤーとして活躍。TV界でも人気で、最近では「プッシング・デイジー~恋するパイメーカー~」にリリー役で出演。1990年には“Carol & Company”(日本未放送)でエミー賞のコメディ・ゲスト女優賞を受賞した。
【クーパー夫人役のブライス・ダナー】
カーツと同じく、1970年代から多数の映画に出演している美人バイプレイヤー(「ミート・ザ・ペアレンツ」のロバート・デニーロの妻役とか)。名字は異なるが、あのグウィネス・パルトロウの母で、TV「Lの世界」のキャサリン・メーニッヒは姪。TV「Huff~ドクターは中年症候群」のイジー役でエミー賞の助演女優賞に2年連続で輝いた。

2010.11.14|エピソード|コメント(3)トラックバック(0)

11月6日(土)S1#5「オールセインツの夜」“Daffodil”

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ジャッキーは情緒不安定な長女グレースを心配しながらも、オールセインツ病院での夜勤へ。今夜は職員を厳しく管理しているミス・アカライタスがなぜかいて、あれこれ口出ししてくるのがウザったいが……。
急患で担ぎ込まれてきたのは、脳卒中を起こしたズベンコ氏。患者自身は口が聞けないのに、付き添いの家族みんな、自分勝手でうるさい。ジャッキーは彼らを黙らせようとする。また、市販の妊娠検査キットを買うお金がない女性を、ジャッキーはキット代を渡して追い払う。また10歳の女の子ステファニーが、倒れた母親に付き添ってやってくる。けなげに頑張るこの少女のため、ジャッキーは出来る限りのことをする。
一方エディは、なぜか若手医師クーパーに気に入られ、彼にまとわりつかれ、ジャッキーと密会できずに困惑。クーパーがジャッキーの胸を揉んだと知ったのもイラつきを増長する。またゲイの看護師モーモーはやはりゲイの同僚ソーに追いかけられるが、ジャッキーはモーモーをダシにし、ソーにピザなどを買いに行かせる。ゾーイは初めてオハラから食事に誘われてテンション上昇。そしてアカライタスは偶然入手したスタンガンで……!?
忙しい夜勤が終わって帰宅したジャッキーの携帯に、ステファニーから電話が。母の容態に困りはてたステファニーに、ジャッキーは自分流の薬の服用法を伝授する……。

【今回の診断書】
「ナース・ジャッキー」の舞台は某ヒットドラマと同じく救命病棟、いわゆるERだが、今回はそんなERが特に混乱する夜勤シフトが舞台。そこに本来なら、夜よりも昼にいそうなミス・アカライタスがいて、ジャッキーをますますイラつかせるのが見ものに。
ジャッキーが引き続いて聖女と悪女の両面を見せる一方、ひょんなことから現れたスタンガンという小道具が物語にメリハリを加え、楽しいエピソードに仕上がった。
ジャッキー以外の登場人物では、見習い看護師ゾーイがますます目が離せない存在に(今回は演じる俳優について後述)。他の登場人物たちにも色々あって、今後が気になる!
【今回も監督はスティーヴ・ブシェミ】
前回に引き続いて今回も監督は、個性派俳優でもあるスティーヴ・ブシェミ。クエンティン・タランティーノ監督の「レザボアドッグス」「パルプ・フィクション」で大いに注目を集めた後、「ミラーズ・クロッシング」「バートン・フィンク」「ファーゴ」「ゴーストワールド」などのカルトな映画で不気味な役を演じたかと思えば、「コン・エアー」「アルマゲドン」「アイランド」あたりのハリウッド大作で特異な存在感を発揮。現在はかつて「SEX AND THE CITY」「ザ・パシフィック」などを放送した全米人気チャンネルHBOで、映画界の鬼才マーティン・スコセッシ監督も参加している最新ドラマ「ボードウォーク・エンパイア」に主演。来年のエミー賞でも注目を浴びるに違いありません。
【ジャッキー役のイーディ・ファルコ Part.5】
ハリウッドもある米西海岸でなく、よりアーティスティックな俳優が多い東海岸を拠点に活動開始したイーディにとって大きな出世作となったのはTV「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」。ストレスを溜めた主人公のマフィア、トニー(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)の日常を描いて絶賛を浴びた本作でイーディはトニーの妻カーメラを好演。普通の主婦になりたいのに、問題が起きれば夫のように他人に凄んだり、夫の浮気を知って自分も不倫しようしたりするカーメラを熱演。イーディはエミー賞で3回、ゴールデン・グローブ賞で2回、それぞれドラマ・シリーズ主演女優賞に輝きました(次回に続く)。
【ゾーイ役のメリット・ウィヴァー】
今回からはジャッキー役のイーディ以外のレギュラー・キャストも紹介していきましょう。病院事情を知らない上、周囲の空気をまったく読もうとしない、でもけっして憎むことができない若手見習い看護師ゾーイ。今回は電気銃(スタンガン)で事件を起こしてしまった彼女に爆笑を誘われた人も多いのでは。演じるウィヴァーは1980年生まれで、ニューヨークを演技を学び、オフ=ブロードウェイなどに出演。「フィクサー」「イントゥ・ザ・ワイルド」などの秀作映画にも出演と、今後も活躍が期待される。

2010.11. 7|エピソード|コメント(4)トラックバック(0)

10月30日(土)S1#4「色のない世界」“School Nurse”

4

オールセインツ病院に幼い男児の急患が運ばれてくる。ジャングルジムから落ちた坊やをオハラが治療して命を救うが、患者ジュリアンの双子の兄弟ジャスティンは感謝のあまり、オハラにハグして離れなくなる。
同じ頃ジャッキーは夫ケヴィンと長女グレースの学校に呼び出される。学校の関係者たちによれば、グレースには不安障害の兆候があるという。グレースが描いた絵は色が極端に少なく、太陽も無い。関係者たちはグレースに薬を服用するように勧めるが、ジャッキーはその程度で子供に薬を勧める意見に反対。もっとも、そんなジャッキーもエディから久しぶりに鎮痛剤を入手し、複雑な心境だ。グレースをめぐってケヴィンと励まし合うジャッキーだが、ケヴィンといる時にエディからメールが来て困ることがあり、携帯をもう1台買う。だがエディとケヴィンから同時に電話がかかってくるなど、前途多難かも。
ゾーイは老いた女性患者を担当するが、クーパーは女性を励ます以上に何もせず、女性は亡くなる。自分の患者の初めての死に直面したゾーイは悲しさに落胆しつつ、クーパーの前で化粧やウィッグを気にした患者に死に化粧を施す。
ジャスティンがオハラにプレゼントした絵は明るい色がふんだん。ジャッキーはグレースが書いた絵に、大きな太陽を書き足す。

【今回の診断書】
今回は何といっても、「パルプ・フィクション」「ファーゴ」「ゴーストワールド」などのカルトな映画から「コン・エアー」「アルマゲドン」などのヒット映画で知られる個性派男優スティーヴ・ブシェミ(後述)が監督したのが見どころ。導入部のように、映像的に凝った場面から俳優たちの間(ま)が笑いを誘う場面まで、才気をたっぷりと発揮しました。
いよいよ第4話とあって、キャラクターたちに関する情報が新たに足されていったのも見もの。オハラが子供嫌いであること、モーモーに双子の兄弟がいて亡くなったことなど今後のストーリーに影響するかもしれず、今後も目が離せません。
それにしても、ドラッグも不倫も継続中ながら、ジャッキーの聖女=優しい面が印象に残ったエピソード。幼い患者ジュリアンを前に言いたい放題なドクター・看護師たちからジュリアンの母親・兄弟を離そうとゾーイに指示した気配りは感動的。そうはいっても携帯電話を2台持ったことが失敗にならないか、ちょっと心配だったりしますが……!?
【監督のスティーヴ・ブシェミ】
「ミラーズ・クロッシング」「レザボアドッグス」「バートン・フィンク」「パルプ・フィクション」「ファーゴ」「ゴーストワールド」などのカルトな映画から「コン・エアー」「アルマゲドン」「アイランド」などのハリウッド大作まで幅広く活躍する、容貌も印象的な個性派男優。かつてWOWOWが放送したTV「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」のトニー・B役も最高でしたね。実は元消防士で、2001年の同時多発テロ事件の現場にいきなり現れてボランティアとして働いたという逸話も持っています。現在は全米で話題の最新ドラマ「ボードウォーク・エンパイア」に出演中。
【ジャッキー役のイーディ・ファルコ Part.4】
演技を学んでプロの女優になったイーディは東海岸を拠点とし、「トラスト・ミー」「ブロードウェイと銃弾」「アディクション」などのインディーズ映画に出演しながら、「ロー&オーダー」「ホミサイド/殺人捜査課」「OZ/オズ」など今なお評価が高いドラマに次々とゲスト出演。後にカーメラ役を好演してブレイクするTV「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」までの助走期間にしました(次回に続く)。

2010.10.31|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

10月23日(土)S1#3「魔法のスープ」“Chicken Soup”

3

出勤前、自宅の洗面台で今朝も“クスリ”を服用しようとしたジャッキーだが、“クスリ”を排水口に落として大あわて。そんなジャッキーに夫ケヴィンは、長女グレースがTVで人類滅亡に関するドキュメンタリーばかり見ていて情緒不安定ではないかと指摘。さらりと流したジャッキーだが内心、グレースがとても心配だ。
病院では新しい患者である老男性バーナードが、これ以上の手術は不要だと治療を拒否。見舞いに訪れた妻も、ユダヤ人の間で万能薬とされるチキンスープがあれば平気だといい、持参したスープを夫に飲ませるだけ。
見習い看護師のゾーイは母親に買ってもらった新品の“マイ聴診器”を手に入れて大喜びするが、貸したオハラに早速持ち去られる。実はオハラのいたずらで、動揺するゾーイを見て面白がりたいだけだった。
一方、エディから、薬剤を管理する装置が導入されるため、今までのように自由に“クスリ”が手に入らなくなる上、エディが解雇されるかもと知らされたジャッキー。クーパーに頼んで理事会に導入を断念させようとするが、感触はあまりよくない。
地方であるオハイオから旅行で来た若夫婦の妻ボニーが腹痛で運ばれてくる。当初は妊娠かと思われたが、検査の結果、ボニーが薬物に依存していることが判明。自分も依存症であるジャッキーは、立ち直れるよう力を貸そうと彼女に告げる。
また、睾丸にひどい傷を負った男性バターリが担ぎ込まれてくる。彼によれば傷は風呂の掃除中、飼い猫に飛びつかれたとか。
ついにバーナードが息を引き取る。しかしスープのおかげでつらそうでなかった。
帰宅したジャッキーは未来を不安がるグレースにチキンスープを飲ませてやる……。

【今回の診断書】
今までこんなTVドラマは無かったと驚かされた「ナース・ジャッキー」ですが、その世界観に見るほうも慣れたのか、前2話に比べるとおとなしい印象ですが、各キャラの立ち位置がはっきりしてきて、ますますハマってきたと思うのは筆者だけでしょうか。
事件でいうと、エディ経由で“クスリ”を手に入らなくなりそうになったジャッキー。思春期ゆえの心の揺れだといいのですが、長女グレースも引き続いて心配です。
一方、“マイ聴診器”をオハラに奪われたゾーイのあわてっぷりが爆笑もの。オハラだけでなくジャッキーもオハラのいたずらだと分かっているのに、ゾーイだけあわてているのがユーモラス。いちいちヘンな動きをするのも今後を期待させます。
そして今回、重みがあったのは魔法のようなチキンスープ。筆者も、病気は治せないはずなのにバーナードを癒した、その効果にびっくり。ジャッキーも何かを学んだのかもしれません。その学習効果、はたして……?
さて次回の第4話は、何とカルトな俳優スティーヴ・ブシェミが監督。お楽しみに!
【M14のバス】
ジャッキーが住むニューヨークでは道路の渋滞が激しいこともあり、バスや地下鉄は貴重な市民の足。各路線は頭にMをつけた番号で呼ばれますが、M14のバス(正確には2路線あり)はマンハッタン14丁目一帯を走る路線。それとセリフにもあった「メトロカード」は、日本でいう「スイカ」のようなもの。かつてはトークンと呼ばれるコインが切符代わりでしたが、2003年に廃止されました。
【スペイン語の雑誌】
米国ではスペイン語を使う人が少なからずいて、国民的に人気がある「ピープル」のスペイン語版などの雑誌やスペイン語の新聞が、普通に町角で売られています。
【イディッシュ語】
ヨーロッパ系ユダヤ人が使う原語。ホロコーストのせいでユダヤ人が激減したヨーロッパでは使われず、彼らが移民した米国やイスラエルでしか使われていないそうです。
【ジャッキー役のイーディ・ファルコ Part.3】
1963年7月5日生まれのニューヨーカーで、多彩な人種が住むブルックリンの生まれ。イタリア系米国人でジャズ・ドラマーである父親フランク・ファルコ、スウェーデン系米国人で女優である母親ジュディス・アンダーソンが両親。2010年8月、コメディ・シリーズ主演女優賞に輝いたエミー賞のナレーションによれば、かつては獣医になるのが夢(看護師からそう遠くない?)で、ミートボールをよく食べたとか。受賞の壇上でイーディは「94歳で新天地を求めてフロリダに移り住んだ祖母」にも感謝の念を捧げました。やはりエネルギッシュな家系なのかも。(続く)
【バーナード役のイーライ・ウォーラック】
幸福そうに息を引き取る患者、バーナード役を人間味たっぷりに好演。有名なアクターズ・スタジオを創設した1人で、メソッド演技法の確立に貢献。俳優としても「荒野の七人」「おしゃれ泥棒」「ゴッドファーザーPARTⅢ」「ミスティック・リバー」「ホリデイ」など多数の映画に出演。最新作は94歳で出演した(!)話題の映画「ウォール・ストリート」。今回の出演でエミー賞のゲスト男優賞にノミネートされました。

2010.10.24|エピソード|コメント(0)トラックバック(0)

10月16日(土)S1#2「ドラッグ・シュガー」“Sweet-N-All”

2

今日のジャッキーは、自宅で粉々にしたある“クスリ”を甘味料の小さな袋に入れてから、オールセインツ病院に出勤。今日もキツそうな1日、これで乗り切れればそれでいい。
病院では誰かと話したいのに相手にされない男性ルイスが暴れ、思わずジャッキーを引っぱたく。それを見たゾーイは怯え、女子トイレから携帯電話で母親に愚痴をいうが、前回ジャッキーが流したはずの“耳”がトイレに浮かんでくる。ジャッキーは、そりが合わない上司ミス・アカライタスに事情聴取されるが、当然バックれる。その後、ミス・アカライタスはジャッキーの“クスリ”を甘味料と誤解して飲んでしまい、ラリってしまうが……!?
病院にはスケボーに乗っていて転倒した少年が運ばれてくる。優秀なオハラは頭を手術しようと言い出すが、クーパーは腹部に大動脈瘤があると診断。何とそれが正解で、ジャッキーは少しだけクーパーを見直す。また、転倒の現場に居合わせたスケボー少年がヘルメットをかぶっていなかったのは、母親がカタログ雑誌の写真撮影のため、ヘルメットを外すよう指示していたからだと発覚。ジャッキーは呆れながら母親を責める。
ルイスが再び院内で暴れだし、警官に取り押さえられる。だがジャッキーは、何か理由があるはずと察して警官にルイスの手錠を外すよう進言する。実は病気の母親が足を切断されると知ったルイスは、その介護と高額の医療保険料に動揺したのだった。またジャッキーは、病院の近くで発作を起こしたタクシー運転手を偶然救うと、甘味料の最後の1袋を強心剤代わりに与える……。

【今回の診断書】
前回の第1話で、聖女と悪女、どちらかまるで分からなかったジャッキーですが、その答をさらにはぐらかさんとばかりに、この第2話でも聖女と悪女の両面を見せます。そのキャラクター造形には唸らされますよね。
何せ職場にお弁当のサンドウィッチを持っていくような感覚で、砕いた“クスリ”を甘味料の小袋に入れるのが何とも過激。お役所的もしくは官僚的なミス・アカライタスですが、まさか“クスリ”だと思わず甘味料と誤解して飲んでしまったことに同情しつつ、おかげでジャッキーは“耳”の問題から逃げることが出来ました。絶妙なブラックユーモアです。
どうにも頼りなさそうなクーパーが正しい診断をするなど、そう、誰もが良い面と悪い面の両方を持ち合わせているという世界観が「ナース・ジャッキー」は最高です。誰もが善と悪、両方の人間性を持ち合わせているのかもしれない……。深い人間観察眼では?
【原題の“Sweet-N-All”】
今回登場する甘味料の商品名ですが、現実に米国でポピュラーな甘味料“Sweet'N Low”がモデルでは。商品名は「甘いけど低カロリー」という意味ですが、あまり体に良くないという説も……。体に良くなくてもやめられない“薬”と変わらないのが皮肉!
【ジャッキー役のイーディ・ファルコ Part.2】
ファルコの名前を世界的に知らしめたのは、かつてWOWOWが日本初放送した「ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア」の主人公、トニー(ジェームズ・ギャンドルフィーニ)の妻カーメラ役。マフィアを夫に持つ米国版“極妻”(笑)ながら、ファルコはエモーショナルかつユーモラスに好演。エミー賞のドラマ・シリーズ主演女優賞に3度輝き、ゴールデン・グローブ賞の同じ部門で2度輝きました。
【クーパー役のピーター・ファシネリ】
今回からはファルコ以外のキャストの紹介も。前回のように誤診をしたかと思えば、今回のように先輩医を出し抜いてしまった若手医師クーパー。演じるファシネリは、映画「トワイライト」シリーズでヴァンパイア美少年エドワード(ロバート・パティンソン)の父親カーライルを演じていることもおなじみ。TV「ビバリーヒルズ青春白書」でケリーを演じるジェニー・ガースの夫です。
【第2話の監督クレイグ・ジスク】
米国でやはり過激と評判の「Weeds~ママの秘密」(主婦がマリファナを栽培する話)、「NIP/TUCK マイアミ整形外科医」(美容整形の世界を生々しく描く衝撃編)などに参加。兄は「名探偵モンク」などのランドール・ジスク監督。気になる兄弟です。

2010.10.17|エピソード|コメント(7)トラックバック(0)

10月9日(土)S1#1「聖女と悪女」“Pilot”

1

大都市ニューヨーク。オールセインツ病院で働くジャッキーはベテランのナース(看護師)。しかし、毎日担ぎ込まれてくる患者たちと同様、彼女も傷だらけで、自分をすり減らし続ける毎日だ。
負傷した自転車配達便の若者ピーターが急患で運ばれてくる。ジャッキーは頭部の内出血から急性硬膜下血腫を疑い、CTスキャンが必要と診断するが、若手医師のクーパー医師は単なる脚の負傷と思ってマジメに取り合わない。結局ピーターは死に、ジャッキーは彼の死を無駄にしないよう、臓器ドナーの登録カードを偽造し、彼の臓器を移植のために提供する。やがて病院を訪ねてきたピーターの妻は妊娠しており、夫の臓器を闇のマーケットで売りたいほど生活費に困っていた。
また、全身で180針以上縫うほど客に斬られた娼婦も運ばれてくる。客はリビア大使の秘書で、外交特権によって警察の逮捕を逃れていた。ジャッキーは娼婦が抵抗した拍子に切り落とした男の耳に向かい、「くたばれ、ボケ」と告げると、それをトイレに流してしまう。そして男が持っていたクリップから現金をかすめ、ピーターの妻にそっと渡す。
仕事を終えたジャッキーは職場不倫を続ける薬剤師エディから鎮痛剤を受け取ると、彼に「愛している」と告げて別れる。そんなジャッキーを家で待っていたのは、幼い女の子2人と優しい夫ケヴィンという家族だった……。

【全米で絶賛を浴びている最新ドラマ】
8月に発表されたTV界のアカデミー賞、エミー賞でコメディ・シリーズ主演女優賞に輝いた、海外ドラマの新たな傑作が、WOWOWの放送が日本初登場となる「ナース・ジャッキー」。筆者はこの第1話を何度も見直したほどこのドラマに惚れ込み、このブログを担当させていただくことになりました。
本国でこのドラマはどんなチャンネルでどのように放送され、どう受け止められ、どう楽しまれているかに加え、キャスト・スタッフはどんな人たちか、米国と日本で医療事情やカルチャーはどう異なるのか、そして日本人がどうすればこのドラマを100%以上楽しめるかを考えていきます。
【エピソード題の「聖女と悪女」】
どんな人間も善と悪、両方の資質をあわせ持ち、善を肯定して悪を否定してすべてを語り尽くせるほど人間は単純じゃない。そんな問いかけこそが「ナース・ジャッキー」の真骨頂。この第1話でいうと、命を落とした自転車配達便の青年とその妻にあれこれ尽くしたジャッキーが終盤、自分に口ごたえした別の自転車配達便の男性、その自転車のタイヤをすかさず傷つけた、あの呼吸がこのドラマは絶妙で最高。ジャッキーはまさに聖女と悪女、両方の顔を持つ奥深いヒロインです。
【ジャッキー役のイーディ・ファルコ】
……は、「ザ・ソプラノズ」と本作で米TV界に偉大な足跡を残す名女優に。次週からその経歴を少しずつご紹介しましょう。
【第1話の監督アレン・クールター】
今の米TV界を代表する名監督。「SEX AND THE CITY」を計9話、「ザ・ソプラノズ」を計12話手がけ、「ダメージ」の第1話を監督し、かつてWOWOWが放送した「ROME[ローマ] 」にも参加した名手です。
【エミー賞に輝いた音楽の担当は!?】
米国ドラマというとオープニングタイトルが印象的な番組が多く、本作もそうです。8月に発表されたエミー賞で、本作はオリジナルメインタイトルテーマ音楽賞を受賞。音楽を担当するのはリサ・コールマンとウェンディ・メルヴォワン。TVドラマは「HEROES/ヒーローズ」なども担当。この2人、プリンス&・ザ・レヴォリューションを経て、ウェンディ&リサとしてデビュー。洋楽好きならご存知の方も多いのでは?
【原題の“Pilot”】
Pilot=パイロットとは、TV界においては番組の試作版のこと。正式に番組が始まる前に作られますが、番組が始まるとそのまま第1話として放送されることが多い。要は、実は番組のタイトルこそが本来の原題ですが、便宜上、“Pilot”と呼んでいるのです。

2010.10.10|エピソード|コメント(3)トラックバック(0)